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あぁ、だから一人はいやなんだ。

2019.09.15 公開 ポスト

第115回 42.195km<後編>いとうあさこ

ではでは前回の大磯5時間30kmチャレンジの続きから。あれは15kmくらい走った時かなぁ。めっちゃ暑いし汗びっしょりなんだけど、なんか寒くて。それを並走してくれていたトレーナーの中川さんに伝えるとおそらく熱中症か脱水症状の始めの可能性が。「ちょっと予定のコースから外れるけど、近くにコンビニがあるからそこへ行こう」コンビニのクーラーで体を冷やしつつ、何か口に入れよう、と。みんなだってしんどいのにフラフラの私に「好きなもの買っていいですよ」「パピコはどうですか?」「栄養ゼリーならどう?」とまるで子供をあやすかのように優しく聞いてくれる。ただ暑さに負けた49歳の胃袋はアイスもゼリーも重く感じてダメで。結局ピンときたのが果汁100%リンゴジュースだけ。ゆっくり吸い込んだ。あの染み渡るリンゴの甘さは一生忘れない。

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いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。3』

海への恐怖を感じた、初めての遠泳。4人で襷を繋いだ「24時間駅伝」。お見合い旅inマカオ。“初”キスシーンに、“初”サウナ。ドラクエウォークで初めての高尾山。接続できずに大騒ぎのリモート飲み会。拍子抜けだった大腸検査。ブームに乗って、のんびり「おばキャン」、のつもりが……。いくつになってもあさこの毎日は初めてだらけ。

いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。2』

セブ旅行で買った、ワガママボディにぴったりのビキニ。いとこ12人が数十年(?)ぶりに全員集合して飲み倒した「いとこ会」。47歳、6年ぶりの引っ越しの、譲れない条件。気づいたら号泣していた「ボヘミアン・ラプソディ」の“胸アツ応援上映”。人間ドックの検査結果の◯◯という一言。ただただ一生懸命生きる“あちこち衰えあさこ”の毎日。

いとうあさこ『あぁ、だから一人はいやなんだ。』

ぎっくり腰で一人倒れていた寒くて痛い夜。いつの間にか母と同じ飲み方をしてる「日本酒ロック」。緊張の海外ロケでの一人トランジット。22歳から10年住んだアパートの大家さんを訪問。20年ぶりに新調した喪服で出席したお葬式。正直者で、我が強くて、気が弱い。そんなあさこの“寂しい”だか“楽しい”だかよくわからないけど、一生懸命な毎日。

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