人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年上半期 12星座別あなたの運勢』(12月16日発売)より、12星座別・ご縁の傾向と対策をお伝えいたします。
人間関係の試練を、きらめきに変えていく
かに座のあなたへ。2019年はさぞかし忙しくお過ごしになったことでしょう。仕事や家事、そしてありとあらゆる日課。やることが山積みの毎日のなか、それでも人任せにはしたりせず、ご自分が多くを担うかたちでお力を尽くして来られた方はとても多いだろうと思います。
おそらく2017年末頃から、対人関係もなかなかのプレッシャーを伴う状態が続いていたはずです。これはあなたの周りをワイワイと取り囲む仲間というよりも、仕事上で深い関わりを持つパートナー企業や「相棒」と呼べるような存在、そして恋人や配偶者など、一対一で向き合う関係性の人々です。彼らとのパートナーシップを通して「人間関係の難しさ」を、嫌というほど味わいつつも乗り越えていらっしゃったのではないでしょうか。頑張って来られましたね。
2019年12月から、そうしたパートナーシップの試練に少し変化が訪れます。これまで自分を抑えて、言いたいこともグッと飲み込むようにしてやってきた状況が変わり、華やかに広がりが出てくるのです。仕事であれば、ガチで意見を交わせるようなパートナーができたり、既存メンバーとの結びつきが強まっていったりします。クライアントとの関係も、これまでの努力や積み重ねが確かな信頼となり、強く手を取り合うようにして協力関係が築かれていくはずです。
恋愛であれば、思いが通じたり結婚に至ったりする人はとても多くなりそう。婚活を頑張っている方は「この人に出会うために、今までひとりでいたんだろうな」と思えるような方との出会いが期待できるでしょう。
一方で、仕事であれば前々からそりが合わなかった仲間が離反していったり、プライベートであれば離婚を選んだりする人も少なからず、いらっしゃるのだろうと思います。
ここで「どうして『協力と離反』『結婚と離婚』など、正反対のことが同じ時期に起こる可能性があるのか?」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。これは、2020年のかに座の人のパートナーシップを、木星が明るく照らすことに紐づいています。木星は「拡大と幸運の星」と呼ばれ、巡った星座を明るく照らしては、その人がより自分らしく生きられるように未来を広げてくれます。頑張れば頑張っただけ、しっかり結果を出してくれるのですね。
ここで重要なのが、2020年におけるパートナーシップが「ただ楽しいばかりの関係ではない」ということ。人とつながりを持つということは素敵なことです。人は本質的に個であり、どんなに仲良くなっても、相手を愛し理解しようとしても、一体となることはできません。物理的に無理なだけでなく、心の中など誰にもわからないのです。そんなことはみんなわかっていて、それでも私たちは誰かのために、「もっとわかりたい」「関係性を強めたい」と願い、熱心にはたらきかけます。「ひとり」より「ふたり」のほうが良いと思うから。
ただ、関係性が近ければ近いほどがゆえに見えてしまう欠点もあれば、しがらみや制約が生まれることもあります。たとえば、結婚すればお互いに責任を持ち、自由は制限されます。一緒に生活していこうと思えば、相容れないこともどちらかが折れるなりお互いに妥協するなりして、うまくやっていく必要があります。ときにやりたくないことも受け入れて、良い関係を築き上げていく。そういった覚悟を持って目の前の大切な人と向き合うことが、未来を広げてくれるのです。それが2020年、結婚や関係の強化にいたる人の運勢です。
一方、お互いにエネルギーを削ぎ合うような関係になってしまっていたり、問題と向き合うことを避けていたりする場合は、そうしたマイナスの意味合いも「拡大」されます。結果として関係性に終止符が打たれたり、別のパートナーシップを模索し始めたりすることになるのです。また、あなたがいくら努力なさっても、パートナーシップで本心から求めるものとはズレたものを求めた場合は、自然とご縁は離れていくでしょう。この場合は、あなたの努力が足りないとか、魅力がないといったこととは無関係です。ただ「ベストな相手」を再考する必要がある、ということです。
これが、結婚も離婚もあり得ると申し上げたからくりです。
まとめるならば、仕事でもパートナーシップでも、対人関係の嫌なことにどれほどコミットできるか、そのご縁が真に自分のためになるのかというところが2020年、かに座の人が幸運を得るための大きなテーマとなります。婚活中の方の場合は、まずは早めに自分の設定を再確認すること。いつまでに結婚したいとか、この人でなければ嫌といった思いは、今年の場合はあまり大切ではありません。そんなふうに、自分を苦しいほうに追い詰めなくても大丈夫ですよ。「自分が本心から幸せを分かち合えるパートナーと出会って、幸せに暮らす」というシンプルな願いに、立ち返っていかれてください。
あまり考えたくないことではありますが、離れていくご縁についても触れておきますね。2020年、もしも離れていくご縁があったとしたら、追わないのがベストです。その人はあなたをあなたらしく生かしてくれる相手とは、言い難いのです。追いすがることをせずに別れを選ぶのは、あなたにとって真の幸せを共有していける人と出会うための準備段階。たとえ終わったとしても、そこにはちゃんと「始まり」が含まれています。だから目を上げて前を見るんだと、星は導いてくれているのですね。
共感・共有を絆に変えていく、しっとりと重みを含んだ春
3月後半、ここまで述べてきたような対人関係を巡るムードは、グラデーション状に明るいものへと変化していきます。対人関係についての気持ちも試練よりは希望に、制限よりは拡大に、暗いところにずっといた人ならば明るいほうへと、心がまっすぐ向かっていきます。2019年12月頃からここにいたるまでの時期と比較すると、気持ち的にはかなり動きやすくなってきたと感じられるはずです。試練があったからこそ身につけられたもの、考えられるようになったこと、それらがあなたの仕事や恋を、力強く後押ししてくれます。
その一方で、対人関係における別の面がクローズアップされてくることにもなっています。それが、共感をつながりとした関係性。すでに述べた通り、2017年末から人と「真剣に向き合う」ことを課題としてきたかに座の人々ですが、この3月後半にそのテーマを終え、次の課題に取り掛かることになります。
新しいテーマは、ごく限られた濃い関係性の人と「心を重ね合わせたり、影響したりされたりしながら成長を目指す」というもの。向き合ってやりとりをするのではなく、共感や共有として理解し合う。金銭や絆、性的な関わりなどを通して簡単には離れられない関係性を築いていくんですね。
このテーマが巡ってくるとき、「思い立ったらすぐ行動」タイプのおひつじ座や、自由奔放に生きることが信条のいて座は非常に窮屈さを感じます。彼らとて心を重ね合わせることの大切さはわかっています、それでも人間関係の深さというものを「自分を縛りつける面倒なもの」と思ってしまうのですね。
その点、かに座の人はこれはと思った人には思い切り心を開き、深く深く愛を注ぐ人です。相手のことをまるで我がことのように考え、ともに悩みともに喜び、いつも気にかけている優しい人です。ですから、共感や共有を介して人と関わっていくのはお得意なことでもあるでしょう。大きな問題はないだろうと思うのですが、ひとつ懸念点があるとすれば「関わりすぎる」「ハマりすぎる」こと。家族や周囲の人を気にかける優しさが、重荷と受け取られてはもったいないことです。人間関係を重視しすぎてがんじがらめになってしまっては、泥沼にはまったように身動きが取れなくなってしまいます。大切な人のことを真剣に考え、助けたり助けられたりしながら、自分にちょうどいい関わり方を学んでいく。そんなふうに意識していけると素敵です。家族や恋人、親しい友人たちとのしっとりとした程よい縁の重みを感じながら、この時期を過ごしていかれてはいかがでしょうか。
過去のつらい経験から他者と深く関わることを無意識に避けていたような人は、ここで「踏み込まなければならない」状況になるのかもしれません。または誰かから大きな影響を受けたり、気持ちを寄せられたりして「踏み込まれる」こともあるでしょう。怖くても大丈夫。信頼できる人を選びさえすれば、この時期はあなたがあなたらしさを取り戻していかれるよう、星々が頼もしいエールを送ってくれるはずです。
この傾向は3月後半に始まり、7月の頭に終わります。ただ12月末あたりにより強いかたちで再開されますので、この3ヶ月あまりは「練習」と考えて気楽にやってみてもいいかもしれません。
自分の殻を破った〝その先〟が見えてくる
上半期が終わる直前、6月28日から仕事運が力強く刺激されてきます。これはもう完全に下半期が始まるときに書けばいいネタのような気もいたしますが、傾向が見えていることで前もって心の準備ができるような部分もあるでしょう。
あなたは2011年から2019年春までに、キャリアを構築したり、社会的な役割を果たしたりするために大変にお力を尽くして来られました。自分の価値観を大きく塗り替えるようなハプニングもあったことでしょうし、思わず立ちすくんでしまうようなトラブルもあったでしょう。そうした、ショックを伴う日々のなかで作り上げた「自分」が、この6月28日から来年1月7日の間、あかあかと燃える火のようにエネルギッシュに活躍していくことになります。
2011年から2019年春までの期間というのは、記憶の端に蘇らせるだけでも胸がぎゅっと痛むような出来事も多かったはず。ときには強い人間不信に陥ったことも、一度や二度ではないのでしょう。でも、そこで自分にとってベストな状況にしようともがいたからこそ、あなたは自分が本当の意味で自由に生きられる働き方を、キャリアを手に入れられたのだろうと思います。
おそらくですが、6月28日以降の半年間で「あのときの苦労も、ショックも乗り越えられて本当に良かった」と自分を肯定できるようになる人は、かなり多いだろうと私は見ています。もしも上半期、仕事やキャリアにおいて「このままでいいのかな」と迷うことがあれば、ぜひご自分を力づけてあげてください。自分はすでに、仕事を通して自由に生きられるだけの力を身につけているんだ。ベストな道を、絶対に選べるんだ。そして下半期には、それをしっかりと実感できるのだから、迷ったりしなくていいんだよ、と。
対人関係について穏やかならぬものを感じ、少し怖くなってしまった人もおられるかもしれません。もちろんそんなつもりで書いたわけではないのですが、恐れる気持ちが強くなってしまったようであれば心からお詫び申し上げます。ただ、占いは振り回されるものではなく「使う」ものです。「そうか、今はこういう時期なんだな。だったらこうしよう」と考えたり、タイミングを把握して自分を勇気づけたりしてこそ、健康的に生かしていけると私は考えています。誰よりも人を大切にする頑張りやさんのあなたが、周囲の大切な人たちとすばらしい人間関係を築いていけるよう、心から願っています。
<恋愛運>
本当の意味で幸せになれるパートナーシップを学び、選び、作り上げていく
2019年12月から、パートナーシップに強いスポットライトが当たり始めたかに座の人々。この光は2020年12月19日までずっとかに座を照らし続けますから、焦らずじっくりと自分と大切な人の幸せを追い求めていきましょう。大事なことなので2回申し上げますが、焦らずじっくりと、です。ここ次の試験で出ますからね、というのは冗談ですが、星の動きは常に一定ではありません。運にイレギュラーな影響をもたらす「逆行」という現象を見せることもありますし、ほかの星々との兼ね合いでパワーアップしたり、逆にパワーダウンしたりすることもあります。
好調期と言われるときほど、意に沿わないことがあると「好調期って聞いてたのにどういうこと? 自分だけが不幸なの!?」と不安になる人は一般的にとても多いですし当然の心理でもありますが、波があるだけなんですよね。それでも、不安まみれになってネガティブな材料探しばかりするようになってしまうと、運はつかみにくくなってしまいます。たとえ、その〝ネガティブな材料探し〟が安心を手に入れたいがための確認作業であっても、チャンスに気づく余力を失ってしまうからです。
もともと幸不幸というものは、長期的な視点で見ないと、「ほんとう」に気づけない部分もあります。宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』、お読みになったことがある方は多いかと思います。そのなかで、ジョバンニが出会う灯台守がこう言います。
「なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでもそれがただしいみちを進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしずつですから」
パートナーシップに光が当たる1年。上半期を眺めてみると、2月中旬から3月いっぱいは非常に情熱的です。「本気」がいたるところで試されます。一方、5月中旬からは、相手よりもむしろ自分を見て、現状を見直す動きが出てきます。そうした強弱があるなかで、いかに運命に振り回されることなくパートナーシップを強めていくかがカギとなるのですね。
そのためには、相手におもねるような関係性は控えたほうが良いのです。ひとりの自立した人間として、まっすぐに対峙していく。踏み込みすぎず甘えすぎず、お互いがお互いの足で立つ。そして人間はどこまでいっても個と個であるという孤独をも乗り越えてなお、パートナーシップに希望を持ち続ける。こうした姿勢でいてこそ、自分の人生を生きることにつながるでしょう。決して簡単でも、甘やかなことばかりでもありません。それでも「この人」と思い合える人かどうかといったことが、この時期ははっきりしてくるでしょう。
胸に浮かんだ違和感は、決してスルーしないこと
初夏から秋にかけては、愛やパートナーシップについての疑問が次々と胸に浮かぶ人は多いことでしょう。どんな些細なことでも、どんなにブラックな思考でも、一度心に浮かんだならば決して見過ごさないことが大事です。あなたは優しい人ですが、「好きならこんなことを思うのは間違っている」「愛しているなら耐えられるはず」などと思わなくても大丈夫です。どんな感情もあなたの大切な一部であり、丸ごと向き合ってくれる人こそが、あなたのパートナーになるべき人なのですね。パートナーシップはふたりで作るものです。もし、あなたの大切な一部を損なうような関係性の場合は、自然と決着がつくようなことも、今年はあるのかもしれません。ただ、それは決して不幸ではないのです。悲しみや苦しみが伴わないわけではないのでしょう。ただ、あなたが本当に幸せになるための、途中経過であるからです。『銀河鉄道の夜』には、こんな言葉も出てきます。
「ただいちばんのさいわいに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです」
私たちは、幸せになるために生きています。生まれ持ったカードは変えようがないものも多いのですが、パートナーシップというカードは選び取ることができます。カードのように人を捨てたり選んだりせよと申し上げるつもりはまったくありません。人生をゲームの勝ち負けになぞらえる意図もありません。ただ、ジョーカーをわざわざ引いて持ち続ける必要はないのではないかと、そんなふうに人生を使わなくてもいいのではないかと、私は思うのです。選べないカードは最大限に利用するすべを身につけ、選べるカードはベストな1枚を選び、人生に臨もうではありませんか。そのほうがきっと、楽しいですから。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの恋愛運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
<仕事運>
人と接し、交流することで自分を大きく広げていける
かに座の人の2020年は、人との関わりが濃く強く、複雑になっていく年。仕事でもその影響は強く、人から学び、与えられたり与えたりし、かけられた期待に応えていく人が非常に多いでしょう。振り返ってみれば2017年の末頃から「人に頼るのは良くない。ひとりで頑張らないと」と、どこか自分を抑え込むような気持ちが強まっていた人も少なくないだろうと思うのです。頑張っていらっしゃいましたね。
もちろん、あなた自身も、人と関わることの大切さはわかっていたはずです。ひとりでは実現できないものがあることも、セッションすることですばらしい化学反応が起きることも、十分承知しておられたことでしょう。それでもひとりを選んだり、ひとりでやらざるを得ない状況になったりして初めて、たくさんの学びを得たのではないでしょうか。
その経験を経た今、あなたは「ひとりの価値」も「誰かと関わることの価値」も、バランスよく使いこなせるようになっているはずです。
孤独に耐え己を律する能力と、コミュニケーションをはかりながら協調する能力。これらがあなたのなかにそなわっていることは、おそらく春くらいから訪れる複数のチャンスが証明してくれるはず。これらのチャンスは決して、偶然あなたのもとに訪れかかってくるわけではありません。あなたの評判が水面下でジワジワと広がっていくことにより、自然とあなたのところへ届くことになったものです。「あなたを見込んでお願いしたい」「この仕事、合うんじゃないかな」などとオファーをもらうことになっていますので、その際はぜひトライを。ちょっとハードルが高いかなと思われることであっても、トライすることに意味があります。きっと、想像もつかないような未来が、あなたを待ち受けているだろうと思うのです。
忙しくなる前の〝準備〟をしておこう
完全に下半期の話題になってしまうので恐縮なのですが、6月末から2021年初頭にかけて、仕事運にガツッと熱い追い風が吹くことになっています。ここまでは実務に関するチャンス、というお話だったのですが、6月末以降に巡ってくるのは実務に加え、キャリアアップにつながるチャンスがたくさんちりばめられています。とても忙しくなるはずですが、得られるものは多いはず。叶えていきたいキャリアのスタイルがあるなら、ぜひここでお力を尽くしていくといいでしょう。今いる場所にこだわらず、思い切って転身をはかるのも良いご判断になるはずです。
そのためにも、上半期はぜひ自分が求めるキャリアのスタイルについて考ええておきたいところ。やりたいこと、叶えたい夢。いい時期が来ていきなりドン! と考えるよりも、じっくりと深めておいたほうが迷わずに済むのはあなたも想像がつくことでしょう。目の前のことはもちろん、ちょっと先も考える上半期になさってくださいね。
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