この記事が公開されたのは、まだコロナなど世界に存在していなかった2年前。手間もかからず、持ち運びよく、部屋のちょうどいいアクセントになるサボテンに、根を張らない自身の生活を重ね合わせていた鈴木綾さん。ミレニアル世代に人気というサボテンは、コロナ禍で暮らしが不安定ないま、また違った思いを受け止めてくれる友として、私たちのそばにいてもくれそうです。
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11個のサボテンの五つの列。計55個のサボテン。細長いのもあれば、小さくて丸いのもある。全部同じ壺に入っている。そして壺も棚も後ろの壁も全部ピンク色。インスタグラムへの完璧な祭壇。
初めてのシュガーリング脱毛が終わって、レジで待っていた。お店のお姉さんがカードリーダーを出していた間、隣のサボテンをじっと見た。シュガーリングはワックス脱毛によく似ているけど、ワックスより肌に優しくて痛くないらしい。イギリス人女性はあそこを脱毛するし、イギリス人男性は脱毛を前提として付き合ってくるので私も居住国の文化に合わせて脱毛をすることにした。名前、生年月日、住所、ビリーーッ。いたっ。
もちろんあそこの鳥肌の写真を撮るわけにはいかないので、代わりにサボテンの写真を撮ってインスタにあげた。
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新しい趣味
毎日を充実させてくれるさまざまな趣味。以前から好きなもの…とはまた違う、このコロナ禍で新しく出会った、再認識した、喜びの世界。