前回に続き、性交痛の話である。
官能小説に限らず、小説、映画の中で、同意のもとのセックスシーンで、「痛いんじゃ!」という場面を見た記憶はほとんどない。同意のもと、つまり男女が愛し合っている、お互いにしたいと思っているはずの場面では、痛みなど不要でしかないからだ。
しかし、やはり私と同世代、もしくは上の年齢の女性が、「いつも濡れ濡れで、太ももを滴り、ベッドのシーツはびしょびしょ」には違和感があった。普段から定期的にやっている女性ならともかく、数年ぶりにする場合も、みんなこんなにスムーズに行くのだろうか。
みんな濡れてない
ある小説を読んだ際に、「これだよ! これ!」と、膝を叩きたくなった。女優の岸恵子さんの『わりなき恋』(幻冬舎)だ。ヒロインは六十九歳で、更年期はとっくに終わっているのだが、五十八歳の男と、いざセックスという場面の描写が、ものすごくリアリティがあったのは、「痛み」が描かれてあったからだ。
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ヘイケイ日記~女たちのカウントダウン
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「生理が終わったって、女が終わるわけじゃなし」。
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