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イライラしない本

2019.09.20 公開 ポスト

イライラしたときは「紙に書き出す」のが最高の解消法齋藤孝

心穏やかに毎日を過ごしたいのに、ついイライラしたり、モヤモヤしたり、カッとなったり……。みなさんにも、心当たりがあるのではないでしょうか? そんな方におすすめなのが、テレビでもおなじみの教育学者、齋藤孝先生の『イライラしない本』。心を整え、感情をコントロールする方法が満載の本書より、今日から試せるノウハウをご紹介します!

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感情を言葉にして可視化する

自分の感情を客観視するための手段として忘れてはいけないのが「言葉にする」、もっと具体的に言えば「書く」というアプローチです。

(写真:iStock.com/Nattakorn Maneerat)

とくに何だかイライラする、なぜだかムカつく──そんな心が穏やかでない心理状態に陥ったとき、心を鎮めるのに非常に有効なのが「イラついた理由を書き出す」という対処法です。

とにかく「なぜ自分はイラついているのか」、その考えられる理由をすべて言葉や文章にして書き出してみる。ミスコピー用紙やチラシ広告の裏でかまいません。

たとえば、取引先との打ち合わせでイラついたとしましょう。その後も何だかずっと心がザワついて、気分が晴れない状態が続いています。

こういう心のさざ波の元を、そのままにしておくだけではなかなか波が収まりません。それどころか、心の中で悪い化学反応を起こして突然大波になってしまう(=感情が爆発してしまう)恐れもあります。

そこで、イライラの理由になったことを思い出して紙に書き出してみましょう

「取引先から、一方的に納期を早められた」

「向こうの担当者、まだ若いくせに、こっちの立場が弱いからって言いたい放題」

「ウチの部長はヘイコラするばかりで、何も言えない」

「結局、現場で作業するのは私」

「後輩は、他人事みたいな顔で平然としていた」

「疲れているのに、帰りの電車が人身事故でなかなか動かなかった」

──と、いろいろあるでしょう。こうして文字で書くことで、さざ波の原因となっている感情が心の中から取り出されました。しかも目に見えなかった自分の感情が、目に見える“客観的な”言葉になった、可視化されたわけです。

「感情の棚卸し」をしよう

次に、書き出した言葉を読んでみましょう

(写真:iStock.com/ipopba)

「ああ、確かにあの言い方は腹が立ったな」「部長、カッコ悪かったよな」「あいつ、ヤル気あるのかよ」「最近、人身事故が多いよな」──こんなことを思うでしょう。

それはすでに自分の感情を客観的に理解・分析し、なぜイライラしたかという原因に理性的に向き合えている証しです。

言うならば、「感情の棚卸し」です。

棚卸しとは簡単に言えば、抱えている商品の種類や数量など、その在庫を確認すること。

それと同じで今、自分が心に抱えているネガティブ感情はどんな種類のものか(不安なのか、怒りなのか、焦りなのか、緊張なのかetc.)、どのくらいのレベルなのか(少し気になるくらいか、仕事が手につかないほどかetc.)などを見つめ直してみるのです。

実際の棚卸しでは、在庫をデータにして伝票にまとめます。感情も同じ。心に残っているネガティブ感情の“在庫”を、紙に書き出して確認するのです。

何だかイライラする、どうもモヤモヤするというのは、自分が今、どんな感情を抱えているか、何に対してネガティブなのかが明確ではないから、漠然としたままだから落ち着かないのです。

だからイライラしたら一度、感情の棚卸しをして、「感情の在庫」を書き出してみる。とにかく言葉にしてアウトプットしてみる。

漠然としていたネガティブ感情を可視化して、その正体を明らかにすれば、感情(イライラ)と理性(分析)のバランスをとるために必要な行動も見えてきます。

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心穏やかに毎日を過ごしたいのに、ついイライラしたり、モヤモヤしたり、カッとなったり……。みなさんにも、心当たりがあるのではないでしょうか? そんな方におすすめなのが、テレビでもおなじみの教育学者、齋藤孝先生の『イライラしない本』。心を整え、感情をコントロールする方法が満載の本書より、今日から試せるノウハウをご紹介します!

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齋藤孝

1960年、静岡県生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒業。東京大学大学院教育学研究科博士課程等を経て現職。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。『身体感覚を取り戻す』で新潮学芸賞受賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームをつくった。Eテレ「にほんごであそぼ」総合指導。『15分あれば喫茶店に入りなさい』『イライラしない本』など著書多数。累計発行部数は1000万部超。

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