禅僧×医師であり、『ずぼら瞑想』の著者でもある川野泰周さんの
『現代人の脳疲労を解消する「ずぼら瞑想」セミナー』が
2018年10月4日、幻冬舎大学で行われました。
「マインドフルネスの基本」をテーマに行われた第1回セミナーの様子をレポートします。
※現代人の脳疲労を解消する「ずぼら瞑想」セミナー【11月5日(月)、12月13日(木)開催】の詳細も、記事の最後にあり。お見逃しなく!
脳は無駄なエネルギーばかり使っている
いまこの瞬間に集中している状態がなぜ脳にいいのでしょうか。
脳には、作業をしていなくても常に活性化している箇所があります。
それが、未来についてあれこれ考えている神経回路です。この回路があるからこそ、私たちは急に名前を呼ばれても振り返ったりできるのですが、ストレスなどにより、この回路が過剰に働いてしまうと、常に脳がいろんなことを考えてしまう“悩みモード”になってしまいます。
この“悩みモード“は、脳エネルギーを6~8割も消費してしまうことが分かっています。当然この状態が続くと、脳のエネルギーを使いきって、疲れてしまい、場合によってはうつなどの病気になってしまうことも。
瞑想でいまに集中することで、この“悩みモード”を抑えてあげる。そうすると脳の疲労
はだんだんと解消されていくのです。
集中して食べるだけで、脳の疲労も体重も落ちていく
“食べる”という普段何気なくしている行為も立派な瞑想になります。
大半の人は実は食べているようで、食べること自体に集中できていません。
集中して食べるということは、自分の中の感情、感覚に注意を向けてあげ、
自身の心の状態に気付くことにつながるようです。
今回はレーズンを使った食事瞑想のワークを教えて頂きました。
(1)まずはレーズンを1粒指でつまみ、表面をよく観察していきます。レーズンの凹凸、色合い、表面がどのようになっているのかに注意を向けます。
(2)次に匂いを嗅ぎ、口に入れた時どのような味がするのかイメージを膨らませ、唇ではさんで触感を確かめます。
(3)最後にレーズンを口に入れ、噛まずに舌の上を転がし、充分舌で感触を確かめてからゆっくり噛みます。どんな味がするのか、酸っぱいのか、甘いのか、集中して味わいます。
そして飲みこむ。レーズンが喉を通っていることまで感じます。
1粒のレーズンを食べるだけで、1分半かかりました。
レーズンをよく観察すると意外と変な形をしている、こんなに甘みが強かったんだ、
などと、いつもは感じない発見が数多くありました。
川野さんの患者さんには、食事の最初の一口目をこのように集中して食べることで、
自然と食事の量が減って痩せたという方もいるようです。
適正な食事量で心が満足するようになるので、うれしいことにダイエット効果もあるのですね。
ちなみに書籍『ずぼら瞑想』の中では「おやつ瞑想」として詳しい解説が載せられています。
スマホを遠ざけると幸せになれる?
アメリカの大学の研究によると、人は1日のうちに46.9%の時間は目の前のことに集中できていない状態にあります。
仕事をしながら、仕事とは関係ないことを考えたり、散歩しながら明日のことを考えているような状態です。
このように今この瞬間に集中できていない人ほど、人生の幸せ度が下がるということもわかってきています。
私たちが日々使用しているスマホも、注意を散漫にして、集中力を落しているものの一つ。驚くべきことにスマホが鳴っているという状態でなくても、ただ目につく位置に置いてあるだけで人の幸福度が下がってしまう、という研究結果もあります。
なんとなく幸せじゃない、という感覚をもっている方は、スマホを触る時間を減らしてみるといいかもしれません。
「集中すると疲れがとれる」人になる
現代人の仕事は、必然的に一度に複数のことを処理しながら行う、マルチタスクが増えてきました。
一つの業務を頭の片隅に置きながら、他の業務をすると、意識が散漫になり、脳が疲労する一番の原因になります。
マルチタスクといっても、よくよく考えてみると、細かいシングルタスクの集合体です。日々、マインドフルネスの習慣をもっておくと、一つ一つの仕事への集中力を急速に切り替えながら、どの業務も最大の集中力で行えるようになるのだそうです。
これはよく一流アスリートが体験する「ボールが止まって見えた」などと表現する、フロー状態と似た状態です。脳の効率が最大になりながらも、疲れない。集中した分疲れる、のではなく、集中した分疲れない、というすごい脳になります。
これからのビジネスマンにとっても、タフな脳をつくるために瞑想は必須になるかもしれません。
忙しいビジネスマンにうってつけの階段瞑想
川野さんのクリニックの患者さんの中にはIT関係など、毎日情報を大量に処理しなければいけない、会社員の方も多いようです。
常にいろいろな業務を同時にかかえていて休む暇がない。
そういう人はどうしても頭の中が情報でいっぱいになり、脳疲労がたまり、場合によっては鬱や自律神経失調症、慢性疲労症候群になってしまいます。
まとまって休む時間がとれないビジネスマンにオススメするのが階段を使った瞑想です。
(1)仕事中、1時間に1回、5分ほど休憩をとり、その時間は席から離れます。席から離れると言うのは仕事モードをいったんオフにする効果があります。
(2)そのまま階段室に行きます。最近のオフィスビルはエレベーターを使うことが多いため階段室なら人がほとんどいません。つまり階段室は会社の中で唯一、一人になれる、そして歩ける場所なわけです。
(3)足の感覚に注意を向けながら1階分階段を登って降り、1回深呼吸をする。
たったこれだけのことですが、脳の疲労をとるのに絶大な効果があります。今迄何をしてもよくならなかった患者さんがうつの再発を防げたりしている例もあるそうです。
休憩を取るのを忘れてしまう人は、スマホでタイマーをかけておくといいでしょう。
根を詰めて働いてしまって、休憩する暇もないという方向けのずぼら瞑想です。
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今回はマインドフルネスの基本的な考え方のセミナーでしたが、
第2回セミナーは「マインドフルネスと老化」などさらに奥深い世界を探求していきます。
ご興味のある方は是非第2回セミナーにご参加ください。
セミナー内容
<日時>
第1回 10月4日(木) 19時00分~20時30分(18時30分開場) (終了)
第2回 11月5日(月) 19時00分~20時30分(18時30分開場)
第3回 12月13日(木) 19時00分~20時30分(18時30分開場)
<参加費>
全3回通しチケット 一般 8000円(税別)
1回のみ受講 各回 一般 3000円(税別)
<開催場所>
●名称 3×3Lab Future
●住所 東京都千代田区大手町1-1-2 大手町タワー・JXビル1階
東京メトロ東西線・千代田線・半蔵門線・丸の内線・都営三田線「大手町駅」(C10出口)より徒歩2分
※施設の入り口について
C10出口を上がり、大手町パークビル側に入り口があります。
C10出口近くのオフィス入り口(西村あさひ法律事務所様、JXグループ様受付)とは異なりますのでご注意ください。
※会場には駐車場・駐輪場がありません。公共交通機関をご利用ください。
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