ベストセラー『仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか』などの著書がある山本圭一さん。人気パーソナルトレーナーとして活躍していた東京での生活をバッサリと断ち切って、2011年、宮城県石巻市に移り住みました。いったい何があったのか? 何を考えていたのか? 文字通りゼロからの移住サバイバル生活を綴る新連載です。
3月11日、東京で痛感したこと
東京から激甚被災地の石巻市へ支援に行き、そして移住したと言うと、その地域(被災地)につながりでもあったのか?と聞かれる。
あるとすれば、東京時代に一緒にトレーニングや山登りをしていた知人が仙台出身だったこと。それも、たまたま震災の前日に仙台出身と聞いていたからだ。知人は立花貴(たちばなたかし)さんという。
震災当日、テレビで現地の様子を見て、立花さんって仙台出身じゃなかったっけ?と思い出し、すぐに電話をした。しかし思い出してほしいが、3月11日に電話などつながらない。まさに日本中がパニックになっていた。
(ちなみに、当時、素早く情報収集できたのはTwitterだけだった。いまでもTwitterは愛用している。アカウントは @survivalfitness )。
翌日午後に電話をしたら奇跡的につながった。焦りを感じさせる口調で「いま山形空港からタクシーで仙台に向かっている。実家は連絡がつかない。これからどうなるか分からないが、元自衛隊の山本さんがいてくれれば心強い。手を貸してほしい」と言われた。「はい、行きます」と答えて電話は切れた。
あの冷静な立花さんの声が震えていた。ただ事ではない。僕は身の回りの準備をして連絡を待った。
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移住サバイバル
東日本大震災を機に宮城県石巻市に移住した山本圭一さん。家なし、知り合いなし、文字通りゼロから始まったサバイバル生活の記録。