仕事でも、恋愛でも、ギャンブルでも、なぜか「運のいい人」と「運の悪い人」に分かれますよね。一体、どうして差がつくのでしょうか? それを教えてくれるのが、ラスベガスの日本人カジノディーラー、片桐ロッキー寛士さんの著書『運を味方にする カジノで一晩10億勝つ人の法則』。「勝負に強い人」の思考法と習慣、そして強運の波に乗るヒントがつまった本書より、その一部をご紹介します。
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運に好かれる人、嫌われる人
私たちディーラーはお客さんがテーブルに近づいてきただけで、この人が勝てそうかどうかが何となくわかるものです。明るいか暗いかといったわかりやすい要素に加えて、その人がそこはかとなく醸し出している雰囲気も加味して判断していると思います。
いろいろな要素があるわけですが、その人がはいている「靴」も判断基準の一つになります。これが意外と当たるのです。
カジノにやってくる人たちは映画やドラマで見るほどには、紳士、淑女の格好をしてくるわけではありません。ジャケットにネクタイというスタイルはむしろめずらしいほうで、Tシャツやトレーナーにジーンズやチノパンというラフな格好でやってくる人もたくさんいます。はいているものも革靴ではなく、スニーカーであることもごく一般的です。
ただし、たとえスニーカーであっても、靴の状態を見れば、その人が勝つ人かどうかわかります。よく手入れがされていて、とくにスニーカーの白い靴底がきれいな人は、勝って帰ることが多いようです。これは、ディーラー仲間の多くが口にするところです。
つまり、こういう話だと思います。
靴底にまで神経が行き届いている人は、賭け方が丁寧です。先ほどウィリアムさんの例を出して、運が来ているかどうかわからないときは小さく賭け、運が向いてきたと判断したら大きく賭けると言いました。こんなふうに丁寧に賭ける人は大きく負けませんし、勝つときは大きく勝っていきます。
もちろんウィリアムさんの靴はいつ見てもよく手入れされています。こういう人は運の流れに対してもアンテナが鋭くて、運をうまく察知できるのでしょう。
逆に、靴が汚い人は賭け方が荒いことが多いようです。運の流れとは関係なく賭けているので、悪い流れに乗ってしまったら一気に負けてしまいます。また、所持金が少なくなってくるとそれを少しずつ賭けようとするのではなく、残ったお金を一気に賭けてしまうという雑なところもあります。
こういう人は運の流れをあまり気にしていないので、せっかくチャンスが来ていても見逃してしまうでしょう。汚いままの靴を平然とはいているような人は大雑把な性格の人が多いようです。何ごとに対しても適当な人はギャンブルに向いていないと思います。
実は、私たちディーラーもマネージャーから常に「靴を磨いておけ」と言われています。少しでも汚れているとすぐに怒られてしまいます。お客さん相手の仕事も、大雑把ではよいサービスが提供できません。そういうこともあって、ディーラーはお客さんの足元を見る癖がついているのです。
カジノチップを数える人は勝負に勝てない
それで気づいたのが、カジノで何億円も使う人の中には、靴の汚れた人はいないということです。上はラフなスウェット姿、はいているものはスニーカーだとしても、そのスニーカーがとてもきれいに保たれています。ハイローラーは事業や投資で成功した人ばかりですから、そこに成功者の共通項を見る思いがします。
運も汚れた靴をはくような人のところには寄り付かず、ふだんから小ぎれいにしている人のほうを好むのかもしれません。
プレーの最中でも、このお客さんは勝つ人か否かを見分けるポイントがあります。
それは、プレーをしながらカジノチップを数えているかどうかです。だれでも、今どのくらい勝っているか、負けているかは気になることでしょう。しかしカジノチップにばかり目が向いていると、本来、プレーヤーが考えなければいけないことがすっぽりと抜け落ちてしまいます。
プレーヤーにとって重要なことは、運の流れ、運のよし悪し、場の空気、ほかのプレーヤーの動き、ディーラーとの相性といったものに気を配り、次はどう賭けるのがいいかを判断することです。それができている人は、勝てるプレーヤーです。
しかし実際は、目の前のカジノチップを数えては一喜一憂している人が少なくありません。度が過ぎた人になると、一プレーごとに数えています。こうなると、もはや運の流れはそっちのけで、今これだけ勝っているのだからもっと勝とう、あるいは今の負けを取り戻そうと躍起になってしまいます。この行為は運を悪くしてしまうでしょう。
私たちディーラーの間では、カジノチップを数えることはバッド・ラックとされていますし、そもそもカジノチップはキャッシャーで現金に替えるまでは何の価値も持っていないのです。つまり最後の勝負が終わるまで、カジノチップを数える必要はないということです。
プレーの最中は勝負に集中し、運の流れや場の空気を感じ取り、それらを賭けの判断につなげていく。そしてツキを感じたときに勝負する。そういうスタンスが勝てる人の共通点だといえます。
運を味方にする
仕事でも、恋愛でも、ギャンブルでも、なぜか「運のいい人」と「運の悪い人」に分かれますよね。一体、どうして差がつくのでしょうか? それを教えてくれるのが、ラスベガスの日本人カジノディーラー、片桐ロッキー寛士さんの著書『運を味方にする』。「勝負に強い人」の思考法と習慣、そして強運の波に乗るヒントがつまった本書より、その一部をご紹介します。