2001年9月11日、米中枢を襲い、約3000人が犠牲になった同時多発テロ(ナイン・イレブン)は、「影の戦争」というパンドラの箱を開けてしまった。あれから18年。大統領は変わっても、米国は危険人物を特定し、秘密裡に追跡・監視して殺害する「標的殺害」(targeted killing)を頻繁に行使している。そんな「暗殺まがい」の戦術を「対テロ戦争」に適用し、イスラム過激派のテロ・ネットワークを弱体化、壊滅しようとしているが、テロの勢いは衰えを見せない。
9・11の首謀者・ビンラーディンの息子を殺害
トランプ大統領は9月14日、9・11を首謀したイスラム過激派の国際テロ組織「アルカイダ」の指導者だったオサマ・ビンラーディンの息子、ハムザ容疑者がアフガニスタンとパキスタンの国境付近で「米国の対テロ作戦」によって殺害された、と発表した。
ここから先は会員限定のコンテンツです
- 無料!
- 今すぐ会員登録して続きを読む
- 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン
トランプ時代の地政学
「世界の警察官を辞める」だけでは収まらず、いまや世界秩序の攪乱要因になりつつあるトランプ大統領のアメリカ。海外取材経験の豊富なジャーナリストであり、国際政治研究も続ける著者がトランプ大統領・アメリカの本音を読み解き、日本とのかかわりを考察する。