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朝日新聞記者の将棋の日々

2019.07.19 公開 ポスト

米長邦雄永世棋聖がAIと戦い抜いた「最後の大勝負」――今もなお受け継がれるその遺志村瀬信也(朝日新聞 将棋担当記者)

2012年1月、コンピューターソフトと戦う「第1回将棋電王戦」に敗れた故・米長邦雄永世棋聖。米長門下の中村太地現七段が、AIの示す手を指す役目を務めた。(村瀬信也 撮影)

「6二玉はいい手ですからね。朝日新聞にも申し上げておきます」

対局後の記者会見で、私が「コンピューターが強くなったことについての感想」を尋ねると、米長邦雄永世棋聖は質問に答える前に、穏やかな口調でそう釘を刺した。

2012年1月14日。東京都渋谷区の将棋会館には、多くの取材陣が詰めかけた。棋士と人工知能(AI)が対戦する「第1回将棋電王戦」で、日本将棋連盟会長の米長はAI代表の「ボンクラーズ」と相まみえた。米長は2手目に△6二玉という常識外れの手を指して力勝負に持ち込んだが、自陣に生じた隙をつかれて敗れた。

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藤井聡太、渡辺明、豊島将之、羽生善治…… トップ棋士21名の知られざる真の姿を徹底取材! ! 史上最年少で四冠となった藤井聡太をはじめとする棋士たちは、なぜ命を削りながらもなお戦い続けるのか――。 「幻冬舎plus」の人気連載『朝日新聞記者の将棋の日々』に大幅加筆をし、書き下ろしを加えてついに書籍化。 藤井聡太の登場から激動の5年間、数多くの戦いを最も間近で見てきた将棋記者・村瀬信也が、棋士たちの胸に秘める闘志や信念に迫ったノンフィクション。

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朝日新聞記者の将棋の日々

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村瀬信也 朝日新聞 将棋担当記者

1980年東京都生まれ。早稲田大学将棋部で腕を磨き、2000年の学生名人戦でベスト16に。2003年、朝日新聞社に入社。2008年に文化グループ員になり、2011年から将棋の専属担当に。大阪勤務を経て、2016年、東京本社文化くらし報道部員になり、将棋を担当。名人戦や順位戦、朝日杯将棋オープン戦を中心に取材。共著に『大志 藤井聡太のいる時代』(朝日新聞出版)がある。

Twitter:@murase_yodan

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