人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年上半期 12星座別あなたの運勢』(12月16日発売)より、12星座別・ご縁の傾向と対策をお伝えいたします。
矢のごとき光陰を、いかに生き抜くか。それはきっといつか通った道
2019年はいかがでしたか。星回りを拝見していると、しし座の人はみなさんそれぞれに、とても楽しい時間を過ごしていらっしゃったのだろうなあと想像が及びます。ここ数年間、ある程度まとまったお金を投入して頑張ってきたことやフットワーク軽く動き回ってはインプットしてきた知識、原点に返ってあらためて始めたことなどが出揃った年でした。少年漫画で言えば20XX年、天変地異により壊滅的なダメージを受けた地球。実は地球外生命体により人為的に引き起こされた人類滅亡計画であったが、地下にいたわずかな人類は混乱のなか復興を目指す。しかし地球外生命体と人類のキメラが徘徊し、人々は次第に疲弊していった。そんななか、魔力が宿る剣を使いこなす少年たちがひとりふたりと集結し、最強チームを――とだんだん何の文章なのかわからなくなってきましたが、これまでに集めたさまざまな魔力の剣、もとい能力を武器として「自分にしかできないこと」をしていくのが2019年だったのです。
2019年12月から、しし座の人の運勢は次のフェーズに入ります。ここから先は、少し堅実なムードが強まってくるでしょう。ストレートに申し上げるならば、やるべきことがエベレスト級に山積みで地味に忙しい状態です。ルーチンワークに家事、人によっては育児、さらには他人と良好な関係を築き、人間らしい生活をするためのすべての雑事。こうしたもので慌ただしく、気づけば「この間お正月だと思ったらえっ何もう年末なの」といった感じになりやすいのです。1月は行く、2月は逃げる、3月以降は全部去る。なんということでしょう。そうしたむなしさを避けるためにも、近視眼的に日々を見つめるだけでなく、メタな視点で自分が今、どんな状態にあるのかを眺めていかれると実りある日々にしやすいのかなと思います。
ビジネス書にしょっちゅう出てくる、大聖堂のたとえを借りて説明しましょう。舞台は建設中の大聖堂、あなたはれんが職人です。日がなれんがを積み続ける日々で、ただ「れんがを積む」ということだけを見ていると日々は味気なく、仕事は「作業」になってしまいます。でも「大聖堂を作る」という視点を持ちさえすれば、れんがを積むひとつひとつの作業にも特別な意味がこめられるのですね。
2020年、あなたはこれまで培ってきたものを求める誰かの要求に応えようと、地道な作業をコツコツと進めていくことになります。おそらく、要求はかなり高めであり、自分で思っている実力と実際の能力にズレがある場合は、精神的にしんどい思いをすることにもなるでしょう。ただ、確実にこなしていかれることで、相手を喜ばせるだけでなく自分もまた、生きるために必要な筋肉をつけていかれるのだろうと思います。
おそらくですが、こうした地道な努力を、あなたは今初めて考えるわけではないはずです。2017年末あたりから、「向き合わざるを得ない問題」として、プレッシャーとともに感じておられたのではないでしょうか。自分のやりたいことはAである、でも華やかでもなんでもないBをやらなければならない。役職ならではの義務として逃げられない。こうした独特の圧迫感はずっと感じておられたはずです。ただ、2020年については、もう少し広がりのある未来として感じられてくるでしょう。これまでの経験を活かして効率のいいれんがの積み方を考えたり、皆のモチベーションを上げるすべを考えたり。置かれた場所で今、どうベストを尽くすかが問われるのが2020年なのですね。
こうした、地道なれんが積みにも意義ややりがいを見出していけるのは、おそらくは3月の後半からです。ここから状況が明るくなり、動きやすくなってくる人は多いはずです。その分、周囲から期待されるものも増えていきますので、ぜひしっかりとパワーを使って、結果を出していきましょう。どんな大聖堂だって、れんが職人が仕事をさぼってしまえば、何百年経っても完成を見ないのですから。
他人と関わることの難しさを知る、春から夏
ここまで述べてきたように、2020年は個人のこと、プライベートに目が向かうことが多いでしょう。その一方で、春以降は新しい動きが出てきます。対人関係で、若干「試練」と感じるようなことが増える暗示なのですね。考えてみれば人の悩みなどというものは9割方対人関係に由来するわけで、それを指して試練というのもいささか乱暴な話なのですが、これまでうまくいっていた人との関係が急にこじれたり、新たな出会いは問題だらけだったり、といったことが起こりやすいのです。
と言っても、あなたの資質に問題があるわけではありません。そういう星回りなだけであり、「自分が悪いのでは」とネガティブな方向に妄想を広げるくらいなら「星のせいなら仕方ない。できる限りのことをして、あとはなるようになれ」と思っていたほうがよっぽど幸運につながります。
もしもこの上半期のあなたに原因を求めるとすれば、2つ考えられます。まずは「ひとりでやったほうが早いし楽」と、相手との関係性を拒否するような発想がベースに潜んでいること。もうひとつは、星です。占星術の観点から考えると、今は時代が大きく動いている渦中です。過去20年くらいの間良しとされてきたことが、急激に通用しなくなりつつあります。
たとえば人を判断する際、これまではその人の地位や資産に重きが置かれる時代でした。しかし2020年年末以降は、その人が持つ知性やコミュニケーション能力などにスポットライトがあたります。これを理解しないままコミュニケーションをとってしまえば、それは打ち解けにくいものとなるでしょう。
2020年年末などまだまだ先と思われる方も多いと思いますが(実際、まだまだ先ですし)この3月〜5月というのは、2020年年末以降に起こることの〝お試し〟のようなことが起こる時期なのです。少し運を先取りするつもりで、周囲の人を見ながら、新たな関わり方を模索していかれてはいかがでしょうか。
幸いにも、6月末から7月頭あたりを境にして、閉塞感は一旦、消えていきます。ずっと緊張しっぱなしということはありませんから、大丈夫です。
過去の自分が渡してくれたバトンを、未来の自分につないでいく
2020年のしし座の人にとってもうひとつ大きな動きは、6月28日から2021年初頭にかけて行われる少し長い知的冒険です。ここでは「大きな挑戦」あるいは「深い探求」を、自分のためにしていくことが容易になります。たとえば、大きな挑戦であれば、自分が今いる狭い世界にとらわれない、広い世界での活躍。海外に活躍の場を広げたり、自分が作ったものが海外でも親しまれるようになったりと、グローバル展開の一端を担っていく人は多いことでしょう。
「深い探求」ということでいえば、個人的に興味を持ったテーマをどこまでも深く掘り下げる人が多くなります。研究や探求といったことに没頭する人もいれば、学びの場を求めて社会人大学院に進んだりする人もいます。ここでの勉強は、すぐに収益を上げるとか、役に立つといったことを基準に選ぶと大して面白くありませんし、その学び以上のことは生まれません。もちろんすぐに役立つノウハウ的な学びにも優れた部分はたくさんあり、学ぶ価値は計りしれないと思うのですが、それを学ぶのはまた別の機会。今ではないのですよね。
哲学や芸術などのリベラルアーツを、自分のために探求し身につけていくこと。答えのない人生の問題をどう定義するのかを、手探りで思考していくこと。はたまた、今は役に立つかどうかはわからないけれど、どうしても掘り下げてみたいと思ったこと。そんな、自分のための勉強がプラスになります。
こうした、探求や学びの「種」を探せるのが上半期です。仕事をし、家族や友人と過ごし、自分や他人の幸不幸に接してどう考えるのか。「よくある話だよね」「まあ、今をやり過ごせば」と軽くスルーしても、生きることに何ら支障はないのでしょう。ただ、そうしたことを繰り返していては、いつしか心はすり減っていきます。日常で見つけた小さな違和感、考え過ぎかもしれないけれど気になること、そうしたことから、どうぞ目をそらさずにいらしてください。
このテーマに関しては、ほぼ下半期の出来事になるのでここで取り上げるかどうかは迷いもありました。ただ、運というものはいきなり「ハイ今日から仕事運アップです!」などと言われても、できることは限られてしまいます。人生は全部ひとつながり。これまで勤務時間の大半をソリティアに賭けてきたような人が、ただ運がいい時期に突入したからといっていきなり仕事で大活躍できるわけではないのですよね。普段から真剣に仕事に向かい、実力をためてきた人こそが運を生かしてポテンシャルを発揮することができるのです。だから、この時期に運が良くなるんだとおさえておいて、それに向かってコツコツやるべきことを積み上げていくことはとても大切です。
占い師としては「ここで一発逆転! 何をしても大成功」などという文章とともに札束風呂(このネタがわからない人はお父さんかお母さんに聞いてみよう)の写真などを入れるような占いができたらすごいだろうなという気持ちもあったりなかったりするのですが、魔法のように変わることに期待するのは、やや危険な発想です。たとえあったとしても、実力がなければ一瞬の夢で終わってしまい、本当の幸福にはつながりにくいのですよね。あなたもわかっておいでだと思います。そういう夢は、寝ているときに見れば十分でしょう。
上半期、地道な努力を続けるあなたの脳裏には、いろいろなことが浮かぶはずです。今よりもっと大きくしたいこと、チャレンジしたいことがあったなら、手帳の隅に書き留めておくなり、スマホのメモに記録しておくなりするといいでしょう。6月28日を境に、あなたの視界はこれまで以上に広がっていくことがわかっています。かつてよりずっと、手足が動かしやすくなっていることに気づく人も多いはずです。
実は、それは決して「たまたま」ではありません。2011年から2019年くらいの間に、あなたは脳みそを振り絞るようにしてすごく考えてきたんじゃないでしょうか。仕事のこと、人生のこと、恋愛のこと。人生という答えのない問題から逃げずに頑張って視野を広げてきた、コツコツ学んでは自分が自由に生きられるように頑張ってきた、あなたの努力がここで報われていくからです。私がガチで今書いているのは、あなたがときに大きなショックを受けるようなことに直面しても、その力をコツコツと培って獲得していらしたからです。
「努力が報われる」という言葉を聞くとき、私たちは自分以外の誰かが評価してくれたり、褒めてくれたりすることを想像します。でも、自分もちゃんと報いることができるんですよね。頑張ったあの日の自分に「よくやったね」「頑張ってくれてありがとうね」と言えるように、自分を生かしてやりましょう。そのおつもりで、上半期を過ごしていかれてください。あなたのことです、きっとすばらしい日々にされていくだろうと、確信しています。
<恋愛運>
「愛の1年」のあとに来るもの
2019年はしし座の人にとって、恋愛に強い追い風が吹く年にあたっていました。ドラマでいえばシーズン19くらいまでは続きそうな、ドラマティックな日々を過ごされた方は少なくないだろうと思います。嗅がせてくれよ恋の香り! ってすみません、つい興奮してしまいましたが、いろいろある恋愛運のうちでも「自分から行動を起こす恋」の年でした。まさにしし座の生きる姿勢とリンクする、生き生きとした時期だったわけですね。
2019年12月からは空気感が変わっています。すうっと穏やかな雰囲気になって、言ってみれば「熱狂が落ち着いた」状態になるのでしょう。年間を通してあまりキャッキャウフフ状態にはなりにくいのですが、決して何もないつまらない1年というわけではありません。3月頃から顕著になるかと思いますが、大切な人との「これから」を確実なものにするために、コツコツと関係づくりをしていくことになるのです。
それは、決して華やかなものではありません。ただ、とても確かなものです。たとえば恋愛ドラマにおいて、ストーリーとして取り上げられるエピソードはほんの一部にすぎません。ただ、もし本物の人生であったなら、取り上げられない日常のほうが、何倍も何十倍も、いえ何百倍も多いのですよね。そして、そうした〝つまらない〟日々こそが人をつくり、関係性を確かなものにしていくわけです。
たとえば、呼ばれたら笑顔で応えること。おいしいごはんを一緒に食べること。おふとんをふかふかにしておくこと。きれいなハンカチを用意しておくこと。そうした生活を通して、パートナーの気持ちに、丁寧に応えていくことが、今年の愛の育み方です。
新しい出会いは、身近なところに
多忙であることも手伝って、若干恋愛スイッチが入りにくい時期です。「それどころではない」という状況になる人も多そうなのですが、まるでスカばかりというわけではありません。時期をおさえつつ、ときめくお気持ちはいつも胸のなかに持っていましょうね。
今は恋を探している途中という人であれば、出会いのチャンスは身近なところにありそう。仕事や日常生活で「気づけばいつも隣にいた」という人がいるならこの先の展開もあるかもしれません。もしあなたのほうからアプローチを仕掛ける場合でも「気づけばいつも隣にいた」パターンを狙っていけると確度が高まりそうです。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの恋愛運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
<仕事運>
日々の「やるべきこと」に、夢中で取り組むということ
星占いで「仕事運」を見るとき、ざっくり大別すると「日々のルーチンワークなど目の前の仕事」と「キャリアにおいて重要なカギとなる仕事」のふたつに分かれます。前者は自分に求められた役目や人からの指示に的確に応えていくことで実力を養うタイプの働き方。後者は自らチャンスをつかみに行き、高いハードルに向かって全力を尽くすことで社会の役に立つタイプの働き方です。
2020年のしし座に求められているのは、前者。感覚としては、ただただ目の前の仕事に追い立てられるように日々が過ぎていき「この間お正月だと思ったら……えっもう大晦日……!?」なんて状態になりやすいのですが、決してそんなつまらない1年ではありません。実力と信用を築いていく、静かで熱い日々と表現するのがよく似合うように思います。
振り返ってみれば、自分に求められているものは何か、ただの指示待ちマンではなくより期待に応えていくにはどうしたらいいのかというのは、今になって初めて考えるものではないはずです。おそらくは2017年の年末あたりから、投げられたボールをどう打ち返すべきか、じっくり向き合ってきた人は多いのではないでしょうか。派手なキャリアを選ぼうと思えば選べるところを、敢えて丁寧に、自分の仕事やポジションをチューニングしてきた人は多いだろうと思うのです。これまでは自分を抑制するような傾向が強かったかもしれませんが、ここからは自由に、自分らしくやっていけます。そして、周囲からの信用と実力を身につけていく。これが、2020年にしし座の人が仕事を通して手に入れる、何よりの財産です。2020年の終わり頃から、その成果を確かな手応えとして感じていけることでしょう。
停滞感が強まる人は多いでしょう。「こんなことをして何の価値があるんだろう」と感じてしまうこともあるはずです。そんなときは、敢えて地道さを選ぶことがもっとも運気の波に乗る行動であるということを思い出せると素敵です。そして、「こんなこと」と思ったときほど「求められた範囲で、自分ならどんな付加価値をつけられる?」と、少し考えてみると良いでしょう。
もちろん、親子丼を頼まれたからといって「私ならこれができます!!最高に頑張りました!」とカツ丼を出すのはズレた努力。もちろん牛丼でもダメです。親子丼と言われたらあくまで親子丼を出さなければいけません。それでも、鶏肉を食べ良いサイズに切ったり、卵を2回に分け入れてとろとろに仕上げたりと、できることはいくらでもあります。最高の笑顔で「すごくおいしいですよ!」と出すのだっていいでしょう。もちろんこれはたとえにすぎませんが、「親子丼を作るなら最高のやつを作ろう」と思うことが、今年のあなたを充実させていくはずです。
ひとりであること、ひとりで考えること
おそらく3月後半くらいから、ひとりで考える時間が増えるだろうと思います。今までは誰かに相談していたことを、ひとりでどうにかする状況になる人も多そうです。あなたは自立心に富んだ人ですから、複数であろうとひとりであろうと特に頓着はしないと思いますが、もし対人関係で緊張や警戒の気持ちが強くなったとしても、それは悪い予兆というわけではないので大丈夫です。人の目を気にしてイライラするなどストレスは多少あるかと思いますが、そういう時期です。あまり無理をして「人とは仲良くしなければ!!」と思えば余計にイライラが募るので、ひとりになりたいならなっても大丈夫です。
コピーライターの糸井重里さんは「Only is not Lonely. ひとりであるということは、孤独を意味しない。ひとりを怖れない者どうしが、助けたり助けられたりしながら、生き生きとした日々が送れるなら、それがいちばんいいと思う」と書いておられます。しし座のあなたが、助けたり助けられたり……に至るのは2020年末あたり。それまでの間、「ひとりであること」を大切にしてみてはいかがでしょうか。
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真木あかりの恋愛占い
人気占い師・真木あかりさんによる恋愛占い。カップルの人・シングルの人・障害のある恋に悩んでいる人と、3つの状況別に、毎月の恋愛運を占います。(毎月最終日に更新します)
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