2018年の1年間で幻冬舎plusでは2480本ほどの記事が公開されました。私は一通り目を通していますが、そのなかから、直感的に思い浮かんだ記事5つです。今年11月には、「寄り道、脇道、抜け道フェス!」というplusの5周年イベントを開催しましたが、私は、王道じゃない人生でも、幸せに生きることのできる価値観、言葉を探し続けているのだなと今回選んだ記事を読みながら、あらためて思いました。
執筆者のみなさま、読者のみなさま、今年も書いてくださり、読んでくださり、ありがとうございました! 来年も引き続きよろしくお願いいたします。(竹村)
「政治の話は人々の血でできている」マヒトゥ・ザ・ピーポー
マヒトさんがバンドGEZANのアメリカツアーで目の当たりにした、政治の暴力性について書いてくださった文章。“政治”への距離をどう表現するか、どう考えるか、掲載前も掲載後もマヒトさんと長くやりとりしたことを覚えています。
「白い麻婆豆腐」矢吹透
連載開始時は、矢吹さんのプロフィールやお姿、性別も、曖昧にしていました。そのミステリアスさが不思議な魅力を醸し出しつつも、同時にどこか輪郭がはっきりしないもどかしさもありました。その制約をなくした最初が、この回。自らのセクシャリティとお父様の言葉について書いてくださいました。知り合いから、矢吹さんのお父様は大学の時のゼミの先生かもしれない、と知り合いから連絡があり、その後、一緒に食事をすることになったのも思い出深いです。
「多夫多妻でも一人でも」狗飼恭子
恋愛のかたちも結婚のかたちも、当人たちが納得していれば、他人がとやかく言うことではない、ということをしみじみと感じた文章です。「つがいで生きる人生も良い。一人で生きる人生も良い。複数で生きる人生も良い。」という最後の言葉を噛みしめました。一人ひとつしかない人生に優劣などつけたくなどないものです。
「俺が何か役に立つなら」コグマ部長
弊社営業局のコグマ部長こと、太田による「コグマ部長の営業日誌、これも仕事ですから」の第一回。今年5月月ごろは、この営業日誌、「小説幻冬」編集長の日記、私の編集部日記と、社内日記がplus内で盛り上がりを見せてました。それも一瞬でしたね。復活待ってます。来年、私はnoteでがんばるつもり。
「白麻のハンカチ」菅野完
以前は、シャツの色を決めてからハンカチを選んでいた菅野さんが、きっぱりと色物柄物のハンカチを持つのをやめたきっかけになったある老夫婦との出会いについて。白麻のハンカチに一日の行動の記録が残るように、まったくすべてを葬り去れるわけではない。菅野さんの連載を読むと、生活の実感を持つこと、そのこだわりこそが、物事を本質を見失わないために必要なのだなと思います。