2016年の秋から冬にかけて、私は運転免許獲得にのみ専念していたように思われるかもしれないが、そうではない。大学に行ったり病院に行ったりという日常の仕事はそれなりに続け、さらに別のことも始めていた。
それは、運転免許よりさらにハードルの高い「運動」であった。
私がいかに運動が苦手か、という話はし出すとキリがない。小学校の頃の成績表で、保健体育は良いときで5段階の3、ときには2を取ったこともあった。「3なら“ふつう”ってことでしょ」と言われるだろうが、保健のテストはだいたい100点なのだ。それで3あるいは2ということは、体育の実技だけだと確実に1の評価だったと思われる。中学では「1をつけたいところだが、1がひとつでもあると内申書で普通科高校には行けなくなるかもしれない」と担任に言われたこともある。
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おとなの手習い
60歳という人生の節目を前に、「これからの人生、どうする?」という問いに直面した香山リカさん。そこで選んだのは、「このまま穏やかな人生を」でなく、「まだまだ、新しいことができる!」という生き方。香山さんの新たなチャレンジ、楽しき悪戦苦闘の日々を綴ります。
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