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2019.10.09 公開 ポスト

婚活でモテないシニア男性5つのポイント篠藤ゆり(ライター)

還暦を過ぎてなお、人生最高の伴侶を求めるシニア層のリアルな姿を追った、幻冬舎新書新刊『ルポ シニア婚活』(篠藤ゆり・著)から一部を公開。

シニア婚活でモテる人、モテない人の差はじつはちょっとしたことだ。とくにシニア男性は「前の配偶者の悪口を言わない」「下ネタを絶対言わない」「先を急ぎすぎない」など、5つのポイントをおさえればいい。

今回は、成婚への近道となるコツを紹介する。

*   *   *

(写真:iStock.com/imtmphoto)

シニア世代は若々しい人の生命力が大好き

シニア婚活では、どういう人がモテるのだろう。

婚活中の女性や成婚した女性に、男性になにを求めるのかとうかがうと、ほぼ全員から「清潔感」という答えがかえってくる。

いわゆるイケメンである必要はないけれど、さわやかな人がいい。

清潔感やさわやかさは、ファッションにかなり左右される。そのため結婚相談所によっては、コーディネートの相談やファッションアドバイスのサービスをおこなっているところもある。

そういうサービスがない場合は、紳士服の店で、女性の販売員に相談して選んでもらうのもいい。

 

婚活アドバイザーが一様に言うのは、男性のファッションに関しては、初対面のときはジーンズやトレーナーなどカジュアルすぎる服装はNG

かといって、会社に行くようなスーツも女性からは好まれない。ややカジュアルなジャケットや、おしゃれな雰囲気のスーツがベストとされる。

大きなバッグはやぼったいので、持つなら小さなバッグがいいそうだ。

 

女性は一般的に、フェミニンな服装が好まれる。センスがよすぎるモードっぽいファッションは、男性から敬遠されがちだ。

また、見るからに高価な装飾品やバッグを身につけている女性も、お金がかかりそうだと思われ、相手がひいてしまう場合がある。

男性は清潔感のある格好、女性はフェミニンな服装が好まれる。(写真:iStock.com/sot)

婚活中の男女みなさんが口にするのが、「若々しい人がいい」という点だ。具体的に言うと、イキイキしていること、話がはずむこと、そして明るいこと。

話をうかがってみると、どうやら若々しいほうが見栄えがいいから、という理由だけではないようだ。

シニアの場合は潜在的に、結婚したとたん相手が老けこんでしまったらどうしよう、すぐに病気になったり死んだりしたらどうしようという不安や怖れがある。

だからこそ、実年齢より若々しいことは、シニア婚において大きなポイントとなる。

 

男性の5つの「嫌われポイント」

婚活中の人や、婚活アドバイザーの方などにお話をうかがった結果を総合すると、お見合いでも婚活パーティやイベントでも、嫌われる男性のタイプは共通している。

 

(1)自慢話をする

男性でいちばん嫌われるのは、自慢話をする人だ。学歴やかつての肩書きをひけらかすように話し、女性が適当にあいづちを打っていると、どんどん自慢がとまらなくなる。

なかには上から目線で、女性に対して横柄な人もいる。そんな人には女性がへきえきしてしまう。

自分の話ばかりするのではなく、相手の話を聞く姿勢が大事だが、かといって「得意料理は?」「家事は好きか?」など、面接官のように女性を質問ぜめにする男性も嫌われる

 

(2)前の配偶者の話題が多い

死別の場合、前の配偶者の思い出ばなしが多いと、たとえそれがいい話であっても、相手が鼻じらむ場合がある。

とくに女性は、男性から前妻の話をされると、「この人はまだ前の奥さんを忘れていないんだ。もし一緒になっても前の奥さんと比較されるにちがいない」と感じがちだ。

離婚経験者の場合は、前の配偶者の悪口を言う男性はまちがいなく嫌われる。というのも男性の場合、離婚の原因は自分にあっても、そのことに気づいていない人が多いからだ。

前妻の悪口を言うと、女性は「あぁ、こういう人だから離婚されたんだ」と思ってしまう。

前の結婚を話題にしていいのは、交際がはじまり、おたがいの価値観がある程度見えてから。過去ではなく、未来を見つめる姿勢がなにより大切だ。

 

(3)お金にこまかい

経済観念がしっかりしていることと、お金にこまかくてケチなことはちがう。

最近の若い人は、デートは割り勘があたりまえという人が増えているが、シニアの世代は必ずしもそうではない。

1円の単位まで割り勘にするような男性は、女性から幻滅されることが多い。

デートで1円単位まで割り勘にする男性は敬遠される。(写真:iStock.com/ThitareeSarmkasat)

 

(4)先を急ぎすぎる

一般的にシニアの場合、男性の気持ちが高まるスピードと女性のスピードではズレがある。

男性は、「先がかぎられているからここでゲットしなくては」と、ついあせってしまう人も少なくない。でもあまり男性が前のめりだと、女性はかえってひいてしまう。

リタイアしている男性の場合、ヒマを持てあましているので、一日に何回も電話をしたりメールを送ったりする人もいる。

仕事をしている女性の場合はとくに、相手の立場や状況を想像できない男性は願い下げだろう。

性的な関係をすぐせまる男性も、苦手な女性が多い。

ただこればかりは個人差もあるし、男女のことなので、一概には言えない。女性も「この人は」と思ったら、すぐにそういう関係になりたい人もいるかもしれない。

 

(5)下ネタを言う

下品な言動や下ネタは厳禁。打ちとけようと、ちょっとした軽口のつもりで下ネタを口にする男性もいるようだが、女性はほぼまちがいなく嫌悪感をいだく

 

飲食店選びがその後の展開を左右する

「大人の結婚相談所」をうたうエムズブライダルの代表取締役CEO宮﨑央至(ひろし)さんによると、デートでどのような店を選択するのかという点も重要だという。

「せっかくホテルのラウンジで待ち合わせしても、その後ファミレスに連れていかれたので幻滅したとか、1回目のデートが居酒屋だったのにはがっかりした、という女性の声をよく聞きます。

女性としては、相手の男性をケチだと思うだけではなく、『この人は自分の価値をこの程度にしか考えていないんだ』と感じてプライドが傷つくのでしょう

もしかしたら男性の側は、気取らずざっくばらんに話したいという理由で居酒屋に誘ったのかもしれない。しかし女性は、そうは受け取らない。

くだけたお店に行くのは、何回かデートを重ね、お互いの気心が知れてからにしたほうがよさそうだ。

「かなり以前の話ですが、これとはまったく逆のケースで、お見合いの際、男性は銀座の高級寿司店の久兵衛に女性を連れていき、すぐ結婚が決まったケースがありました。

男性のほうは、プロフィール情報を見て、『この人』と思っていたのでしょう」

高級寿司店でのお見合いで結婚が決まったケースも。(写真:iStock.com/CHUNYIP WONG)

相手を探すのではなく、探してもらう気持ちが大事

掃除洗濯など身のまわりのことは自分でできる男性や、家事は協力して2人でやろうというスタンスの人もモテ度が高い

そのため最近は料理教室と提携し、料理をしながら婚活をするパーティなども開催されている。

中高年向きの結婚相談をおこなっている、太陽の会の本部会長斎藤尚正さんは、男性に対して「結婚相手を探すのではなく、探してもらうつもりで来てください」とアドバイスしている。

「女性はどちらかというと、若いころから『探される』ことに長けている。でも男はちがいます。

とくにシニア世代の男性で、亭主関白で生きてきた人は、『俺はこれでいいんだ』とおっしゃる

『このままの俺でいいと言ってくれる人がいい』などと言って、身だしなみもあまり気をつかわなかったり。

『それでは絶対に相手はみつかりませんよ』とお話しさせてもらっています」

 

男性も女性も、長い時間、自分なりの生き方をしてきたので、習慣や価値観をそう簡単には変えられないだろう。

でも、何歳になっても自分を変えられる柔軟性は、モテポイントとしてかなり大きい。

 

女性の場合、相手に求める条件をゆるめることも、婚活を成功させるコツだ。

収入や職業などの条件がせまければ、当然、出会いのチャンスが減ってくる。こだわりが強すぎると、なかなか相手と出会えないまま時間だけがすぎていく。

年齢が高くなれば、今度は相手から選んでもらいにくくなる。

 

長く生きてきた分、いい思い出、つらい思い出も含めて、それぞれ過去をせおっている。相手のバックグラウンドに対してデリカシーをもって接することができ、人生経験をつんできた人間ならではの包容力や相手に対する想像力がある人は、男女かかわらずモテるようだ。

篠藤ゆり『ルポ シニア婚活』

暦を過ぎて子どもがほしくなり31歳スリランカ人と成婚した61歳男性。ピースボートの船上で72歳男性にプロポーズされた80歳女性。人生の酸いも甘いも噛み分けた世代の婚活には、複雑多岐なしがらみがあり、ゆえに結婚の暁には極上の喜びに変わる。本書では多くのインタビューから見えてきたシニア婚活の実態と成婚への道筋を紹介。恋愛感情は必要か? 子どもをどう納得させる? 「後妻業」への防衛策は? 幸せな老後、幸せな最期を求める人々の愛の記録。

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ルポ シニア婚活

2019年9月26日発売の幻冬舎新書『ルポ シニア婚活』(篠藤ゆり・著)について、最新情報をお知らせします。

還暦を過ぎて子どもがほしくなり31歳スリランカ人と成婚した61歳男性。

ピースボートの船上で72歳男性にプロポーズされた80歳女性。

65歳以上の独居人口は620万人を超え、伴侶を求めるシニアも増加の一途。

だが人生の酸いも甘いも噛み分けた世代の婚活には、複雑多岐なしがらみがあり、

ゆえに結婚の暁には極上の喜びに変わる。

 

本書では多くのインタビューから見えてきたシニア婚活の実態と成婚への道筋を紹介。

恋愛感情は必要か? 子どもをどう納得させる?「後妻業」への防衛策は?

幸せな老後、幸せな最期を求める人々の愛の記録。

 

●毎晩のLINEで愛を育んだ70代&60代カップル

●相続から性生活まで、具体的希望をすりあわせ

●「貯金を相手の家族のために使われるのが怖い」63歳男性

●国際結婚に期待を寄せる女性不信の外科医

●「子どもがほしい」裕福なシニア男性たち

●パートナーがいる幸福感はほかでは埋められない

●シニア婚活が招いた親子の亀裂

●どちらかが逝った後まで想定しておく

●お墓をどうするか ……など

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篠藤ゆり ライター

福岡県生まれ。国際基督教大学教養学部で美術史を学び、卒業後コピーライターとして広告代理店に勤務。退社後、世界各地を旅する生活をへて、1991年「ガンジーの空」で海燕新人文学賞受賞。「婦人公論」のグラビアなど女性誌を中心に人物インタビューを多数手がける。著書に最新刊『ルポ シニア婚活』のほか、『旅する胃袋』(幻冬舎文庫)、『食卓の迷宮』『音よ、自由の使者よ。―イムジン河への前奏曲』、また聞き手として携わった『岡本太郎  岡本敏子が語るはじめての太郎伝記』(いずれもアートン新社)がある。

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