前回、ひょんな事から恩田陸さんのベストセラー小説『蜜蜂と遠雷』の映画化で、その音楽の一部に関わることになった話をした。
作中、架空の日本人作曲家・菱沼忠明(ひしぬまただあき)がコンクールに挑む若手ピアニスト(コンテスタント)たちが弾く課題曲の作曲を担当する。
曲の名前は「春と修羅」。
宮沢賢治の詩からインスピレーションを得て、この作曲家は書いたらしい。なかなかセンスいいじゃん、菱沼忠明!
4人の主人公のコンテスタントが「春と修羅」を演奏する。
そこには驚きの記述がある。
この作品はソロのピアノ作品なのに「カデンツァ」があるのだ。
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藤倉大の無限大∞
ロンドン在住、42歳、作曲家。これまで数々の著名な作曲賞を受賞してきた藤倉大の、アグレッシブな創作生活の風景。音の世界にどっぷり浸かる作曲家は、日々、何を見、何を感じるのか。