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美しい暮らし

2019.06.20 公開 ポスト

次郎長巻きを食べながら矢吹透

最近気づいたことなのですが、世の中には、人としてのあり方が、大人っぽい人と子供っぽい人とがあるような気がいたします。

その違いは何なのだろうかと考えていて、ひとつ、ふっと思い浮かんだのは、大人であると相手に感じさせるような人は、自分にも、他人にも、甘えの少ない人なのではないか、ということでした。

自分自身に対して、また他者との関係において、甘えを持ち込む人は、どことなく幼い印象を与えるものなのではないでしょうか。

どんな人にも、甘えたい時、あるいは誰かを甘やかしたい時、もあるでしょう。

しかし、そのような時においても、大人である人は、自分が甘えること、相手を甘やかしていること、をお互いにきちんと認識し、認め合った上で行っているような気がするのです。

逆に、幼く感じられる人は、人間関係の中に、本人も無意識のうちに甘えを持ち込む、という傾向があるように思います。

いいとか、悪いとか、ジャッジする気持ちはありませんが、私にとって個人的に、コミュニケーションの相手として楽なのは、人間関係の中に不用意に甘えを持ち込まない人です。

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矢吹透『美しい暮らし』

味覚の記憶は、いつも大切な人たちと結びつく——。 冬の午後に訪ねてきた後輩のために作る冬のほうれんそうの一品。苦味に春を感じる、ふきのとうのピッツア。少年の心細い気持ちを救った香港のキュウリのサンドイッチ。海の家のようなレストランで出会った白いサングリア。仕事と恋の思い出が詰まったベーカリーの閉店……。 人生の喜びも哀しみもたっぷり味わせてくれる、繊細で胸にしみいる文章とレシピ。

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美しい暮らし

 日々を丁寧に慈しみながら暮らすこと。食事がおいしくいただけること、友人と楽しく語らうこと、その貴重さ、ありがたさを見つめ直すために。

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矢吹透

東京生まれ。 慶應義塾大学在学中に第47回小説現代新人賞(講談社主催)を受賞。 大学を卒業後、テレビ局に勤務するが、早期退職制度に応募し、退社。 第二の人生を模索する日々。

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