カモメが教えてくれた生き残る知恵
人間からだけでなく、動物から学ぶこともある。海沿いにはカモメやカラス、トンビが多いが、生息数はカモメが一番多く、次にカラス、トンビとなる。学術的調査をすれば違うのかもしれないが、日頃、直に目にする実感としては、カモメが最も多い。
さて、毎日のように養殖魚の餌やりをしていると、餌に鳥たちが群がってくる。その様子を見ていると、カラスは頭がよく、非常に器用な反面、警戒心が強く、餌にありつける回数が少ない。トンビは、上空からトップスピードで突っ込んでくる能力は高いのだが、それしかできないので、餌になかなかありつけない。
逆に海に浮かぶこともでき、警戒心も薄く、ところかまわず動き回るカモメは、イケスの中にも突っ込んでくるし、僕たちが作業をしている船のデッキにもズカズカ入ってきて、こぼれた餌を拾い食いする。イケスに入った後、そこから出られないことも考えず、デッキで人間に捕まることも想像せず、目の前の餌に飛びつくのである。
頭のいいカラスからすれば、カモメはなんとも危なっかしく見えることだろう。しかし、カモメの数が一番多いということは、もちろん繁殖力の問題もあるとは思うが、彼らが生存競争で勝ち残っているということだ。
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移住サバイバル
東日本大震災を機に宮城県石巻市に移住した山本圭一さん。家なし、知り合いなし、文字通りゼロから始まったサバイバル生活の記録。