成功をつかむのに、才能も肩書きも運もいらない! 必要なのは、「こうやって考えれば必ずうまくいく」という成功の枠組み(=フレームワーク)を身につけること。
新刊『サクセスキューブ このフレームワークであなたも必ず成功できる』では、一流のビジネスパーソンが無意識に実践している「いつでも」「誰でも」「どこでも」うまくいく思考法を、身近な“キューブ”を使って理論的に解説しています。
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実際に、サクセスキューブをつくりはじめます。
毎日の生活のなかでは、いちいちキューブをつくらずとも、なんらかの思いをもって行動することで目的を果たしています。
たとえば、「今日は○時にどこに行って誰とミーティング、そのあと会社に戻って誰と昼食、会議があり、そのあと○○の仕事を終了。あの仕事は(経験から考えて)1時間あればなんとか納得できる成果を挙げられる……」といった具合です。
また、ちょっとしたキューブを使うとしても、日々の仕事は淡々と流れていきます。
ある仕事を思いや信念をもって行っているとき、「これをしよう」と決めれば、毎日の一つひとつの仕事に対していちいち信念があるかどうかなどと考えなくても、仕事自体は自然に信念につながり、すでにある技術や、人間力でカバーできることが多いからです。
そのうえで普段通りにコミュニケーションをとれば、そこそこ満足のいく結果を出せて、達成感を得られる場合が大半です。日々の仕事のなかでいちいちキューブづくりをする必要はありません。とはいうものの、キューブの考え方をもって、あえて小さなキューブをつくり続け、毎日の達成感を得ることもできます。たとえば……
●A社に対する見積もりは、A社が受け入れてくれる金額で、かつ自社でもぎりぎりの利益の出る調整をしたうえでの値決めをしなければならない(思い)
●そのためには、設計とのネゴシエーションや生産との打ち合わせが必要。○○営業部長にお願いして、いい線に落とし込めたら、最後は設計や生産にお礼をいってもらえるよう段取りをしよう(技術)
●とにかく利益を予定通りとりながら、バランスのとれた対応ができるよう、皆に協力してもらって進めていかなければうまくいかない(人間力)
●明日の13時に設計に行って、14時には生産に電話しよう。客先に出向いた帰りに工場に寄って頭を下げて、そのあとお礼の電話をかけてもらえるよう、明日朝イチで部長にお願いしなくては(コミュニケーション)
こうした流れで仕事をして、結果として1日でサクセスキューブを完成させ、達成感を得て夜に皆と祝杯を挙げる、といったかたちです。
しかし、たとえば、あるミッションのための1か月のタスクフォース(緊急性の高い課題のために特別に組織されるチーム)、半年かけて成果を挙げなければならないプロジェクトや、時間をかけてトレーニングしなければならない海外赴任のための試験や面接、2年以上を要する、プロジェクトマネジャーとして行う海外での工場立ち上げなどは、どれも相当の力を入れ、キューブをつくらなければうまくいきません。
責任ある立場にいる人であればなおさらのこと、毎日のミッションに対してたくさんのキューブを用意して行動しなければならないかもしれませんね。
中堅のビジネスパーソンが、海外での工場立ち上げを任されたとします。
それが未経験の分野であれば、思いをもち、信念に変え、技術を身につけ、現地で受け入れられる人間性と、その状況をつくりだすためのコミュニケーションをどのように行うのかについて、新しいことを多く学ばなければミッションをクリアすることができません。
とりわけ期日が決まっているものは、集中してキューブをつくりあげるための努力をしなければなりません。
簡単にできるキューブについては普段の気づきのなかで自己修正しつつ、より高い技術、よりよい人間力を身につけるよう鍛錬し、コミュニケーションで腑に落ちない点があればなぜそうなったのかを分析し、進化させながら行動すれば足ります。
しかし、どうしても準備が必要なキューブについては、やりたいこと、やらなければならないことを、過不足なくリストに書き出して対応することが効果的です。
面倒くさいようですが、このプロセスはとても大切です。
先ほどの例で、6要件を単純化して示すと上の表のようになります。
当然、この他に、プロジェクトマネジャーとして実行すべきことを網羅してスケジュールを立て、進捗管理を行いながらゴールに向かって行動することになります。