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美しい暮らし

2020.03.16 公開 ポスト

【体と心を整える】くたびれた日の胡麻漬け丼【再掲】矢吹透

ほんの数か月前まで、ウィルス感染の心配が日常を覆うことになるとはまったく予想することはできませんでした。その先の見通せなさ、思った通りに事が進むわけではないのが、生きるということなのかもしれません。ただ、それはときにとても疲れます。そんなときは、無理せず、手を抜きましょう。楽に作れて、美味しいレシピをご紹介します。

*   *   *

生きて行くというのは、なかなかにくたびれるものです。

何もしたくない日もございます。

しかし、そんな日でも、食事を取らずに済ますわけにはまいりません。

疲れ切って、食欲もあまりない一日の終わりに、閉店間際のスーパーに駆け込んで、夕食の材料を物色するのですが、料理をするようなエネルギーはとてもありません。

かと言って、お惣菜コーナーに並んでいるお弁当や揚げ物などには、胃や食欲が反応いたしません。

そんな日、私は、鮮魚コーナーで、割引きタイムセール品になっているような、お刺身のパックを買い求めます。単品でも、盛り合わせでも、手頃なもので構いません。

帰宅して、手を洗い、着替えを済ませましたら、勇気を奮って、台所に立ちます。

用意するものは、味醂・めんつゆ・胡麻油・すり胡麻の4種類です。

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関連書籍

矢吹透『美しい暮らし』

味覚の記憶は、いつも大切な人たちと結びつく——。 冬の午後に訪ねてきた後輩のために作る冬のほうれんそうの一品。苦味に春を感じる、ふきのとうのピッツア。少年の心細い気持ちを救った香港のキュウリのサンドイッチ。海の家のようなレストランで出会った白いサングリア。仕事と恋の思い出が詰まったベーカリーの閉店……。 人生の喜びも哀しみもたっぷり味わせてくれる、繊細で胸にしみいる文章とレシピ。

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美しい暮らし

 日々を丁寧に慈しみながら暮らすこと。食事がおいしくいただけること、友人と楽しく語らうこと、その貴重さ、ありがたさを見つめ直すために。

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矢吹透

東京生まれ。 慶應義塾大学在学中に第47回小説現代新人賞(講談社主催)を受賞。 大学を卒業後、テレビ局に勤務するが、早期退職制度に応募し、退社。 第二の人生を模索する日々。

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