人気占い師、真木あかりさんの新刊 『2020年上半期 12星座別あなたの運勢』(12月16日発売)より、12星座別・ご縁の傾向と対策をお伝えいたします。
ずっと探していた「ホーム」と呼べる場所
2019年、てんびん座のあなたはいかがお過ごしでしたか。星回りを拝見すると、すごく興味をそそられるものを見つけてアクティブに動き回っていらした方はとても多いのではないかと想像しています。「わくわく」から「どきどき」、「!?」まで、たくさんの感性のきらめきが脳や心を刺激していたのでしょう。新しいことを学ばれて、テストや暗記、受験に追われていた学生の頃とは違う知的創造の日々を満喫していた方も多そうです。
振り返ってみれば2017年末頃から、てんびん座の人々はどことなく心細いお気持ちを抱えておいでだったと思います。ここにいていいのだろうか。自分の足元は揺らいではいないだろうか。これまで自分が立っていた穏やかで確かな場所、いってみれば「ホーム」と呼べるようなものが、ぐらりと〝揺らぐ〟ような感覚を覚えやすい時期が巡ってきていたのです。といっても当然ながら、これはてんびん座の人が弱いとか、頑張っていないとかいった意味ではありません。絶えず「自分」を更新し続けた結果、世界を理解する解像度がぐっと上がり、これまでは盤石だと思っていたものにもところどころ弱い部分があることに気づいたのでしょう。思えば私たちの足元にある地面だって、とても確かなものであるように見えながら、沼地もあれば砂地もあります。
そんな日々のなか、2019年の学びというのはとても刺激的で希望に満ちており、また賑やかなものであっただろうと思うのです。
2020年は、ここまで2年あまりのあいだ悩み迷い、探し続けた「自分にとってのホームと呼べる場所」の答えを見つけられる1年です。文字通り、「家」という人は多いでしょう。賃貸でも分譲でも何でもいいのですが、「やっぱりウチが最高だな」と思える家や部屋を探して手に入れたり、今住んでいる場所をより快適にしていけたりします。家庭を持つことに強い関心を寄せ、結婚して家族を持つ人もいるのでしょう。それに伴い、引っ越しや物件購入に至るというわけですが、「ホーム」は決して場所に限定されるわけではありません。たとえば「家族と過ごす時間」「恋人とのひととき」という人もいるはずです。心が拠って立つ場所、外で何があってもここに戻ってくれば自分は大丈夫なのだ。そう思える場所や関係性が、クローズアップされます。
なかには「職場」という人もいるでしょう。自分の会社をさして「ウチの場合は〜」なんていう人はよくいますが、安心して力を尽くせる職場があるというのは、どれほど心強いことでしょうか。とても心を預けられる場所ではないと判断したならば、勇気を出して転職をすることで理想の未来を手に入れていかれるでしょう。
人によっては、カフェやバーなどの「サードプレイス的な場所」である人もいるでしょうね。会社でもない、家でもない。ファミリア・ストレンジャーに囲まれて過ごす豊かさってあります。今のあなたの心が求めるならば、それが〝本当〟なのです。
心が行き着く場所は人によって違います。「大事にすべき」「普通はここ」といった先入観に惑わされることなく、丁寧に「ここが自分の居場所なのだ、どこへ行っても最後には帰ってくるホームなのだ」と、確信することができる場を見つけたり作ったりすることが大事なのです。
もちろん、ホームを探す旅はここで終わり! というわけではありません。人生が続く限り求める場所も居心地がいいと思えるものも更新されていくでしょう。それでも、2020年の今はこう思うのだと、確信が持てるのです。
ホームを巡る冒険は年間を通じててんびん座の人の大きなテーマなのですが、おそらく3月の終わり頃がひとつの転換期です。もう一生ほどけないんじゃないかと思うくらいもつれた糸と格闘していたのが嘘のように、するするとほどけて美しい1本の糸になっていきます。いったい何がどうしたんだろうと驚きを隠せない人もいるかもしれませんが、まったく問題はありません。おそらくですが、もつれた糸に向き合っていた時間もきっと、あなたに大事なものを与えていてくれたはずです。自分が拠って立つ場所から逃げずに向き合ったとか、家族との確執を解消すべく立ち上がったとか。「アンパンマン」で知られるやなせかしさんは、著作のなかでこんな言葉を述べています。
「『悲喜こもごも』という言葉がありますが、まずは悲しみが先にやってくる。
人間が生きていることを感じるのは、悲しいときの方が多いんですね」
(やなせたかし『ちいさなてのひらでも』)
悲しくて苦しくて、どうしていいのかわからなくてひとりぼっちで過ごした日もあるのでしょう。よるべない孤独に、ただ立ち尽くすしかなかった夜もあるのでしょう。けれど、そうした経験をしたからこそわかるものもあります。何が〝本当〟なのか、気づけることもあるのです。自分が拠って立つ場所、魂を預けることができるような関係性。そうしたものを手に入れることを、どうぞ諦めないでいらしてください。なぜならその先に、2021年のテーマがあるからです。2020年に得た「ホーム」をベースに、あなたがかけがえのない自分を表現していかれる、世界に向かって自分の歌を歌うような時間がやってくることになっています。だからこそ、「自分が2本の足で立つ、拠って立つ『ホーム』はここなのだ」と、思うことを諦めないほうが良いのだろうと思うのです。
これはいらないアドバイスかもしれませんが、もしも2020年にしんどくなってしまうようなことがあったなら、ひとりになるといいです。誰にも邪魔をされずに自分のペースで過ごせる場所にこもって、ひたすらゴロゴロしたり、考えたり、泣きたかったら泣いたり、するといいです。「本当はこうしたいのに」と思ったことは、どうぞ覚えていらしてください。とても大事なヒントになります。
この世の中にたったひとりの「自分」を、ゆっくりと磨き上げるとき
3月後半から、あなたは「自分がすることの価値」をこつこつと磨き上げていくことになります。たとえば、自分にしか作れないものをどこまでも突き詰めていくような自己表現型アクティビティってありますよね。文章を書いたり、絵を描いたりするほか、楽器を弾いたり歌を歌ったりすることも自己表現です。クリエイティブワークに就いている人であれば仕事がまさに自己表現ですし、人を愛することもそう。「私はあなたを愛しています」と伝えることは、純粋な自分の心の開示です。
表現する楽しさを求めながら、ここからはどこか自分を抑えるような、敢えて厳しく表現の質を自分に問うような心持ちになるのが特徴です。ただ楽しくて路上ライブで歌を歌っていた人が、「もっといい歌を歌いたいから」と敢えて人前に出ることをやめて研鑽を積むような、そんな時期にあたっているのですね。ガンガン前に進んでいくことだけを楽しいことととらえるならば、少しつまらないと思われるかもしれません。ただ、時間をかけたその先にあるものというのは、「ただ楽しいだけ」の行動からは生まれ得ないほど複雑であり、価値があります。
あなたは2020年も終わりが見えて来る頃から1年間、自分が好きなアクティビティを通して自分そのものを表現していける、すばらしいチャンスを得ることになっています。自分の歌を歌っていけます。今までになかったようなやり方で、人を愛することができるようになる人もいるでしょう。だから、3月末からしばらく、迷子になっても大丈夫です。迷うこともまた必要なステップですし、そこで考えることから逃げずにいられた人こそが、報われることになっています。
ちょっとうるさいことを申し上げるならば、「自分探し」とは思わなくて大丈夫だろうと思います。あなたは、あなたのなかにちゃんといます。どこか知らない場所に隠れているわけでもないですし、探しに行く必要もありません。わからなくなったら、ちゃんと自分を見る。心に「おーい」と呼びかける。そうしたことが、2020年は求められているように思います。
対人関係の、優しく熱い〝特別な関わり〟
花々が世界を鮮やかに彩る春先から、太陽が街のあちこちに濃い陰影を作る真夏まで「愛とは何だろう」「真に幸せになれるパートナーシップを作るにはどうしたらいいのだろう」と考える機会が増えてきそうです。古来誰もが考えてきたテーマです、いささか食傷気味な人もおられるかもしれません。ただ、ネットで検索してパッと出てくるような安易な定義では、満足できないのがこの時期です。自分なりの答えを「見つける」ということが、この時期にあなたを豊かにしてくれます。
『星の王子さま』で知られるサン=テグジュペリは、『人間の土地』という作品のなかで「愛とは、お互いを見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめること」と書きました。エーリッヒ・フロムは『愛するということ』の冒頭で「愛は技術」と述べています。こうした古今東西の名著は、トンネルの中を行くあなたに、目の前を照らすあたたかな光を与えてくれるでしょう。わかりやすい情報よりも、深く考えさせる本をぜひ、ご自分のために見つけてみてはいかがでしょうか。
また、これはほぼ下半期のことになるのですが、6月末からのことなのでここに書いておきましょう。運勢というのは「この時期からモテ期です。はいドーン」という状態では、それなりにしか使うことができません。いくらきゅうりとハムとマヨネーズが手元にあっても、じゃがいもを買い忘れたらポテトサラダは作れません。「この日はポテトサラダか! じゃあ、じゃがいもを買っておこう」といった準備が、必要なのですよね。だから敢えて上半期に書きます。
6月28日、「特別な誰かとの関係性」に強いスポットライトがあたり始めます。ここから半年くらいのあいだ、あなたは誰かの心に徹底的にコミットしていくことになるでしょうし、また接する人がいつになく熱いかかわりを求めてくる人も多くなります。仕事であれば「相棒」と呼べるような人や、単なる利害関係のつながりではなく「パートナー」と呼べるような取引先でしょう。恋愛でいえば、それこそパートナーや好きな人です。
ときに自分を抑えながらも、お互いのために真に向き合ってベストを尽くす人は多いでしょうし、恋人同士であれば結婚へと話が進んでいく可能性も出てくるでしょう。この場合、春先から考えている「愛とは何だろう」を追求する知的冒険の旅が、確かな栄養となって良い関係づくりに役立ってくることでしょう。きっと素敵な体験になるはずです。誰かが考えた愛やパートナーシップの定義を自分のものとするのではなく、徹底的に思考を掘り下げていく。そうすることで2020年のきらめきが、いくつも増えていくはずです。
<恋愛運>
安心できる関係性を、ともに作り上げていくこと
「結婚を前提としたお付き合い」という言い回しがあります。ということは結婚を前提としないお付き合いも世の中にはたくさんあり、敢えてそう示すことで自分の誠意を示したり、相手も同じ気持ちでいるかを確認したりするのでしょう。どちらの恋も恋であり、どちらがいいわけでも優れているわけでもなく、相手との気持ちのズレがないことが一番なのだろうと思います。で、てんびん座の人々が2020年に求める愛は、安心できる関係性をともに作り上げていくこと、の愛なのです。結婚を前提とした信頼を持ち合える愛、あたたかな家庭、仕事でどんなに疲れていても帰宅すればホッと癒される場所。そうしたものを、望むようになります。
こうした愛を求めるようになるのは2019年12月頃から。3月になるとその思いはより純度が高くなり、まっすぐに結婚を目指す人も多そうです。これは2020年12月まで、アップダウンは多少ありつつもずっと続いていく傾向なので焦らなくても大丈夫。ゆっくりやっていきましょう。今はそうした関係性になれそうな人がいない、出会える気がしないという人も大丈夫です。これを上半期占いで申し上げるのは反則かもしれませんが、下半期の半年はてんびん座のあなたにとって紛れもない「熱い出会いの季節」。出会いに向けて積極的なアクションをとっていけますし、お互いに手をとりあってパートナーシップを確かめていける人と出会いたいというあなたのお気持ちに応えるに十分な人とのご縁が得やすいでしょう。今がどうあれそういうことになっていますから、しっかりと幸せになるつもりでいらしてください。それが一番、大事なことです。
テストがあるとわかっていて勉強しなければ大変なことになります。まあ人生はときおりそういう「やればいいと理解してはいるけどできない」ということをしがちであり、私も往々にしてそうした愚かさを噛み締めてまいりましたが(数学の最低点は13点。さらに用紙の裏に「数学なんて嫌いだよ」と書いて提出したら呼び出しを食らったという剛の者です)、出会いであれば楽しみに準備できるという方も多いのではないでしょうか。幸せになることが前提ならば、あなたは何をしますか。思い浮かんだことはぜひ、実行なさってください。
その愛は、自分が本当に求めるものか?
これは全員にあてはまることではないだろうと思うのですが、3月後半以降、なぜか困難な状況を伴う愛に強く引き寄せられてしまう人もいらっしゃるかもしれません。「やめておきなよ」と友達にいわれたり、自分でもどうかしていると思ったり、でもその魅力に惹き付けられずにはいられないような人と、出会うのかもしれません。
ここまで「安心できる関係性」「家族」「あたたかな家庭」といったことに関心が向かうと書いてきたのに、真逆じゃないかと思われる方も多いでしょうか。この時期は「ただ楽しいだけでいい」という、刹那的な愛情は心がセーブするのですが、人はときどき、自分を強く抑え込むと反動というかたちで正反対の行動に出てしまうことがあります。ダイエットしなくちゃと思っているのにおやつをモリモリ食べてしまう、テスト勉強をしなくちゃと思っているのに部屋の大掃除に取り掛かってしまう、などといったことはときどきありますよね。
また、「安心できる関係性」を強く望みすぎるがゆえに、それが手に入らないことの恐怖もまた強く感じ、望まないパターンに関心を寄せることもあります。「手に入れていないから失いもしない、だからショックも受けない」という感じでしょうか。本当は誰よりも恋がしたいのに「恋愛めんどくせえ、興味ないし」と言ってしまうような感じです。
2023年春頃までは、困難な関係性に知らず知らずのうちに引き寄せられてしまうようなところがあります。熱くアプローチされて思わずふらふらと行ってしまうようなこともあるでしょうし、ドラマのような情熱に酔うこともあるでしょう。ただ、おそらくですが「抗えない運命に翻弄される」というよりは「星の影響を困難なかたちで受けている」というケースが多いはずです。渦中にいては難しいかもしれませんが、それが自分の望む幸せなのかという視点は常に持っておく必要はあるでしょう。どんな恋も、あなたが選ぶならばそれが〝本当〟であることには間違いないのです。ただ、本来的には、誠実な愛を持ち合える関係性のほうがうまくいく、人生の宝物にしていける時期ではあります。このことは常に、忘れないでいてくださいね。人生は選択の積み重ねです。運命の渦に巻き込まれてもみくちゃになる前に、あなたはいつでも自分の行く末を選択できるのです。
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電子書籍版『12星座別 2020年あなたの運勢』では、月ごとの恋愛運や今がつらいという人のためのアドバイスを詳しく解説しています。お役に立てていただけますと幸いです。
<仕事運>
自分が自分らしく生きていく、そのための選択を
上半期は自分の得意分野をガンガン広げ、迷いのうちにやりたいことを見出していく時期。大きな功績を上げたり、チームを大きくしたりといった行動よりは、自分の能力を磨きながら周りの人といかに良い関係性を築いていくか、働く場所を快適なものに整えていくかがカギとなります。特に、働く環境はとことんこだわりたいところ。理不尽な思いをさせられたり、この環境では幸せとは思えないとわかっていたりするのなら、下半期あるいは来年の転職を目指して動いてみると良いでしょう。私は思うんですけれども、人から部屋から「毒」のようなものが溜まって染み付いているような会社って、少なくありません。たとえそういう場所であっても、てんびん座の人はなんとか「自分だけは頑張ってみよう」「自分がきっかけでバランスが良くなるかもしれない」という思いで頑張ることができるんですよね。ただ、社風や職場環境って個人の努力ではどうにもならないことがほとんどです。指一本でメンバーを総入れ替えでもできる権限を持っているのなら話は別ですが、毒は毒。たいがい、中毒を起こして弱っていくことになります。
てんびん座の人は確かにバランスをとるのが上手です。天秤がどちらか一方だけではその存在価値をあらわさないように、相手がいてお互いに均衡をとっていくことで、心のバランスをとり生きがいややりがいのようなものも感じていきます。ただ、「こういう態度をとられるということは、自分が悪いのだろうか」「嫌われたくない……」と思い始めてしまうと、毒の側のいいようにされてしまいます。
おそらくですが、てんびん座の人は長くそうした毒と闘い続けてきたはずです。もちろんいつもいつもそうだったというわけではなく、楽しいことも嬉しいこともたくさんあったはず。それでも耐え難い毒ならば、今年は自分が本当に輝ける職場を見つけていこうではありませんか。きっと良い話も巡ってくるだろうと思います。
「すぐそば」を大切にしながら、「すごく遠く」にも目を向ける
2020年は、同僚や先輩・後輩といったすぐそばの仲間とうまくやっていく方法を模索するときです。「自分がやりたいこと」については無意識のうちに「今は熟成させておこう」という気持ちが強く働き、心のなかにしまったままにしておく人が多いでしょう。かといって、あなたの想像力、何かを表現したいという気持ちにフタをしっ放しにしておくようなつまらない時期でもありません。4月から8月にかけて、想像の翼を大きく広げ、知的好奇心の赴くままに世界を冒険することになっているのです。
実際に、海外など遠い場所へ出かけて珍しいものを見たり、手にしたりする人は多いでしょう。遠出はしなくとも、心のなかでどこまでも深く興味を掘り下げていく人もいるはずです。たとえば本を読んだり、勉強や研究をしたり、といったことはとても今年らしいアクションです。こうして心の探求を行うことはまさに、ひとつの旅であり、「世界を愛する」ということでもあるのですね。
すぐそばを大切にしながら、目をこらしても見えないほどの遠くも見つめていく。そうした視線の配り方をしてこそ、2020年をより良く生きていけるでしょう。
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