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料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。

2021.04.17 公開 ポスト

食い意地が生きる力を取り戻す【再掲】阿古真理(作家。生活史研究家。)

阿古真理さんの連載「料理ができない!うつ病が教えてくれた家事の意味」が1冊の本になりました。題して『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』です。

作家、そして生活史研究家として精力的に活動している阿古さん。しかし、30代半ばにうつ病を発症しています。それまでは料理を特に苦もなく行っていたにも関わらず、まったくできなくなる事態に。料理は家事の中でも特にクリエイティブな作業。できなくなってはじめて、食材をそろえたり調理の段取りを整えたり、食材の使い回しを考えたりといったことが、とても高度な技能を要する点に気づいたといいます。
うつ闘病を通して、「食とは何か」「家庭料理とは何か」を発見していった阿古さんの体験的ノンフィクション。ぜひ試し読みください。

*   *   *

自慢ではないが、私は食いしん坊である。子どもの頃は、食べることが何よりの楽しみだったし、本やアニメ番組は、いつまでも食べるシーンばかり覚えている。

よく知られているアニメの場面と言えば、『アルプスの少女ハイジ』の、おじいさんが火に当ててとろけさせるチーズのかかったパン、ペーターのおばあさんにハイジが食べさせたがった白パン。『はじめ人間ギャートルズ』に、しょっちゅう出てくるマンモスの肉などがある。昭和の子どもで、これらが好きだった人はたくさんいる。でも私の記憶に残る食べものの場面は、ほかにもたくさんある。

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関連書籍

阿古真理『料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。』

36歳、うつ発症。 料理ができなくなった 食文化のジャーナリストが 発見した22のこと。 家庭料理とは何か。 食べるとは何かを見つめた 実体験ノンフィクション。

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料理に対する「ねばならない」を捨てたら、うつの自分を受け入れられた。

うつ病になったら、料理がまったく出来なくなってしまったー。食をテーマに執筆活動を続ける著者が、闘病生活を経て感じた「料理」の大変さと特異性、そして「料理」によって心が救われていく過程を描いた実体験ノンフィクション。

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阿古真理 作家。生活史研究家。

1968年兵庫県生まれ。神戸女学院大学文学部総合文化学科(社会学)を卒業後、広告制作会社を経てフリーに。1999年より東京に拠点を移し、食や生活史、女性の生き方などをテーマに執筆。著書に『昭和育ちのおいしい記憶』『うちのご飯の60年 祖母・母・娘の食卓』『昭和の洋食 平成のカフェ飯 家庭料理の80年』『「和食」って何?』『小林カツ代と栗原はるみ 料理研究家とその時代』『料理は女の義務ですか』『なぜ日本のフランスパンは世界一になったのか パンと日本人の150年』『パクチーとアジア飯』『母と娘はなぜ対立するのか 女性をとりまく家族と社会』など。

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