明日から1ヶ月の夏休みに入るというのに予定が決まっていない。そんなとき、私ならまあなんて贅沢な、と家でゆっくりすることにする。日々の忙しさを忘れて本を読んだり映画を見まくったり、ちょっと手のこんだ料理に挑戦したりといたって平凡な過ごし方をするだろう。
でもそれは一人で暮らしていたころの話。
夫と結婚して一年目、予定の決まっていない夏休みが始まりそうなとある午後、私たちは明日飛ぶという航空券を予約した。行き先はミュンヘン、ドイツで、しかも片道航空券のみである。現地で車を買ってフィンランドまで乗って帰る計画だった。
無謀だね、と笑いながらちょっとわくわくもした。
ドイツまで車を買いに行く理由(言い訳)あれこれ
夫はその年、車を買おうとしていた。運転をしない私は、せっかく交通の便のよいところに住んでいるんだから別にいらないんじゃないの、と冷めたスタンスだった。こういう車がよくて、といろいろネット上のページを見せられプレゼンされても興味が持てず、車体の色にだけ口出しをすることにした。白と黒は洗車が大変だって言うから中間色でね、青系もいいね。
そうこうしているうちに、なぜだかドイツまで車を買いに行くことになった。 この小国フィンランドには車が売っていないのか! とふざけて毒づいたけれど、夫が言うにはドイツで買う方が同じ値段でもスペックがいいものが買えるのだそうだ。
ここから先は会員限定のコンテンツです
- 無料!
- 今すぐ会員登録して続きを読む
- 会員の方はログインして続きをお楽しみください ログイン
フィンランドで暮らしてみた
気づけばフィンランド人と結婚して、ヘルシンキに暮らしてた! しかも子どもまで産んだ!
日本人の大好きな「かわいい北欧」。でも、その実態は?
暮らしてみて初めてわかった、フィンランドのちゃっかり賢く、ざっくり楽しい、意外な一面。
ゆるゆるまったり、マイペースにご紹介。
- バックナンバー
-
- 住めば都かフィンランド
- 外から見たらここが面白いよ、ジャパン
- フィンランドの「サ道」はゆるゆるがいい
- とにかく終わってほしかったハロウィン
- フィンランドの「牛離れ」問題
- きのこのためならえんやこら
- 人を信用しているからズッキーニもすくすく...
- 治安がいい国は「無人販売」がいいね
- マンネリ化するフィンランドの三大メニュー
- 行列や予約に無縁な「立ち寄り」博物館と美...
- フィンランドの推し活事情
- 推しがヘルシンキに帰ってきたらオタクはど...
- 短い夏をとことん長く楽しむフィンランド人
- 「明るいけれど夜」子供にそれは難しい
- フィンランドで泳ぐ、歩く、そしてまた泳ぐ
- フィンランドの野ウサギはカンガルーに似て...
- イースターに続出する「持続不可能なおもち...
- 爽やかな物乞いたちとチョコおばさん
- 幸福に「見える」国は実は幸福に「興味なし...
- あんまり盛り上がらない「女性の日」
- もっと見る