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幻冬舎新書・これから出る本

2019.01.29 公開 ポスト

2019年1月30日発売の幻冬舎新書幻冬舎編集部

幻冬舎新書の1月刊は9点、30日発売です。

『悲観する力』森博嗣

定価(本体800円+税)

悲観とは「物事は予測や予定どおりには運ばない」と考えることである。本書で伝えたいのは、この「思わぬこと」に対する考察の重要性だ。重大な過ちを繰り返すことへの歯止めは悲観することしかない。「機械は必ず壊れる」「誤操作は必ず起こる」という工学の設計には当たり前のフェールセーフの思想が、人間の心理や感情には決定的に不足している。エラーの想定が不充分なのだ。もちろん単なる心配そして諦めは悲観ではない。「これでは駄目かもしれない」と思ったら次にどう対策するのか。豊かな社会ゆえの楽観を排し、有効な悲観の技術を伝授する。

森博嗣(もりひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、工学博士。国立N大学工学部建築学科で研究する傍ら96年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー。以後、次々と作品を発表し人気作家として不動の地位を築く。おもな新書判エッセィに『自分探しと楽しさについて』『小説家という職業』(以上、集英社新書)、『大学の話をしましょうか』『ミニチュア庭園鉄道』(以上、中公新書ラクレ)、『夢の叶え方を知っていますか?』『「やりがいのある仕事」という幻想』(以上、朝日新書)、『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』(新潮新書)、『読書の価値』(NHK出版新書)、『集中力はいらない』(SB新書)、『科学的とはどういう意味か』『孤独の価値』『作家の収支』『ジャイロモノレール』(以上、幻冬舎新書)などがある。

『信長になれなかった男たち――戦国武将外伝』安部龍太郎

定価(本体820円+税)

戦国時代には英雄、豪傑がキラ星のごとく現れ様々な物語の主人公になっているが、歴史に名を残したのはほんの一握りのスーパースターにすぎない。信長・秀吉・家康の活躍の影には、敗れ去った多くの武将たちがいた――。戦国初の天下人を目指した三好長慶(ルビみよしながよし)。琵琶湖を押さえ栄華を極めた浅井長政。ローマ法王に使節団を送った蒲生氏郷(ルビがもううじさと)等々……。規格外の変革者・信長と彼らを分けたものは何だったのか。丹念な現地取材を経て直木賞作家が辿り着いた、下克上の世を生き抜いた戦国武将たちの束の間の栄光と挫折の生涯。

安部龍太郎(あべりゅうたろう)
1955年6月福岡県八女市(旧・黒木町)生まれ。久留米工業高専卒業。東京都大田区役所に就職、後に図書館司書を務める。90年『血の日本史』でデビュー。2005年『天馬、翔ける』で第11回中山義秀文学賞を受賞。2013年『等伯』で第148回直木賞受賞。15年福岡県文化賞受賞。『関ヶ原連判状』『信長燃ゆ』『蒼き信長』『おんなの城』『家康』『信長はなぜ葬られたのか』など作品多数。安部龍太郎オフィシャルサイトhttps://aberyutarou.com/

『社交不安障害――理解と改善のためのプログラム』岡田尊司

定価(本体780円+税)

人前で話すのが苦手、緊張して上がってしまう、自然に人付き合いができず、社交をつい避けてしまうという状態は「社交不安障害」と呼ばれる。もっとも頻度の高い精神的な困りごとの一つで、有病率は一割を超える。やっかいなのは、社交不安障害にともなう自信低下を生まれつきの性格だと思い込み、諦めてしまうこと。しかし、自分を縛る不安の正体を知って、有効なトレーニングを積めば、改善は十分可能だ。実際にカウンセリングセンターで使われるプログラムを紹介しながら、克服の方法を実践解説。考え方一つで、人生は大きく変わる!

岡田尊司(おかだたかし)
1960年香川県生まれ。精神科医。医学博士。作家。東京大学文学部哲学科中退。京都大学医学部卒。同大学院にて研究に従事するとともに、パーソナリティ障害や発達障害治療の最前線で活躍。山形大学客員教授として、研究者、教員の社会的スキルの改善やメンタルヘルスのケアにも取り組む。現在、岡田クリニック院長(大阪府枚方市)、大阪心理教育センター顧問。『アスペルガー症候群』『境界性パーソナリティ障害』『人はなぜ眠れないのか』『あなたの中の異常心理』『うつと気分障害』『発達障害と呼ばないで』『真面目な人は長生きする』『過敏で傷つきやすい人たち』(すべて幻冬舎新書)、『母という病』『父という病』(ともにポプラ新書)、『愛着障害』(光文社新書)、『カサンドラ症候群』(角川新書)など著書多数。小説家・小笠原慧としても活動し、作品に、横溝正史賞を受賞した『DZ』『風の音が聞こえませんか』(ともに角川文庫)などがある。

『家族という呪い――加害者と暮らし続けるということ』阿部恭子

定価(本体800円+税)

「家庭を持って初めて一人前になる」とはよく言われるが、実際に幸せになる人はどれほどいるのか? 日本で初めて加害者家族支援のNPO法人を立ち上げ、1000組以上の相談にのってきた著者は問う。なぜなら「妻の不妊治療に協力しながら痴漢行為をやめない夫」「家にお金を入れないダメ夫へのストレスから生後間もない息子を殺した妻」等々、家族のせいで不幸になる人が後を絶たないからだ。「加害者家族に共通するのは、極端に世間体を気にし、愛情のかけ方を間違えていること」と著者。家族が本当に幸せになるとはどういうことかわかる一冊。

阿部恭子(あべきょうこ)
NPO法人World Open Heart理事長。東北大学大学院法学研究科博士課程前期修了(法学修士)。2008年大学院在籍中に、社会的差別と自殺の調査・研究を目的とした任意団体World Open Heartを設立。宮城県仙台市を拠点として、全国で初めて犯罪加害者家族を対象とした各種相談業務や同行支援などの直接的支援と啓発活動を開始、全国の加害者家族からの相談に対応している。著書に『息子が人を殺しました』(幻冬舎新書)がある。

『宇宙はどこまでわかっているのか』小谷太郎

定価(本体800円+税)

太陽の次に近い恒星プロキシマ・ケンタウリまでは月ロケットで10万年かかるが、これを21年に超短縮するプロジェクトがある!? 土星の表面では常にジェット気流が吹きすさび、海流が轟々(ごうごう)うなっている!? 重力波が日本のセンター試験に及ぼしてしまった意外な影響とは!? 元NASA研究員の著者が、最先端の宇宙ニュースの中でもとくに知的好奇心を刺激するものをどこよりもわかりやすく解説。現在、人類が把握できている宇宙とはどんな姿なのか、宇宙学の最前線が3時間でざっくりわかる。

小谷太郎(こたにたろう)
博士(理学)。専門は宇宙物理学と観測装置開発。1967年、東京都生まれ。東京大学理学部物理学科卒業。理化学研究所、NASAゴダード宇宙飛行センター、東京工業大学、早稲田大学などの研究員を経て国際基督教大学ほかで教鞭を執るかたわら、科学のおもしろさを一般に広く伝える著作活動を展開している。『言ってはいけない宇宙論』『理系あるある』『図解 見れば見るほど面白い「くらべる」雑学』、訳書『ゾンビ 対 数学』など著著多数。

『美智子さまという奇跡』矢部万紀子

定価(本体820円+税)

1959(昭和34)年、初の民間出身皇太子妃となった美智子さま。その美しさと聡明さで空前のミッチーブームが起き、皇后即位後も、戦跡や被災地を幾度となく訪れ、ますます国民の敬愛を集める。美智子さまは、戦後の皇室を救った“奇跡”だった。だが、今私たちの目に映るのは、雅子さまの心の病や眞子さまの結婚問題等、次の世代が世間にありふれた悩みを抱えている姿。美智子さまの退位と共に、皇室が「特別な存在」「すばらしい家族」である時代も終わるのか? 皇室報道に長く携わった著者による等身大の皇室論。

矢部万紀子(やべまきこ)
1961年三重県生まれ。コラムニスト。83年朝日新聞社に入社し、記者に。宇都宮支局、学芸部を経て、「アエラ」、経済部、「週刊朝日」に所属。九四年、九五年、「週刊朝日」で担当したコラムをまとめた松本人志『遺書』『松本』(ともに朝日新聞出版)がミリオンセラーになる。「週刊朝日」副編集長、「アエラ」編集長代理をつとめたのち、書籍編集部で部長をつとめ、2011年、朝日新聞社を退社。シニア雑誌「いきいき」(現「ハルメク」)編集長となる。17年に株式会社ハルメクを退社し、フリーランスで各種メディアに寄稿している。著書に『朝ドラには働く女子の本音が詰まってる』(ちくま新書)がある。

『火災・盗難保険金は出ないのがフツー』加茂隆康

定価(本体780円+税)

火災保険や盗難保険に入っていれば、事故の際、保険金は当然出ると思われている。しかし、現実には家が全焼しても、高級品が盗まれても、保険金は出ない。それは、保険金の支出が損害保険会社にとって「損失(ロス)」でしかないからだ。あの手この手で支払いを渋り、救済されるはずの被害者を苦しめる損保。彼らの狡猾な手口を暴き、どうすれば保険金を正当に引き出せるか、実際の裁判をもとに徹底的に解説する。

加茂隆康(かもたかやす)
1949年生まれ。中央大学法学部卒。弁護士、作家。東京・汐留で加茂隆康法律事務所を経営。保険事故、交通事故の被害者救済に特化し、保険金請求訴訟を主に扱う。著書に『自動車保険金は出ないのがフツー』(幻冬舎新書)、巨大損保との攻防を描いたリーガルサスペンス『審理炎上』(幻冬舎文庫)のほか、『死刑基準』(幻冬舎、WOWOWでドラマ化)、『法廷弁論』(講談社)、『交通事故賠償』(中公新書)、『交通事故紛争』(文春新書)などがある。テレビの報道・情報番組にたびたび出演、新聞でのコメントも多い。

『老いてこそユーモア』阿刀田高

定価(本体900円+税)

ユーモアがあるかないかで、人生の豊かさは大きく変わる。ユーモアはものごとを多角的に眺めることを示唆してくれ、心の防衛にもなる。知的な言葉によって生まれるため、年齢を重ねているほうが扱いやすい。ショートショートを中心に900編以上の作品を生み出してきた著者が、ユーモアの本質を考察。笑いのパターンから“しゃれ”や“をかし”の文化、日本人と西洋人のユーモアの違い、そしてユーモアの感覚の身につけ方までを開陳。会話が楽しくなる一冊。

阿刀田高(あとうだたかし)
1935年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年『来訪者』で日本推理作家協会賞、短篇集『ナポレオン狂』で直木賞、95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。2012年、山梨県立図書館館長就任。『旧約聖書を知っていますか』、『妖しい関係』など著書多数。2003年紫綬褒章、2009年旭日中綬章受章。

『ラストエンペラーの私生活』加藤康男

定価(本体980円+税)

2歳9ヵ月で第12代清朝皇帝の座に就いた溥儀は、幼少期から女官に性行為を教え込まれ、10代半ばで宦官との同性愛に目覚めた。6歳で退位を迫られたのち、18歳の時にはクーデターで紫禁城を追われる。日本租界などを放浪し、28歳で再び満洲国皇帝の座に就く。終戦後はソ連軍に逮捕され、東京裁判に検察側証人として出廷。トリかごに入ったらトリになれ、イヌ小屋に入ったらイヌになれ――中国の諺のまま、数奇な運命に身を委ねながら、自らの欲に忠実に生きた「幻の王国」の廃帝は、周囲を不幸の渦に巻き込み、61歳で病没する。迫真の人物ノンフィクション。

加藤康男(かとうやすお)
1941年東京生まれ。編集者、ノンフィクション作家。早稲田大学政治経済学部中退ののち、出版社勤務。退職後は近現代史などの執筆に携わる。『謎解き「張作霖爆殺事件」』(PHP新書)で山本七平賞奨励賞を受賞。他の著書に『三笠宮と東條英機暗殺計画 極秘証言から昭和史の謎に迫る』(PHP新書)、『靖国の軍馬』(祥伝社新書)などがある。

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