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運を味方にする

2019.09.20 公開 ポスト

ラスベガスの現役カジノディーラーが明かす「運の法則」片桐ロッキー寛士

仕事でも、恋愛でも、ギャンブルでも、なぜか「運のいい人」と「運の悪い人」に分かれますよね。一体、どうして差がつくのでしょうか? それを教えてくれるのが、ラスベガスの日本人カジノディーラー、片桐ロッキー寛士さんの著書『運を味方にする カジノで一晩10億勝つ人の法則』。「勝負に強い人」の思考法と習慣、そして強運の波に乗るヒントがつまった本書より、その一部をご紹介します。

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運は「波」のようなもの

「彼は強運の持ち主だ」

「あの人は運が強い」

(写真:iStock.com/fergregory)

ふだん、仕事で成功したり、投資で儲けたりした人に対してそんなふうに言うことがあります。逆に仕事でしくじったり、家庭生活が破たんしたりする人を見ると、「運がなかったんだ」「運が尽きたんだ」などと言います。

そう聞くと運の強い人はずっと強いままで、運のない人はいつまでたっても浮かばれない気がします。しかし、ラスベガスのディーラーとして日々、目の前で“運のいい人”“運の悪い人”を見ていると、ずっと幸運がつづく人もいなければ、運が悪いままの人もいないというのが現実です。

運は波のようなもので、上がり下がりを繰り返しています

上昇してくる大きな波をうまく捉えた人が勝ちますが、そこで止めないと今度は下降する波に足をすくわれてしまうことがあります。

難しいのはその波が予測不可能だということです。

ゲームをはじめた途端にいきなり上昇の波が来ることもあれば、一日中、運が上向かないこともあります。運の波はとても気まぐれだということかもしれません。

ただし、運の潮目が変わるときはその予兆が現れます

連勝がつづくようになってくると、これは幸運が訪れる前触れであることが多く、逆に、運の波が悪いときにはたいてい連勝がつづかないものです。勝ちと負けが交互になるときなどは、それほどよい波が来ていない証拠です。

そういう兆しから、今ツイてきているのか、それともまだ運が到来していないのかをある程度見極めることができます

運の上がり下がりで強く印象に残っている人がいます。あるテーマパークのオーナー、ジョン・カーティス(仮名・以下同)さんです。

小柄でとても紳士的な人です。いつも手堅いプレーをします。自分が負けても私たちディーラーをねぎらってチップをくれるので、ディーラーの間ではちょっとした人気者です。カジノには大富豪がたくさんやってきますが、それでもカーティスさんのように気前もよく、気持ちもいい人はそう滅多にいません。

その日のカーティスさんは、最初のうちはクラップスで遊んでいました

クラップスというのはゲームの中で唯一、カジノのハウスエッジが発生しない賭け方ができるギャンブルです。たとえばルーレットも赤と黒が半々のような気がしますが、赤でも黒でもない「ゼロ」があるため同じ条件とはいえず、やはりカジノ側に有利になっています。その点、クラップスは賭け方しだいでカジノ側と実質フィフティ・フィフティで勝負ができるゲームだといえます。

運は誰にでも平等に訪れる

カーティスさんはクラップスで勝ちつづけた後、私が入っていたバカラのテーブルにやってきました

(写真:iStock.com/CaptureTheWorld)

バカラはバンカーとプレーヤーのどちらが勝つかを当てるギャンブルですが、プレーヤーよりもバンカーのほうが少しだけ勝ちやすいようにルールが設定されています。その代わり、有利なバンカーに賭けて勝った場合は勝ち分から五%のハウスエッジを取られますが、不利なプレーヤーに賭けて勝ったときはそれが控除されることなく一〇〇%配当がもらえる決まりになっています。

カーティスさんは一〇〇%配当がもらえるプレーヤーのほうだけに賭けつづけていました。

最初三億円くらい負け、その後、勝ったり負けたりを繰り返し、最後は一億五〇〇〇万円を取り戻しました。その時点でカーティスさんは一億五〇〇〇万円の負けです。それでも最初に遊んでいたクラップスで勝っていたので、結局とんとんに落ち着きました。

カーティスさんの勝負を振り返ってみてわかるのは、私のところに来る前に遊んでいたクラップスでは明らかに強運が来ていました。しかし、ゲームをバカラに替えてからは、必ずしも強運がつづきませんでした。そのバカラのゲームの最中でも、最初はまったく運から見放されていましたが、後半は運が向いてきたといえます。

ディーラーの私からはカーティスさんの運の動きが手に取るようにわかりました

これはカーティスさんに限ったことではありませんが、運は常に動いています。さっきまでツイていたかと思えば、急にツキが逃げてしまったり、逆に運が悪いなと思っていたら、気づかないうちに運が向いてきたりといった経験をした人も多いことでしょう。そこに運の本質があります。

つまり、運は人を選ばないということです。だれにでも強運はやってきます。だからといって、いつまでも運が強いままということもありません。もちろん一回も負けないなどということはあり得ませんし、一回も勝てないということもないのです。

これが、私が一〇年以上にわたってカジノディーラーとして五万人以上のお客さんを相手にしてきた中で確信した運の法則なのです。

関連書籍

片桐ロッキー寛士『運を味方にする カジノで一晩10億勝つ人の法則』

“ポジティブバカ”になれ! ラスベガス日本人NO.1カジノディーラーが見た、勝負に強い人の思考法と習慣。 ラスベガス日本人NO.1カジノディーラーが見た、勝負に強い人の思考法と習慣。 だれにでも訪れる運を味方にし、強運の波に乗る方法とは? CHAPTER 1 カジノでの運は人生の縮図――ラスベガス最高峰のカジノの世界とディーラーへの道 ・強い人は自分の「型」を持っている ・個性豊かなハイローラーたちの伝説 CHAPTER 2 カジノでの勝負から見える運の定義 ・運は波のようなもので、だれにでも平等に訪れる ・「負けなしの勝ち」はあり得ない ・大損した後は、必ず大勝負を挑む ・居心地がよい場所は、運が停滞する場所でもある CHAPTER 3 運の大波にうまく乗るための駆け引き ・勝者は運に従い、敗者は運に逆らう ・靴のきれいな人は運に好まれる CHAPTER 4 何をしてもうまくいかないときに運を引き寄せる方法 ・よい流れが来るまでは、岩になれ ・あきらめた瞬間に勝負は終わる ・ネガティブな気持ちは仮想の敵を生み出す CHAPTER 5 カジノで億を稼ぐ勝負師の感情コントロール術 ・「絶対に勝とう」が判断を鈍らせる ・勝負師の共通点は“ポジティブバカ” ・「取り戻す」と思った時点で負けは確定

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仕事でも、恋愛でも、ギャンブルでも、なぜか「運のいい人」と「運の悪い人」に分かれますよね。一体、どうして差がつくのでしょうか? それを教えてくれるのが、ラスベガスの日本人カジノディーラー、片桐ロッキー寛士さんの著書『運を味方にする』。「勝負に強い人」の思考法と習慣、そして強運の波に乗るヒントがつまった本書より、その一部をご紹介します。

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片桐ロッキー寛士

1983年生まれ。ラスベガスのカジノで10年以上のキャリアを持つカジノディーラー。カジノの記録をとるスーパーバイザーとしての経験も持つ。現在もラスベガスのカジノでディーラーとして働きながら、VIPのお客様を相手にするカジノホストとして、また日本のカジノ誘致関係者への案内役としても活躍している。

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