6月26日に石黒由紀子さんの新刊『楽しかったね、ありがとう』が発売になります! それを記念して石黒さんの愛犬•センパイ(豆柴、13歳のメス)と愛猫•コウハイ(雑種猫、8歳のオス)が対談しました。彼女の身近かにいる2匹だからこそ知る制作秘話、本の内容について語られます。ワンワン! ニャンニャーン!
センパイ(以下 セ)「みなさん、こんにちは。おひさしぶりです!豆柴のセンパイです。もうすぐ14歳で、ゆっちゃん(筆者)には年寄り扱いされていますが、まだまだ元気にしていますよー!」
コウハイ(以下 コ)「ボクはコウハイだよ。みんな、覚えてくれてる? もうすぐ9歳になるらしいけど、年齢なんて関係ニャいよね。いくつになってもボクはボク! 最近よく言われるの“センパイのこと。もうおばあちゃんだから気にしてあげてね”とか。だから“センねえたん、どうしているかな?”と、よく見るようにしています」
セ「それが余計なお世話なんですよ。あたちも自覚はありますよ、“以前とはちょっと違うな”って。“疲れたなー”と思うときもあるし、ボールを追いかけたり、おもちゃを振り回したりするは子どもっぽいかな、という気もするし。おとなしくしていると“元気がない”と心配されるのは心外です」
コ「センねえたんは、前より、よく寝るようになった思う。誰かが帰ってきても起きなかったりして。前にはなかったことだよ」
セ「それも余計なお世話です。知らないの? “寝る子は育つ”って。まだまだ成長期なんですよ。ところでね、ゆっちゃんの新しい本が出るそうです。タイトルは『楽しかったね、ありがとう』だって。長生きした犬と猫とを看取った飼い主さんを取材したそうですよ」
コ「そういえば、テープレコーダーを何回も聴いてたよね、あれ、取材のインタビューのやつだったんだね。そのたびにさ、ゆっちゃんは感極まって“コウちゃん!”とか言って抱きしめたりするから、迷惑だったよニャ~」
セ「そうそう。あたちにも“センちゃんも長生きしてね!”とか言ってひとりで盛り上がっていて、どうなの? って思ったわ。だいたいね、この本を書こうと思ったきっかけが、あたちの老化だったっていうじゃない? そこから気に入らないわけですよ、そもそも!」
コ「どゆこと?」
セ「どうやら、ゆっちゃんの目には、あたちが年取ってヨボヨボ感が出てきたと写っているようで、心配になっているみたい。それで、長命だった犬や猫の暮らし方とか、飼い主さんの接し方を知りたい、って思ったみたいなの。そこから何かご長寿の秘訣が見つけたい、みなさんにも知って欲しい、というのが本を書こうと思った動機らしいです」
コ「にゃるほどー。それと、いつかやって来るお別れのことも気になってるみたいよね」
セ「そうらしい。ゆっちゃん、最近、最愛のペットを亡くしたお友だちが多いのよね。あたちも一緒に散歩したりパーティしたりした犬先輩が旅立ったのを聞いて、さびしく思ったわ……。悲しんでいるお友だちの姿に自分の近い将来を重ねているのかちら……。って、私はまだ生きるつもりですけどね!」
コ「だニャ~。けどさ、不確定な未来を思い悩んでも意味ニャいよ。年齢を気にしても仕方がニャいの。そのことをゆっちゃんはちゃんと書いているのかニャあ」
セ「コウちゃん、ずいぶんちゃんとしたことが言えるようになったものね。たしかにそうね、動物より人間のほうがくよくよしがち。でも『楽しかったね、ありがとう』というタイトルを見ると、そう思えるような暮らし方、気持ちの切り替え方が書かれているのかもね」
コ「うん。だニャ! ゆっちゃんいつも言ってるよね“本を読んでくれた人が、ふっと肩の力を抜いたり、前を向いて笑ってくれるようなものを書きたい”って。ゆっちゃんなりに小さな脳みそで考えてるらしいニャ」
セ「そう、小さな脳みそで。ところで、この本に登場する最高齢は、猫のにゃん先輩、享年25歳だそう。犬の先輩は19歳とか。そう聞いただけで勇気が湧くね、まだまだいけそうな気がするわ!」
コ「ボク、25歳まであと16年! すごいニャ!」
セ「というわけで、『楽しかったね、ありがとう』ぜひ読んでみてくださいね。今、悲しみの中にいる人には、もっと時間が必要かもしれないけれど、何か、元気を取り戻すヒントがこの本にも書かれているかもしれません」
コ「お話ししてくれた20人のみなさんのおかげで、よい1冊になりました。どのおはなしも全部違って全部すてきなのニャ!」
セ「コウちゃんもずいぶんしっかりしたことを言えるようになったものだわね」
セ•コ「よろしくおねがいしまーす! ワン! ニャン!
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楽しかったね、ありがとう
「寂しいけれど、悲しくはない」「綱渡りのような日々も愛おしい」「あえてさよならは言わずに」「お疲れさま、ありがとう」「先に行って、散歩しながら待ってて」
15歳の犬から25歳の猫まで、長生きして逝った動物たちと飼い主の日々。見送ったあとに、飼い主たちの心に残った想い。自らも14歳の柴犬・センパイと9歳の保護猫・コウハイと暮らす著者が綴る、犬と猫と人の、すばらしい物語。
犬や猫は人間の何倍もの速さで「生」を駆け抜けていきます。私たちにとって変わりばえのしない今日であっても、動物たちと過ごせる瞬間がいかに貴重で、今を精一杯いつくしむことがどれだけ大切か……。(はじめにより)