長年にわたって日本とアメリカを行き来していると、それぞれの国の空港の特徴というものが見えてくる。
たとえば、成田空港の入国審査官のネクタイにはよく、immigrationという英単語が、日本らしい細やかで美しい模様であしらわれている。ニューヨークのJFK国際空港では、数年前まで入国審査の列に並ぶと、必ず『Welcome: Portrait of America (ようこそ。アメリカのポートレート)』という題のショートビデオが流れていた。アメリカの広大な土地や自然、そして多様性を謳うこのビデオは、アメリカ合衆国国土安全保障省と ウォルト・ディズニー社の合作であり、なんともドラマチックで希望に満ちていた。しかし、最近はパタッと見ることがなくなってしまった。
そもそも旅行者にとっては、訪れた国の第一印象を決めるのが入国審査ではないだろうか。しかし残念なことに、アメリカの入国審査フロアというものは、とても殺伐とした雰囲気である。
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英語で伝えるということ
世界的ブームとなっている片づけコンサルタントの近藤麻理恵さんのNetflix番組「KonMari ~人生がときめく片づけの魔法~」の通訳として、そのプロフェッショナルな仕事ぶりが現地で称賛され、注目されている飯田氏。話者の魅力を最大限に引き出し、その人間性まで輝かせる英語表現の秘訣はどこに? 「英語で話す」ではなく「英語で伝える」ときに重要な視点を探るコミュニケーション・エッセイ。