1. Home
  2. 生き方
  3. 私がオバさんになったよ
  4. 弁の立つババア集団、増殖中【文庫化再掲】

私がオバさんになったよ

2021.08.11 公開 ポスト

弁の立つババア集団、増殖中【文庫化再掲】ジェーン・スー

どうやら、人生は折り返してからの方が楽しいらしい。ジェーン・スーと、わが道を歩く8人が語り尽くした本『私がオバさんになったよ』が文庫になりました。あらためて、その一部を公開します。まずは光浦靖子さんとのお話。

*年齢等は、2016年対談当時のものです。

イラストレーション 牛久保雅美

若い子たちをどこまで誘えるか問題

ジェーン 光浦さんは女友達がたくさんいるイメージ。

光浦 いるけど最近遊ぶ人は減ってきました。みんな結婚したり子供産んだりで遊んでくれなくなって。午後11時以降に電話してくる人いないよ。7時前にしてとか、前日電話とか。

ジェーン 「ランチならいいよ」ってやつですね。

光浦 すげーつまんない(笑)。

ジェーン そうなると、会うのは若い人ばかりですか。

光浦 男の人だったり、同じ人とよく会うっていうより、いろんなグループがある感じです。

ジェーン 固定メンバーではないと。

光浦 私は45だから、30代以下の人からすると、ちょっとうざいが絶対どこかに入ると思うんだよね。

ジェーン 40代になってからの、若い子たちをどこまで誘えるか問題ありますね。楽しそうにしてくれるから誘うけど、たぶんこの子どっかで無理してるところあるな、とか。誘いすぎちゃいけないな、とかね。

光浦 正直、ご飯に行くほどの仲でもないけど、同じ場所にいたから声かけないと悪いなと思って誘うと、あとから倍返しみたいに「本当は行きたくなかった」とかね。

ジェーン 気遣いが裏目に出るパターン。見極めが難しい。

光浦 ほんとに来たい? ほんとに来たい? って聞くとか。

ジェーン そしたら「はい」って言わざるをえないじゃないですか。今度ご飯ご一緒させてくださいって言われたら、誘わなきゃって思うんだけど。圧になるんだろうな、キャリアを積んだ女の人は。

光浦 命令してないのに、命令になっちゃう。

ジェーン ババアだけ船に乗ってどっか行っちゃえればいいんですけどね。

弁の立つババア集団、増殖中

光浦 私、ババアって単語、すごく好きなんだよな。響きがパンパンしてて。ババアだけでつるんでね。最近周りがちょっと弁の立つババアばっかりになってるな。

ジェーン 弁の立つババア集団、増殖中。

光浦 ババア集団大好き。だいたい敵が多いじゃん。久々に会うと「喧嘩した」ってトラブルの話ばっかりで。またもめたかって。そういう話聞くと、一人じゃないって元気が出てくる。ウキウキしてくるもん。

ジェーン 40歳以上=ババア。それはそれでいいんだけど、若さが売り物にならない=かわいそう、と思われるのであれば否定したい気持ちはありますよ。

光浦 生き方で見せるしかないよね。

ジェーン 40代女の生き方のバリエーションが増えていくことが必要。必然的にそうなってるけど。

光浦 独身がこんなにいるって初めてだもん。歴史上。

ジェーン しかも幸せそうな40代独身。

光浦 結婚しなくてもよかったよねっていう。

ジェーン 30代で結婚した子が離婚して、もう戻ってきてるし。どういうことっていうね。

光浦 すごいですな。私たちは大正のモダンガール的な新しい生き物ですな。

ジェーン モダンババアだ。

光浦 扱いにくいって思われて当たり前か。

ジェーン 当たり前ですね。じゃあ、しゃあないな。

光浦 初めてのものはみんな怖がるからさ。

ジェーン こういう感じの番組が欲しいんですよ。ずっと見てたい。

光浦 靖子の微笑みチャンネル。

ジェーン 朝のワイドショーから始めてほしいです。あんなに数を詰め込まないでいいので。出掛ける前に三つ四つのネタで。

光浦 爆笑はなく、くすくす。

ジェーン で、帰ってきて夜も、くすくす。ただひたすら話してるだけで全然いいので。

光浦 女の人一人か二人とだらだら話すのすっごい楽しいよね。

関連書籍

ジェーン・スー『私がオバさんになったよ』

「40代女の生き方のバリエーションが増えている」「女の敵は女じゃない」「人間は役に立つことのために生きているわけじゃない」……。もう一度会いたかった8人と語り合い見えてきた生きる姿勢は、考えることをやめない、変わることをおそれない、間違えたときにふてくされない。オバさんも悪くないね。このあとの人生が楽しみになる対談集。

ジェーン・スー『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』

「女子会には二種類あってだな」「ていねいな暮らしオブセッション」「私はオバさんになったが森高はどうだ」……誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題……etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後まで――話題の著者が笑いと毒で切り込む。“未婚のプロ”の真骨頂。講談社エッセイ賞受賞作。

ジェーン・スー/野宮真貴『人生もお洒落も自分の舵を手放さない。』

野宮真貴/ジェーン・スー『美人になることに照れてはいけない。 口紅美人と甲冑女が、「モテ」「加齢」「友情」を語る』

{ この記事をシェアする }

私がオバさんになったよ

私がオバさんになったよ』刊行記念。ジェーン・スー×光浦靖子 山内マリコ 田中俊之 中野信子 海野つなみ 宇多丸 酒井順子 能町みね子……ジェーン・スーとわが道を歩く8人が語り尽くす「いま」。

バックナンバー

ジェーン・スー

1973年、東京生まれ東京育ちの日本人。作詞家/ラジオパーソナリティー/コラムニスト。音楽クリエイター集団agehaspringsでの作詞家としての活動に加え、TBSラジオ「ジェーン・スー 生活は踊る」をはじめとするラジオ番組でパーソナリティーとして活躍中。

この記事を読んだ人へのおすすめ

幻冬舎plusでできること

  • 日々更新する多彩な連載が読める!

    日々更新する
    多彩な連載が読める!

  • 専用アプリなしで電子書籍が読める!

    専用アプリなしで
    電子書籍が読める!

  • おトクなポイントが貯まる・使える!

    おトクなポイントが
    貯まる・使える!

  • 会員限定イベントに参加できる!

    会員限定イベントに
    参加できる!

  • プレゼント抽選に応募できる!

    プレゼント抽選に
    応募できる!

無料!
会員登録はこちらから
無料会員特典について詳しくはこちら
PAGETOP