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おとなの手習い

2019.09.14 公開 ポスト

いつもは「教える側」の私が「教えられる側」になって、発見したこと香山リカ

(写真:iStock.com/Carrio Captured)

 

2016年9月に自動車教習所に入校した私。人生で二度目、35年ぶりの教習所だ。

前回はあまりに技能教習がツラすぎてすっかり記憶から消えていたのだが、運転免許を取得するには学科教習を受けて、最終的には免許センターなどでの学科試験に合格しなければならない。その前に、学校内の仮免許学科試験に合格しなければ、路上教習を受けられないのだ。

学生時代、夏休み期間に免許を取る予定で実家から近い小樽の教習所に通ったのに、とても卒業に至らずに大学のある東京に舞い戻った、という話はしたと思う。「2学期終わったら年末年始はまた教習所か」と気分はブルーだったのだが、久しぶりに予備校時代の仲間で集まったところ、灘高校を出て一浪し、東京大学理科3類(医学部コース)に合格した男の友人も、私と似たような状況だということがわかった。彼は言っていた。

「教習所であまりに怒られてるうちに、だんだん学科教習にも自信なくなっていった。そしたら、仮免許学科試験に落ちてしまったんや。冬休みはそこからやり直しや。いっしょに試験受けた不良みたいな兄ちゃんや姉ちゃんはみな合格で、“ワシ、こいつらよりアホなんか”とその場に座り込んでしまったで……」

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香山リカ『ノンママという生き方 子のない女はダメですか?』

ときどき悔やむ。ときどき寂しい。 でも大丈夫。これが私の選んだ道。私の幸せのかたち。 さまざまな理由で、生涯子どもを持たない・持てない女性が全女性の3割とも言われています。 「女は子どもを産み育てて一人前」「女の本当の幸せは子どもを持つこと」という伝統的価値観はまだまだ強く、さらに最近は、少子化対策が国をあげての課題となり、子育ても仕事も頑張る「ワーキングマザー」が礼賛されます。 そんななか、子どもを持たない人生を選んだ「ノンママ」は、何を思い、どんなふうに生きているのでしょうか? それぞれの事情、悩みと葛藤、後輩ワーキングマザーとの軋轢、介護と自分の老後の不安等々。「ノンママ」のリアルな胸のうちを、自身もノンママである精神科医の香山リカ氏が、ときに切なく、ときに明るく描きます。

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おとなの手習い

60歳という人生の節目を前に、「これからの人生、どうする?」という問いに直面した香山リカさん。そこで選んだのは、「このまま穏やかな人生を」でなく、「まだまだ、新しいことができる!」という生き方。香山さんの新たなチャレンジ、楽しき悪戦苦闘の日々を綴ります。

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香山リカ

1960年、札幌市生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部映像身体学科教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会批評、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する。『ノンママという生き方』(幻冬舎)、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人』『イヌネコにしか心を開けない人たち』『しがみつかない生き方』『世の中の意見が〈私〉と違うとき読む本』『弱者はもう救われないのか』(いずれも幻冬舎新書)など著書多数。

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