父親の急逝により、伊藤忠の商社マンからサンワカンパニーの2代目社長となった山根太郎さん。山根さんが社長に就任してから行った改革のひとつは、出口治明さんを社外取締役に迎えたことでした。
ライフネット生命の創業者で、現在は立命館アジア太平洋大学(APU)学長を務める出口治明さん。出口さんは、次々とチャレンジを進める若き経営者に、社外取締役として、どんなアドバイスをしているのでしょうか?
悩んでもしょうがないところでは悩まない
出口 山根さんとは2年間ほどのお付き合いになりますが、ご著書『アトツギが日本を救う―ー事業承継は最高のベンチャーだ』を読んで驚きました。率直な感想として、僕はあらためて自分が実にいい加減な人間やなぁと思いました。
それはなぜかというと、山根さんとは社外取締役のオファーをいただいてからのお付き合いですよね。社外取締役は責任が重いので、山根さんとじっくりお話をして、どういうご経歴でどういうお人柄かということをちゃんと聞いてから引き受けるのが普通なのに、この本を読むまで、僕は山根さんについてほとんど何も知らなかった(笑)
山根 ははは!
出口 いかに、僕がイージーゴーイングだったかをあらためて知ったというのが、まず一番の感想です。大学時代にテニス選手として世界を転戦されていたとか、フィレンツェ大学に留学して、しかも単位をひとつも取れずに帰ってきたとか、こんなに面白くてユニークな方だったとは全然知らなかった。
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