肩こり、頭痛、肌の衰え、自律神経失調症……。こんな不調や病気でお悩みではないでしょうか? でも、あきらめないでください! 経絡整体師、朝井麗華さんの『病気がいやならわきの下をもみなさい』によれば、「わきの下をもむ」だけで、みるみる身体がラクになるそう。簡単にできて、しかも即効性のあるセルフケア満載の本書から、一部を抜粋してお届けします。
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「わきほぐし」で心臓を守ってあげよう
それまでなんの予兆もなく、元気に暮らしていた、働き盛りの人が、ある日突然、亡くなってしまう。
そんな「突然死」の原因の半数以上が、心筋梗塞や心筋症などの、心疾患が原因といわれています。
また心疾患は、日本人の死因として、常に3位に入っている病気です。
心臓は、血液を全身に送り出すためのポンプ運動を、1日約10万回も行っています。この、収縮と拡張のリズムを繰り返す心臓の筋肉、心筋に酸素や栄養を供給しているのが、心臓をとりまく冠動脈です。
この冠動脈に動脈硬化が起こり、血液の通り道が狭くなったり、また、血栓ができて血管が詰まったりしてしまうと、心筋に酸素が届かなくなり、強い痛みとともに、発作が起こり、心臓の機能が急速に低下します。
こうした症状を、虚血性心疾患と呼び、心疾患の大部分を占めるのが、虚血性心疾患なのです。
この、虚血性心疾患の代表的な症状のひとつ、心筋梗塞になりやすい体質を見極める、ひとつの手段にわきの下の硬さがあります。
数年前に「腱鞘炎の人は心筋梗塞になりやすい」という論文が、学会で発表されたと聞きました。
腱鞘炎とは、筋肉の力を指先などに伝える腱と、腱を包む腱鞘の間に起きる炎症です。
パソコン作業の多い人の手首や、赤ちゃんを抱くお母さんのひじなど、使いすぎて筋肉に負担がかかるのが、大きな原因だといわれています。
腱鞘炎を起こしやすいということは、手やひじなどの筋肉がこわばりやすいということ。また、腱鞘炎になるほど筋肉を酷使している人は、連動する筋肉も、当然、筋膜の影響で硬くなっています。
しかも、この研究によると、隣接する、指先、手首、ひじ、腕、わき、肩、背中、胸などの、骨格筋だけではなく、なんと、一生、規則正しく働かなければならない心筋までこわばってしまい、心筋梗塞になりやすくなってしまうというのです。
「たかが腱鞘炎」と、甘くみていると、知らず知らずのうちに、心臓に重大な危機が忍び寄ってきます。
手先がこりやすい人は、たとえ腱鞘炎になっていなくても、使った筋肉と、心臓との中間地点である、わきをしっかりもみほぐすべきです。
そこで、筋肉のこわばりの連鎖を断ち切って、心臓をしっかり守ってあげましょう。
また、心臓と手先は、わきを通る経絡で密接に結びついています。
ですから、わきをもみほぐすことは、心臓だけでなく、手先のこわばりにもよい影響を与えるのです。
寝違えたときも「わきほぐし」が効く
「寝違えてしまって、首が動かない……」
そんなとき、無理して首を回したり、ストレッチしたりするのは、炎症を起こしている部分を刺激してしまい、悪化させることになりかねません。
寝違えをしやすい、朝起きるとしょっちゅう首が痛い、という人は、実は、枕や寝方、そして首そのものに問題があるのではなく、わきや肩まわりの筋肉がこわばっていて、首を引っぱっていることが多くあります。
試しに、「寝違えたな」と思ったら、次のことをやってみてください。
(1)わきもみ
痛いほうの首側のわきの下を、じっくりもみましょう。
(2)わきほぐし
(3)わきストレッチ
たったこれだけで、嘘のように、首が軽くなることがよくあります。
あなたがもし、わきをほぐして、すぐに首が動くようになったのであれば、今後、寝違えることがないよう、わきのケアを習慣にするとよいでしょう。
病気がいやならわきの下をもみなさい
99%の人は、わきのリンパが詰まっている。心筋梗塞、自律神経、肩こり、頭痛、肌の衰え……。簡単! 即効! 体の表と裏をつなぐ要をゆるめると、みるみる体がラクになる!