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MTVが教えてくれたこと

2019.05.15 公開 ポスト

MVで読み解くヒップホップ(2)

80年代初期のMTVはブラックミュージックに目もくれなかったKダブシャイン/横川圭希

対談第2回は、1981年に始まった現地MTVとブラックミュージックのMV、ヒップホップ黎明期のお話。日本にいると気づかなかった意外なことが、どうもアメリカでは起こっていたようです。
(写真:岡本大輔 構成:幻冬舎plus編集部)

MV界にある、マイケル・ジャクソン「以前」と「以後」

横川   話は変わりますけど、マイケル・ジャクソンの「Beat It」(1982)とか「Thriller」(1982)っていうのは、やっぱり現地でもインパクトはあったんですか? 昔ジャクソンファイブがあったとは言え、白人中心の中でチャート超売れたブラックミュージックと言えますよね?

Kダブ  その頃は日本にいたから現地のことはよくわからないけど、マイケル・ジャクソンは黒人アーティストとしてというより、『Off The Wall』(1975、5tアルバム)ですでに売れていたし、80年代には日本でもスズキLOVEっていう原付のCMにマイケル・ジャクソンが出ていたから、『Thriller』が出たばかりの時は、新譜が出たんだなっていうくらいでしたよね。

でも「ベストヒットUSA」を見てたら、確か「Billie Jean」(1982)がビデオで出始めて……。

 

気さくなKダブ先生(左)。ヒップホップ・カルチャーの深くて面白すぎる話は、別の機会にご提供することを編集部はもくろみ中。

 

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MTVが教えてくれたこと

1981年8月1日午前0時に「観る音楽」の文化を作り出し、熱狂を巻き起こした音楽番組MTVは始まった。CM→MV(ミュージック・ビデオ)→映画監督という流れができ、あらゆる映像技術がMVで試されて行ったあの時代を振り返る。

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Kダブシャイン

1968年東京生まれ。日本語の歌詞と韻(ライム)にこだわるラップスタイルが特徴。キングギドラ(KGDR)メンバー。日本人MCとしては「児童虐待」「シングルマザー」「麻薬」「国家」「AIDS」など様々な社会的トピックを扱う数少ないMCとして知られる。その洗練された文学的な韻表現と社会的な詩の世界は、メディアで高い評価を得ている。スペースシャワーTVで放送中の「第三会議室」は根強い人気。

横川圭希

1966年生まれ。映像作家。ギタリスト。「ベストヒットUSA」などの音楽番組やMV制作にかかわる。震災直後からは東北の被災地や福島に入り取材と記録を継続。原発事故で環境中に大量に振りまかれた放射性物質から子供たちを守る「オペレーション・コドモタチ」発起人。市民メディア「confess」で映像配信、映像制作などを行っている。twitter:@keiki22 https://www.facebook.com/ConfessTokyo

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