我がやどの尾花が上の白露を消たずて玉に貫(ぬ)くものにもが(巻八・一五七二)
(現代語訳)家の庭に咲いてる尾花のうえにこぼれる露、消えずにそのまま真珠として糸に通せたらいいのに!
和歌といえば、なんだかやたら「きれいな情景描写」を詠んだもの……という認識があるんじゃないかな~と思う。
たとえば桜。たとえば紅葉。たとえば旅先の風景。あるいは夕焼けに感動して、わぁきれいだなぁ……と思い、そして和歌を詠んだ。昔の人は雅で風流な生活を送っていたんですね。
というのが、古典の授業で私たちが習うはじめての和歌の印象ではないか。
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ラブコメ!萬葉集
新元号「令和」の元ネタとして今注目の「萬葉集」。萬葉集研究をしていた京大院卒書評家が、その面白さを現代目線からぶったぎりつつ解説します。