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おとなの手習い

2019.08.10 公開 ポスト

もうすぐ60。まだ人生変えられるんじゃない?香山リカ

(写真:iStock.com/Hakase_

精神科医・大学教員、そしてメディアでの発信と、走り続けてきた香山リカさんも、もうすぐ60歳。「これからの人生、どうしよう?」 香山さんの楽しい試行錯誤・悪戦苦闘の日々を綴る新連載です。

*   *   *

香山リカ。1960年7月1日札幌市生まれ。東京医科大学在学中より執筆活動を始め、卒業後、精神科医となり現在も都内クリニックで臨床を行う。また立教大学教授も務めている……。

これまで何百回、いやもしかすると千回単位で話し、書いてきたプロフィールだ。自分にとってはある種の定型句の羅列でしかなく、たいした感慨もわいてこない。

しかし、この数年、このプロフィールを話したとき、それを聞く人の反応が変わってきた。

「えっ、1960年生まれ。ということはえーと……いやいや失礼」

明らかに私の年齢を計算している。そのあとで改めてこちらの顔を見て、「うんうん」とうなずいている人もいた。こちらの勘ぐりすぎかもしれないが、「いま2017年だから57歳か。まあ、そんなところだろう」などと納得していたのだろうか。そこまでいかなくとも、たいていの人は気の毒そうな表情になったり、「聞いてはいけないことを聞いてしまった」と気まずそうに目をそらしたりするのである。

「そうか、50代後半、60歳間近ってそんなにたいへんなことなのか」と世間の常識に疎い私もさすがに気づかないわけにはいかなくなり、「さて、このたいへんな時期をどう乗り越えよう」と考えるようになったのだ。

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香山リカ『ノンママという生き方 子のない女はダメですか?』

ときどき悔やむ。ときどき寂しい。 でも大丈夫。これが私の選んだ道。私の幸せのかたち。 さまざまな理由で、生涯子どもを持たない・持てない女性が全女性の3割とも言われています。 「女は子どもを産み育てて一人前」「女の本当の幸せは子どもを持つこと」という伝統的価値観はまだまだ強く、さらに最近は、少子化対策が国をあげての課題となり、子育ても仕事も頑張る「ワーキングマザー」が礼賛されます。 そんななか、子どもを持たない人生を選んだ「ノンママ」は、何を思い、どんなふうに生きているのでしょうか? それぞれの事情、悩みと葛藤、後輩ワーキングマザーとの軋轢、介護と自分の老後の不安等々。「ノンママ」のリアルな胸のうちを、自身もノンママである精神科医の香山リカ氏が、ときに切なく、ときに明るく描きます。

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おとなの手習い

60歳という人生の節目を前に、「これからの人生、どうする?」という問いに直面した香山リカさん。そこで選んだのは、「このまま穏やかな人生を」でなく、「まだまだ、新しいことができる!」という生き方。香山さんの新たなチャレンジ、楽しき悪戦苦闘の日々を綴ります。

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香山リカ

1960年、札幌市生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会批評、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。『ノンママという生き方』(幻冬舎)、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』『イヌネコにしか心を開けない人たち』『しがみつかない生き方』『世の中の意見が〈私〉と違うとき読む本』『弱者はもう救われないのか』(いずれも幻冬舎新書)など著書多数。

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