猫15匹、犬5匹、人間3人が幸せに暮らせる。そんな夢のような家がありました! 『へぐりさんちは猫の家』は、世界でも珍しい「ペット共生住宅」を専門にする設計士、廣瀬慶二さんによるフォトエッセイ。キャットツリー、爪とぎ柱、ジグザグのキャットウォーク、猫窓、20cm×20cmの穴、トイレ……。猫も人間も幸せになれる家づくりのヒントがつまった本書より、一部をご紹介します。
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これが猫の本当の気持ち
猫は窓辺で外をながめていたいのです。テリトリーを守るために監視している子もいますが、遠くで動くものを見ているのは単純に楽しい。
放課後に部活で校庭を走る男子や女子を、ぼーっと教室の窓から見ていた“青春が暇な若者”はいっぱいいるはずです。まるで猫みたいです。それは猫と同じなのです。うらやましい限りです。
窓辺にすわって外を見ている猫をよく観察してみると、目をつむっていたりします。見てないじゃないかっ! ってことですが、ぼーっと外をながめているうちに眠たくなったり、外を監視していても平和だから眠たくなったりするのなら、それはとてもしあわせなことです。
そもそも猫なんだから寝るに決まってます。うらやましい限りです。
猫専用の窓を「猫窓」とよんでいます。窓が大きいと防犯のことを考えないといけないので、高さや幅が極端に小さいものを用います。
さらに外壁の厚みを大きくすることで、サッシの額縁が大きくなりますから、いわゆる出窓になっていなくても、猫にとってゆったりと眠れる窓辺が出来上がります。
「猫窓」は、いろんな高さにたくさん設けましょう。床の高さに設けると、ジャンプ力がなくなった高齢の猫にも喜ばれます。