スタイリスト・山本あきこさんの新刊『これまでの服が似合わなくなったら。~「40歳、おしゃれの壁」を乗り越える!~』は、「いつもの服がなんだかしっくりこない…」と悩む方必読! 1万人以上の女性を変身させてきたスタイリスト・山本さんによる、大人女性の魅力を底上げするファッション術が満載の1冊です。今回は山本さんが主宰するファッションカレッジの生徒さんの、おしゃれで人生が変わった感動のエピソードをお送りします。
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体型にコンプレックスがある方の中には、大きめサイズのお店に行くのは抵抗があるし、試着すること自体も怖いという人がいらっしゃいます。Iさんもそうでした。忙しい仕事のストレスがたまり、生理も止まってしまい、体重が70キロを超えてしまったというIさん。仕事が広告関係ということもあり、おしゃれに自信を持てない自分に、劣等感を抱いていたそうです。優しい性格なので、みんなが断る仕事も断れず残業が重なり、新婚さんなのに家でゆっくり過ごす時間もなかなかとれない状況でした。
「何を着ていいのかわからない」と言う彼女に私は、「本当に着たいものを着てみよう。何が着たい?」と聞きました。彼女は、ボーダーや柄物を着てみたいと言いました。でも、自分はそんな服を着ちゃいけないと思っている、とも。
私は、なんとしてもIさんにファッションを楽しんでほしいと思い、第2章でお話ししたようなファッションバランスのコツをお伝えし、彼女が着たいと言った服を全部楽しんでもらうことにしました。ZARAやGAP、GUなどはサイズも豊富なので、サイズを気にすることなく、気に入った服を手に入れることができます。彼女がオフショルダーの服を着て、その綺麗な鎖骨と背中を出したときの顔、ドキドキすると言いながらヒールの靴を履いたときの顔は、今でも忘れられません。
「自分の好きなものを着てもいい」と気づいた彼女は、その後、どんどんファッションを楽しんでくれるようになりました。自撮りの宿題では、誰よりも弾けたポーズをとってチャーミングな笑顔をアップしてくれました。スクールの中でもみんなに愛されるキャラでした。
彼女はそれまで「人に好かれなきゃいけない。そのためにも自分は人一倍頑張らないといけない」と思っていたそう。劣等感が彼女にそう思わせていたのでしょう。
でも、ファッションに自信を持ち、一緒にファッションを楽しめる友人を得て、見た目だけではなく彼女自身がどんどん変わっていきました。自分の意見をはっきり言えるようになり、彼女にばかりまわってきていた残業もちゃんと断れるようになったのです。今は仕事も変え、夫婦でご飯を食べる時間もとれるようになったそうです。
先日会ったときも、可愛らしいプリーツスカートに身を包んでいました。「ずっとあのままの自分だったらと思うと、ぞっとします。好きな服を着られるようになって、いろんなトラウマや思い込みから自由になりました」と、大きな笑顔で伝えてくれました。久しぶりに会った彼女は、さらに魅力を増していました。
これまでの服が似合わなくなったら
「いつもの服がなんだかしっくりこない…」と思ったら、"自分本位なおしゃれ"へ進むチャンスです!
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