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やりたくないことはやらなくていい

2019.03.27 公開 ポスト

偶然の出会いから、一冊の本は生まれる前田デザイン室

本日発売のビジネス人生論『やりたくないことはやらなくていい』(通称 #やりやら )。著者:板垣雄吾(レディオブック株式会社代表取締役)、装丁:前田高志(前田デザイン室 室長)、編集:片野貴司(幻冬舎)という、それまで交わることのなかった3人が偶然の出会いにより引き寄せられ、語り合うごとに影響しあい、今までにない書籍が誕生しました。先日、装丁の前田高志が主宰するオンラインサロン「前田デザイン室」で行われた3名の対談「#やりやら 作戦会議」を、前後編2回にわけてお届けします。

produced by 前田デザイン室(司会・テキスト・編集:近藤弘潤、バナーデザイン:endo、編集:浜田綾

こんなにポジティブに「やりたくない」と言う人をはじめて見た

『やりたくないことはやらなくていい』(板垣雄吾著、小社刊、1400円+税)

──板垣さんと片野さんはどうやって出会ったのですか?

片野 板垣さんが業務提携している学習塾「武田塾」の塾長・林さんから紹介されました。「面白い人がいるから一度会ってみて」と。それで上司とふたりで会いに行きました。

お会いしたら、謙虚でクレバーで、想像していたよりも人当たりがいい。真面目な人でした。あととにかく、腕が太い(笑)。元ミュージシャン、元プロ格闘家、元ネット通販で膣トレグッズを売って……と説明受けて。面白い方だなと。

ただその時点では、主力事業が「iPhone(スマホ)の売買・修理保守」なのもあり、企画としてはスマホのTIP集でした。手堅く売れるだろうと。それで取材をスタートしたんです。

――そこから人生論に企画が変わったのはなぜですか?

片野 2回くらいインタビューした文字起こしを読んだ時、「いやこれ、この人の人生論深掘りをしたほうが面白いな」と感じたんです。詳しくは本を読んでほしいのですが。インタビュー起こしだけでもとにかく「読み応え」があった。彼自身は無名だけど、これならいい内容の本になると思いました。特に、印象的だったのは板垣さんの

という言葉。このキーワードが心に刺さってこの考えをどうにか形にしようとしていたら、ここまでたどり着いた。こういう本になっていた、という感じですね。

板垣さんは「やりたくたい」って連発するのに、なぜかネガティブさを全く感じさせないんですよ。

こんなにポジティブに「やりたくない」って言う人に会ったのは初めてでした。それにただ破天荒なのではなく、きちんとロジカルに説明してくれる。話を聞くたび「確かにな」と納得できる。

今流行りの「好きなことをやったほうがいいよ」とも違う。それに「好きなことをやる」よりも板垣さんの提唱する「“やりたくないことをやらない”の方が、とっかかりやすいのでは?」という印象を受けました。

──その後は、板垣さんのnote「ぼくと編集者(幻冬舎)のガチやり取り日記」でも執筆の経緯が公開されていますね。お二人のラブラブなやり取りは見ていてとても微笑ましいです。

片野 いやラブは……ないけど……

板垣 ないの?

片野 ……

この人に装丁をお願いしたい!当たって砕けろ精神で人生初のDMアタック

──そこから、装丁を決めないといけないという段階に。板垣さんは前田さんに装丁を依頼したわけですが、前からご存知でしたか?

板垣 全然知りませんでした。僕はいつも朝起きて、トイレに行くんです。そこで2、30分くらいSNSで情報収集をする。

いつもどおりトイレでツイッターを見ていたら、幻冬舎の箕輪さんのリツイートに知り合いが「いいね」を押していたのが目にとまりました。それが前田さんのツイートだったんです。

「信頼のおすそわけ」というキーワードが気になって、前田さんのタイムラインを見ました。目に飛び込んで来たのは、銀座蔦屋書店でのイベントの告知。それから見覚えのあるデザイン。

(箕輪編集室の募集ページ、以前のバナー。前田さんのデザイン。)

「もしかして?」と思い調べてみたら、箕輪編集室のバナーをデザインされているのが前田さんで、箕輪編集室の中で活躍しているデザイナーさんだと知りました。

そこから、前田さんのツイッターのプロフィールを見て、任天堂で働いていたことや、これからは漫画を描くことを知りました。前田さんの会社NASUのホームページも見て、ページをスクロールしながら、その時点で前田さんに装丁をお願いしたいということは、僕の中では決まってました。あとは、自分をゆり動かすための根拠を探していましたね。

同時に、スマホをスクロールしながら考えていたのは、「そういえば、片野さんが装丁のデザイナーの候補がいるって言ってたな」ということ。

「いや、どうしよう、先に片野さんに連絡しようか」「それとも前田さんにDMを送ろうか」

と考えつつ、気づいたら前田さんにDMを送っていました。人生はじめてのDMで、当たって砕けろの精神で、無視されたら仕方ないと思い、思いの丈をぶつけた感じです。

それからは、もしも前田さんから返信が来たら、片野さんになんて説明しようかなということを考えていました、ハハッ(笑)。

──前田さんにとっては、独立後にノートに書いた“人生でやりたい100個のこと”の1位でもある装丁の依頼。板垣さんのDMには驚かれましたか?

前田 そこまでは、びっくりしませんでしたね。DMで何かを依頼されることってたまにあるので。いわゆる装丁といっても、今回のように思い切りデザインできるものと、「こういうふうにやってください」って事細かく指示される装丁では違うから。それに、デザイナーから漫画家へシフトすると決めた時期だったので、デザインの仕事は絞ろうと考えていました。

だからこの時は「ヤッター」という感じではない。本音は嬉しかったけどね。だからDMでは「やります」とまだ言わなかった。「東京行った時に、打合せしましょ」みたいな感じで。

──片野さんも、前田さんのことはご存じなかったんですよね?

片野 はい。板垣さんから、「デザイナーさん決まってましたっけ?」というメッセが来て。もう出版3ヶ月前だったし、「もちろん、既に押さえていますよ」と返信したら、「いや、この人にしたいんです」という。いやいや待てよと。正直、無茶ぶりにもなっていない(笑)。
 

って思っていたら、

と(笑)。ただ僕も、半年以上その時点で板垣さんと付き合ってますから、どういう人かは分かってきてました。もうこうなったら、板垣さんはどんどん走って行っちゃうだろうなと。無邪気に

だからこの時ぼくが考えたのは、板垣さんを止めることではなくて、板垣さんと前田さんの話がどこまで進んでいるのか? ということでした。前田さんの気持ちが決まっていて確定事項なのだとしたら、声をかけていた別のデザイナーさんに僕は事情を説明しに行かないといけない。仁義を切らないと。すると、前田さんのツイッターに、

と書いてある。ということは、これから前田さんを口説くんだなと察しました。僕としては、とりあえず前田さんに会うしかないなと。あと前田さんは「今まで装丁をやったことがない」という。そこも心配でした。

チーム #やりやら 誕生

#やりやらチーム結成!(写真右から)板垣、前田、片野

片野 3人で会った時、前田さんが前田デザイン室の雑誌『マエボン』を持って来てくれた。そこで、前田さんは、本のデザインをやったことあること、それどころか任天堂の会社案内を長年担当していたことを知り、まずは安心しました。

前田 板垣さん、片野さんと話をしてみると

・チーム「#やりやら 」として、本を盛り上げていきたい。
・装丁は、飾っていて「いいな」と思うものにしたい。
・タイトルは文字を加工してタイポグラフィーで遊んでほしい。

という話になって、そこで是非ともやらせてほしいと思いました。3人の波長は、すぐ合いましたね。

片野 「前田さんは #やりやら を進める上で、キーとなる人かもしれない」と。今回はこの3人でチームを組んでみたくなった。板垣さんはもちろん処女作だし、前田さんも装丁処女作、僕もまだまだ経験値は低い。でも、そういう3人でしかできないこともあるだろうと。だから事務所を出てすぐに、スケジュール押さえていたデザイナーさんへ電話をかけて事情を説明して……丁重に他の本のデザインを頼みました。

蕁麻疹がでるほど確定申告をやりたくない

──ところで、みなさんの「やりたくないこと」って何ですか?

前田 ぼくは、お金ですよね。お金のやり取りや確定申告。2回ほど確定申告やってて、去年やった時に蕁麻疹が出た。だから、今年はもうやってない。

この季節、ツイッター見ていると「確定申告が嫌だ」ってツイートをよく見かけるけれど、「じゃあ、やらなきゃいいのに」と思う。僕は確定申告はやめましたから。板垣さんの心境に近づいてきたかな(笑)。

一度はやってみて、テンションが上がらないものは「やりたくない!」

──板垣さんは、既にたくさん「やりたくない」があるはずですが、そのことに気づくきっかけはありましたか?

板垣 僕、実はある程度自分でやってきてるんですよ。確定申告もやったことあるしエクセルもパワーポイントも一通りやってきた。あくまで凡人なので、やってみないとわからない、痛い目に合わないとわからない。自分はそういうタイプですね。

ひと通り個人事業のときにやってみて、自分の中で「テンション上がんないな、面白くないな」というのをリストアップしていった。それが、確定申告やエクセルパワーポイントだったというわけです。

「やりたくないこと」をリストアップして、やらなくていい方法を考える。すると、「やりたいこと」をどんどんできるようになっていくと思いますよ。

 

***

 

明日公開の後編は、板垣さんと前田さんがそれぞれ語る「失敗と成功」「それぞれのオンラインサロン」をお送りします。ご期待ください。

「やりたくないおじさん」スタンプ発売!

この3人の出会いから生まれた、出版連動企画 「#やりやら プロジェクト」では、出版史上初!? 書籍からインスパイアされたLINEスタンプをリリースすることになりました。その名も、「やりたくないおじさん」スタンプ。

やりたくない場面でどんどん使ってみたい仕上がりになっています。

▲スタンプは全40種類!

イラストは、前田デザイン室メンバーであり、LINEスタンプ『うさぎ帝国』作者 endoさんによるものです。本の帯にもQRコードがついています。

ダウンロードはLine Storeから

トークイベントのお知らせ

出版を記念し、渋谷のBOOK LAB TOKYOさんで3人のトークイベントが開催されます。当日限定のオリジナルグッズも用意しています!また、当日はいわゆる「ボツ」となった装丁案もぜんぶお見せして、本づくりの軌跡をすべて楽しめるようご準備しています。ぜひ足をお運び下さい。

→お申し込みはこちら!(Peatixへ)

板垣雄吾『やりたくないことはやらなくていい』

「結局、人生、楽しんだ方が勝ち。どうやって楽しむか、この本が教えてくれます」
~『ビリギャル』著者・坪田信貴氏推薦!

#やりやら Twitterハッシュタグで最新情報をチェック!
■出版史上初!? 書籍発売前にオリジナルLINEスタンプ完成!
 制作は大人気「うさぎ帝国」作者endo氏!

■元任天堂デザイナー、前田高志氏、初の装丁!

「スーツ」「満員電車」「EXCEL」
やりたくないことをやめる => 本当の生き方が見えてくる! 
いま、スマホ売買業界で最も注目される起業家が「凡人」のための生き方を語る!

<目次>
第1話 脱出と挫折
第2話 鍛錬と復活
第3話 やりたくないことは、やらなくていい

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やりたくないことはやらなくていい

予約開始とともにAmazonビジネス実用・新着部門で1位を獲得した話題のやりたくないことはやらなくていい(3月27日発売、小社刊、1400円+税)。いま、スマホ売買業界で最も注目される起業家が著した「凡才」のための人生論です。「『ビリギャル』著者・坪田信貴さん推薦!」「日本初!? ビジネス書なのに公式LINEスタンプ発売決定!テーマソングも制作決定!」「装丁は元・任天堂デザイナーの前田高志氏!」などTwitterでも話題

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前田デザイン室

2018年3月に元、任天堂デザイナーの前田高志により開設されたオンラインサロン。

「永遠の童心」をコンセプトに、「おもろ、たのし、いいな」を行動指針とした、クリエイター集団。メンバーは150人を擁しており、全国からグラフィックデザイナー、イラストレーター、ライター、WEBデザイナーなど、多様な才能が集まっている。

2018年9月に、クラウドファンディングにて資金調達し、企画から出版までをすべてメンバーで行った「マエボン」を発売した。新しい出版の形態として注目され、青山ブックセンター本店や銀座 蔦屋書店を始めとする各地の書店で取り扱われた。

また、株式会社コルクとの「宇宙兄弟」新刊キャンペーンや大阪梅田の飲食街「お初天神 裏参道」4周年キャンペーンなど、オンラインサロンというクローズな環境でありながら、そのクリエイティビティを活かして、リアルの世界ともオープンに関わっている。

公式noteはこちら
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