成功をつかむのに、才能も肩書きも運もいらない! 必要なのは、「こうやって考えれば必ずうまくいく」という成功の枠組み(=フレームワーク)を身につけること。
新刊『サクセスキューブ このフレームワークであなたも必ず成功できる』では、一流のビジネスパーソンが無意識に実践している「いつでも」「誰でも」「どこでも」うまくいく思考法を、身近な“キューブ”を使って理論的に解説しています。
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今回は、満足と評価について整理をします。
他者からどのような評価を受けても、キューブづくりを継続しなければ達成感を得ることはできません。他者の評価で満足し、達成感を得るということはサクセスキューブの定義から外れます。
しかし、他者の評価を得ることを目標の一つとしているのであれば、評価が低ければ自分が満足しても不足するものがあると判断して、すべての面を見直さなければなりません。
評価が低い理由が明白であれば、その部分を修正すれば済みますが、評価が低い理由がよくわからないときには、すべての面や得られた成果の見直しを行う必要があります。
思い、信念、技術、人間力、コミュニケーションが適切であったかどうかを一つひとつチェックしていきます。やるべきことへの思いが不足していたからキューブが求められるものよりも小さかったのか、技術が足りなかったのか、人間力に課題があるのか、不足するところがないのかなど、振り返ることでよりよい成長機会とすることができます。
なお、他者からの評価を得ることを目標の一つとしていなくても、他者からの評価を得ることで、自分の満足レベルを高めていくことができます。
サクセスキューブをつくるプロセス、もしくはつくり終えたあとに第三者に評価してもらうことができる環境に自分を置ければ、サクセスキューブをより効果的に使うことができるようになります。
とはいうものの、客観的評価を行う他者が誰なのかにより、このロジックは影響を受けます。つくりあげるキューブを評価するにあたり、その評価に適切な人をどのように配置できるかが、キューブづくりのポイントの一つです。
評価者として不適切な人の評価を鵜呑みにし、自分の判断を誤ることのないようにしなければなりません。徐々に経験を積み、ネットワークができてくれば、「この分野は誰」「この領域は誰の評価を得る」というように、適切な評価者をリスト化することができます。適切な評価者をもつことは、自分をより一層高めることになると気づきます。
なお、気をつけなければならないことがあります。いつも高い評価をしてくれる人をそばに置くことは心地よく、ストレスを感じませんが、自分を高みにもっていくためには、あえて厳しい意見をいってくれる、適切な評価をしてくれる、自分よりも優れた、尊敬できる人をどれだけ集めることができるのかが重要になります。
サクセスキューブを真剣につくろうとする人は、その重要性をよく理解しています。
自分の日常を適切に評価し、アドバイスしてくれる人がいることは、自分がしなければならないことや、したいことに気づく機会にもつながります。「あなたはここがよいけれども、ここに課題がある」とか、「ここはもっとこうしたほうがいい」「○○を身につければ、この仕事はさらによくなるよ」といったアドバイスが気づきを生み出します。
そうした点から、それぞれの分野において信頼できる人をもつことが大切です。
キューブの評価をしてもらい、自分を高めるだけではなく、日常の評価を受けてキューブづくりのきっかけとすることもできます。
もちろん、さまざまな分野に長けている人をあなたの周りに数多く集めることは容易ではありません。彼らにアドバイスしてもらうためには、彼らがあなたと一緒にいることに興味があったり、あなたに関心をもつ必然性がなければならないからです。
自分が優れたものをもっている、彼らの役に立つ、あるいは支援したいと思わせるから関係がつくれるのです。
ある分野に長けた人であっても、その人は完全ではなく、誰かの助けを得て生きています。人はそうしたことがわかっているので、意識的に、あるいは無意識に、自分にとって必要のある人と必要ない人の見極めを行っていきます。
あなたが人間力を身につけるとともに、ステージを上げていくことができていなければ、彼らと会うことや、支援を受けることはできません。ここまで進めてくると、適切な意見をくれる人をもつことは、かなりハードルが高いイメージがあります。長い時間をかけて自分づくりをしながら得ていくものなのかもしれません。
もう一つだけ、他者からの評価を自分の成長につなげる方法があります。
家族、近所の人、友達、仲間、上司、取引先の人など、あなたの行動に対して正直に意見をいってくれる人、すべてに支援してもらうやり方です。
あることに対し、よい、よくない、すごい、すごくない、こうしたほうがいい、こうしてはダメだ、などの意見をくれます。これはあなたの行動の評価です。
それを一つひとつ検証し、相手の立場や生き方、できれば性格や置かれている環境、価値観について考え、判断します。「彼であればそういう評価もあるだろう」「彼女であればそういう結論になるだろう」「この点はこういう理由から間違いだ」「これは明らかに感情の問題にすり替えられている」というように、相手を慮(おもんぱか)りながらも、公平公正、かつ客観的に自分を見て、適切な判断ができるよう訓練しなければなりません。
とはいうものの、人の評価を受けたうえで、自らがその検証を行えなければ主体性を欠きます。謙虚になることを忘れてはなりませんが、相手の評価がそのまま自分の評価ではないと常に心に留めておきましょう。
さて、人生の最終的な目標の一つは、自分がプライドをもって正しく生きることです。イキイキして楽しそうに活躍している人たちはそうした特性をもち合わせています。人からどのように評価されたとしても、それを咀嚼して消化し、自分の現状と併せて客観的に、適切に評価できる自分をつくりあげることが大切です。
常にあなたを客観的に評価してくれる人が徐々に増えてくると、自分もその人たちの仲間に入り、さらに上のステージに人を求め、次に進むという循環が生まれてきます。
有名だとか、地位があるとか、お金持ちとか、そのような基準ではなく、適切な意見をもって自分の満足を修正してくれる人たちを仲間にするためには、まずはあなたが目的をもち、日々イキイキと生活することが必要です。
周りにそれが伝わり、相手に影響を与えるとともに、あなたを支えてくれるようになります。類は友を呼ぶということでしょうか。そのなかからあなたの目で、「この人なら」という人を選択するところからスタートすれば、必ず相互に支援し合える好循環に入ることができると私は信じています。
「満足をもちながら成果を挙げ、達成感を得て成功する」というサクセスキューブの考えにおいて、満足を媒介とした主体的な自分づくりを行うために、他者からの評価を使うことを意識しながら活動するのが有効です。