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美しい暮らし

2019.01.05 公開 ポスト

我が家の炒飯はなぜいつも同じ味になるのか問題矢吹透

主夫に正月はありません。

ここ数年、元日の朝、ホームベーカリーでお餅を作るようになりました。

既製の切り餅のパックは、量が多すぎるのです。

三が日にお雑煮を食べ切ってしまうと、その後、我が家の食卓にお餅が登場するチャンスはほぼなく、いつも大抵、半年が過ぎた辺りで、使い切れず固くなったパックのお餅を、処分しなければならない、という局面に立たされることとなります。

ある年、思いつき、ホームベーカリーのお餅つきモードを使って、丸餅を拵えてみることにいたしました。

出来たてで柔らかく、美味しいうちに食べることが出来、一回に出来上がる量も丁度よく、足りなくなれば、また作ればいいので、余らせることもなくなりました。

元旦はいつも通りの時間に起き、ホームベーカリーに餅米をセットしてから、お雑煮の準備をいたします。

具は、大根と金時人参と蒲鉾と鶏肉。白だしと日本酒少々で味つけをし、仕上げに柚子と三つ葉をあしらうのが、我が家のお雑煮です。

母の作るお雑煮は、澄まし汁仕立てだったように記憶しております。若かった私には、淡泊過ぎて、あまりピンと来ない食べ物でした。

今のパートナーと暮らし始めて、毎年、お雑煮を自分で作るようになってから、澄まし汁仕立てや味噌仕立てなど、いろいろと試行錯誤した末に、鶏肉を使った白だし仕立ての現在のかたちに落ち着きました。

あれこれと試した中で、それが一番、パートナーの気に入ってくれるお雑煮だったからかもしれません。

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矢吹透『美しい暮らし』

味覚の記憶は、いつも大切な人たちと結びつく——。 冬の午後に訪ねてきた後輩のために作る冬のほうれんそうの一品。苦味に春を感じる、ふきのとうのピッツア。少年の心細い気持ちを救った香港のキュウリのサンドイッチ。海の家のようなレストランで出会った白いサングリア。仕事と恋の思い出が詰まったベーカリーの閉店……。 人生の喜びも哀しみもたっぷり味わせてくれる、繊細で胸にしみいる文章とレシピ。

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美しい暮らし

 日々を丁寧に慈しみながら暮らすこと。食事がおいしくいただけること、友人と楽しく語らうこと、その貴重さ、ありがたさを見つめ直すために。

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矢吹透

東京生まれ。 慶應義塾大学在学中に第47回小説現代新人賞(講談社主催)を受賞。 大学を卒業後、テレビ局に勤務するが、早期退職制度に応募し、退社。 第二の人生を模索する日々。

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