もうすぐ旅が終わろうとしている。
ひたすら観光した一週間。スマホに転送されてくる仕事のメールは、一通も開かなかった。東京に戻ってからでも大丈夫なように仕事をしているのである。
フィンランド最後の夜。もう、いらぬ勇気は使わないと決め、好きな惣菜を買ってホテルで食べることに。
惣菜を買ったあと、エスプラナーディ通りの『カフェ エスプラナード』へ。いまのところ、一番好きなカフェだ。通りがよく見え、広々として、クラシックな内装が素敵なんだけど、ドドールのような気軽な雰囲気もある。気兼ねせず、長い時間座っていられそうな。
お気に入りの席が空いていた。ルイボスティーをトレーに乗せ、嬉々として座る。階段わきの、ぽつんと孤立した席。夜だけど、まだ陽は落ちていない。お土産もいろいろ買ったなぁと、振り返る。
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前進する日もしない日も
仕事の打ち合わせ中、まったく違うことを考えてしまう。ひとり旅に出ても、相変わらず誰とも触れ合わない。無地の傘が欲しいのに、チェックの傘を買ってくる。〈やれやれ〉な大人に仕上がってきたけれど、人生について考えない日はない。そんな日々のアレコレ。
編集部からのお知らせ
「前進する日もしない日も」は2022年4月にリニューアルしてスタートします。どうぞご期待ください!