米議会下院が着手した弾劾訴追調査の渦中にあるトランプ大統領にとって、弾劾騒動は千載一遇のチャンスなのかもしれない。これを奇貨として政敵潰しに邁進しているからだ。2020年大統領選で現在、民主党の先頭を走っているバイデン前副大統領の目は消えるかもしれない。
トランプ大統領の罷免はまずない
バイデン氏は、オバマ政権の副大統領だった2016年当時、息子のハンター氏が役員を務めていたウクライナ最大のガス会社「ブリスマ」が検察の捜査対象になっていたため、息子を守るため職権を乱用して検事総長を解任させようとした――。トランプ大統領は、こう信じて止まない。
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トランプ時代の地政学
「世界の警察官を辞める」だけでは収まらず、いまや世界秩序の攪乱要因になりつつあるトランプ大統領のアメリカ。海外取材経験の豊富なジャーナリストであり、国際政治研究も続ける著者がトランプ大統領・アメリカの本音を読み解き、日本とのかかわりを考察する。