頭痛、めまい、自律神経失調症、うつ状態、パニック障害、慢性疲労、胃腸不良……こんな不調に悩んでいませんか? 自律神経の世界的権威、松井孝嘉先生の『首こりは万病のもと』は、こうした不調の原因が「首」にあることを指摘した、画期的な一冊! その知られざるメカニズムと、みるみるカラダがよみがえる治療法&予防法を解説した本書の一部を、少しだけご紹介します。
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「うつ病」には2つの種類がある
首疲労によって自律神経が失調をきたした状態が長く続くと、その不調が“心も体もボロボロになりかねない怖い病”へと進行してしまうことが少なくありません。
たとえば、「頸性うつ」をはじめ、「慢性疲労症候群」「パニック障害」といった病気です。
「頸性うつ」というのは聞きなれない病名かもしれませんが、うつ病は「原因不明の精神疾患によるもの」と「首の筋肉異常が原因であるもの」と、大きくふたつに分かれます。そして、昨今、社会問題化するほどに増えてきているのは、「首に原因がある頸性うつ」のほうなのです。
この「頸性うつ」にしろ、「慢性疲労症候群」や「パニック障害」にしろ、一般の病院では原因もわからないまま、ほとんど治療らしい治療がなされていないことが少なくありません。実際に、まったく治らないまま、何年も症状を引きずって苦しんでいる患者さんがたくさんいらっしゃいます。
しかし、私の病院では、首の筋肉疲労をとる治療を施すことにより、患者さんの90パーセント以上がこれらの病から完全回復されているのです。この結果から見ても、これらの病気が首疲労からきているのは明らかだといえるでしょう。
そしてもうひとつ、怖ろしい現実を指摘しておかなくてはなりません。
というのは、近年、首疲労からこじらせた病気によって自殺を考える人が非常に増えているのです。
「頸性うつ」や「慢性疲労症候群」など、首疲労を原因とした病気では、うつ症状以外にもさまざまなつらい自律神経失調症状を伴うことが少なくありません。しかも、そういったつらさは周りの人になかなか理解してもらえず、なかには、「仮病」「さぼり病」といったレッテルを貼られてしまうようなこともあります。
このような闘病を長年重ねていくうちに、次第に孤独感や悲壮感を深め、生きる希望を失って、自らの命を絶とうとする人が多いのです。
私の病院を訪ねてこられる患者さんにも、「何度死のうと思ったかわからない」「何回も自殺未遂を繰り返した」という方が非常にたくさんいらっしゃいます。
しかし、そういう絶望の淵に立たされている患者さん方も、首の筋肉疲労をとる治療を受ければ、うつ症状のほうも体の症状のほうも日々着実によくなっていきます。
そして、病状が快方へ向かうにつれ、みなさん口をそろえて「ああ、あのとき死ななくて、ほんとうによかった……」としみじみおっしゃるようになるのです。私は、そういう患者さんを、何人も何人もこの目で見てきました。
今、日本では毎日90人近い人が自殺をしているといいます。
おそらく、そのなかには、「首疲労の治療」さえ受けていれば、死を選ばずにすんだ人もいるのではないでしょうか。精神疾患のうつ病患者よりも、首が原因のうつ症状が出ている人のほうが自殺をする確率が高いのです。治療をしないで放置すると死に至るおそろしい病気です。
ですから、私はそういう方々を救うためにも、首の大切さをできるだけ多くの人に広めていきたいのです。
なんでも「ストレス」で片づけるな
多くの現代人を悩ませているさまざまな体調不良は、「ストレス」が原因なのではありません。
ほんとうの原因は首疲労です。
頭痛やめまいも、体のあちこちに現われる自律神経失調症状も、首の状態を正常にすることによって治ります。
また、うつ症状が現われるのも「ストレス」が原因ではありません。
ほとんどの場合、首疲労が原因です。
私の病院には、長年うつ症状に悩み、あちこちで「ストレスに対する治療」を受けてきた方が多数訪れます。そういう患者さん方も、それまでは何をしても一向によくならなかったのに、首の筋肉の異常をとることによって、みなさん完治しています。それが何よりの証拠です。
さらに、同じように、慢性疲労症候群やパニック障害においても「ストレス」は関係ありません。首の筋肉を正常な状態に戻せば、これらの病気も完治します。
つまり、頭痛やめまいなどの体調不良も、自律神経失調症も、うつ症状も、パニック障害も、慢性疲労症候群も、どれもみんな、「ストレスに対する治療」などまったく行なわずとも治っているのです。それは、私の病院にいらした患者さんたちの完治という事実が証明しています。
では、みなさんにお聞きいたします。
「ストレス」とは、いったい何なのでしょう。
よく「ストレスは万病のもと」といわれ、みなさん、それを疑いません。
多くの人々は、ちょっと体調が崩れたり、心が落ち込んだりすると、決まって「ストレスがたまっているせいかな」といった言葉を口にします。また、多くの医師も、何か原因のわからない症状にぶち当たりでもすれば、「ストレスかもしれませんね」といった言葉を軽々しく用います。
でも、実際、「ストレス」が原因で起こる不調や病気は、そんなにたくさんあるのでしょうか。
私は、これらの大部分はまちがっていると思っています。
もちろん私とて、「病気に対するストレスの影響」をすべて否定しようというのではありません。
ただ、“なんでもかんでも「ストレスのせい」にしてしまえば、それで片がつく”というような世間の風潮に対して“異”を唱えたいのです。
医師から「ストレスのせいかもしれませんね」と言われたら、他の原因をちらとも思い浮かべず、思考停止状態で受け入れてしまうような、そんな態度でいてはいけないと主張したいのです。多くの人たちに“ストレス信者”になってしまってはいけないと呼びかけたいのです。
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詳しくは『首こりは万病のもと』(幻冬舎新書)をご覧ください。
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