肩こり、頭痛、肌の衰え、自律神経失調症……。こんな不調や病気でお悩みではないでしょうか? でも、あきらめないでください! 経絡整体師、朝井麗華さんの『病気がいやならわきの下をもみなさい』によれば、「わきの下をもむ」だけで、みるみる身体がラクになるそう。簡単にできて、しかも即効性のあるセルフケア満載の本書から、一部を抜粋してお届けします。
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わきの下の筋肉がこり固まっている
私の主宰する、整体サロンに来られる方は、ほぼ全員、99%以上の人のわきが詰まっています。
「詰まる」といっても、リンパ液や血液の流れが、完全に止まっているわけではありません。
ここでいう「詰まる」とは、わき周辺のリンパ液や血液の流れが滞り、筋肉がこり固まっている状態を指します。
わきの下には、リンパ管が合流して、大きな節となっているリンパ節があります。
リンパ節は、細菌や異物を食い止め、処理するフィルターの役割をしていますから、そもそも、流れが滞りやすい場所です。
リンパ管が余分なものを流す配水管、そしてリンパ節は排水溝だと考えるとわかりやすいかもしれません。
キッチンのシンクや、下水の排水溝だって、常にゴミを取り除き、クリーンに保たなければ、流れが悪くなります。
同じように、不要物の処理という、大切な役目を担っているわきの下のリンパも、よい状態に維持しようと意識しない限り、とても詰まりやすいのです。
また、現代人は、同じ姿勢でいることが多いため、筋肉がこり固まりやすく、血液の流れを妨げます。
そして、たまった疲労物質により筋肉が酸欠になり、ますます、血液やリンパ液の流れが悪くなるという悪循環にはまっているのです。
わきの下が詰まっている人たちの特徴は、まず、わき周辺がこわばっていること。
そして、もみほぐそうとすると、ごりごりとした引っかかりがあることも多くあります。
さらに、老廃物がたまりすぎて、わきの下がぽっこり膨らんでいる方も、少なくないのです。
さまざまな病気を引き起こす原因にも
では、わきの下が詰まると、私たちの体はどうなってしまうのでしょう。
まず、わきを中心としたその周辺の、首や肩、腕、背中、そして内臓などへの、血液循環が悪くなります。
血流が滞ると、細胞に必要な酸素と栄養が届きづらくなります。
すると、疲労物質などが、筋肉にたまりやすくなり、首や肩、背中などのこりや痛みの原因になります。
十分な血液が届かないと、体温が下がりますから、手先や内臓の冷えにもつながります。
また、血行が悪いと、顔色が悪くなり、肌がくすみます。自分では元気だと思っていても、見た目が疲れて、老けて見えがちになります。
さらに、私たちの体は、上半身と下半身が、くっきり分かれて働いているわけではありません。全身がつながっていますから、体のどこかで、血液の流れが滞れば、さまざまなところに影響が及んでしまうのです。
次に、わきが詰まると、リンパ液の流れも悪化します。
リンパ液がスムーズに流れないと、余分な水分や老廃物がしっかり排出されず、むくみやすくなります。
そして、リンパ液に含まれる免疫細胞が滞るため、免疫力が衰えます。
人間の体がほんらい持つ、「元気になろう」「もっとよくなろう」とする、自然治癒力が弱り、さまざまな病気を引き起こす要因になるのです。
さらに、わきの下の筋肉がこわばると、つながっている、背中や肋骨、胸の筋肉を不自然に引っぱります。
すると、体のゆがみや悪い姿勢の原因になってしまいます。
もしかしたら、「えっ、わきの下に筋肉なんてあるの?」と、驚いた方もいるかもしれません。
でも、私たちの体は、軟骨からなる耳や、粘膜である唇などを除き、ほぼ全身に筋肉が存在します。
足の裏にも、くるぶしやすねからつながる筋肉があります。
指先だって筋肉がなければ、ものをつかむことはできません。
耳や唇でさえ、その周辺には、動かすための筋肉があります。
さらに、自分の意思では動かせませんが、血管の壁や、胃腸などの内臓のまわりも、筋肉でできています。
病気がいやならわきの下をもみなさい
99%の人は、わきのリンパが詰まっている。心筋梗塞、自律神経、肩こり、頭痛、肌の衰え……。簡単! 即効! 体の表と裏をつなぐ要をゆるめると、みるみる体がラクになる!