新刊『落語DE古事記』より、神様の話を抜き出して紹介しているこのコーナー。
本日はクリスマス。みなさんの幸せを願い、縁結びの神様をご紹介しましょう!
前回に引き続き、今回もオオクニヌシノミコトが活躍するのですが、なかなか女好きの神様であります。
この神様が、縁結びの神様なんだそうで…。
* * *
「第十四話 女好きの神」より
縁結びに、安産に。皆さんの幸せをお祈りします!
オオクニヌシはスサノオの試練をクリアしてヤソガミを倒し、地上へ戻って国作りを始めます。
とその前に。
オオクニヌシはヤガミヒメ(第十話参照)と結婚してたわけですけど、覚えてますか? ……そこへスセリビメ(大大大大おばさんだけどね!)を連れて、地上へ帰ってきてしまったのです。
ヤガミヒメ「ちょっとあなた……この熟女は誰?」
オオクニヌシ「いやっ、そのっ、何ていうか……まぁその親しい友達っていうかね……な?」
スセリビメ「オオクニヌシの新妻よ。あたしたち、一目惚れしたの」
オオクニヌシ「はっきり言っちゃったよ!」
ヤガミヒメ「あなた……本当なの?」
オオクニヌシ「まぁその、でもオマエはオマエで大事だからさ、ね? 今までどおりさ……」
ヤガミヒメ「そんな……アタシというものがありながら……あなたがそんなに熟女好きだったなんて……! ……もういいわ」
そう言って、ヤガミヒメは、自分の子どもを木の俣へ挟んで、実家に帰ります(どゆこと!? 子どもがかわいそーん)。
この子を木俣神(キノマタノカミ)、もしくは御井神(ミイノカミ)と言います。この神がまつられている御井(みい)神社が、島根県、兵庫県、岐阜県などにあります。ご利益はズバリ、安産です。
しかし女を泣かすなんてニクい男……。オオクニヌシ! こいつはなかなかのワルイ男です(いよっ、神界の桂春団治(かつらはるだんじ)!)。ヤガミヒメを非情にフったオオクニヌシ(ヤガミヒメを狙ってたヤソガミの立場ナシ!)、今度は北陸にいた美女・沼河姫(ヌナカワヒメ)に恋をします(女の敵! ケダモノ!)。
互いに歌を交わし合い(ラブソング&アンサーソング)……結婚(またかよ!)。
まだまだオオクニヌシの女遊び(!?)は止まらない。
各地に女を作り(うらやまし……いやケダモノ!)、多くの子どもを生んでいく(ビッグダディいやゴッドダディ)。
そんなわけで、オオクニヌシには子どもが181柱いたといいます(シャケかよ!? ちなみに竹千代の岩手わんこそば記録は181杯)。恋多き女好きの神なので、縁結びの神様にもなってるわけです。
ちなみにボク、「桂竹千代」をインターネットで検索すると、予測検索ワードに「女好き」と出るんです(これホント)。
誰が検索してるんでしょうか。
~ここから先は本書でお楽しみください!桂竹千代著『落語DE古事記』~
* * *
安産祈願なら、島根県、兵庫県、岐阜県などにある御井(みい)神社がよさそうです。
そして、オオクニヌシノミコトは、女好きだから縁結びの神様でもあるとか。オオクニヌシノミコトさんは、本当にいろんなジャンルで活躍しているので、まとめていろいろ祈願しちゃいたくなります!
ということで、次回紹介するのは、なんと、温泉の神様!
落語DE古事記
神社に行けば、私たちは神様にありとあらゆることをお願いしますよね。商売繁盛に合格祈願に延命長寿に縁結びに厄除けに……。
でもちょっと待って。こんなに頼りにしてる「神様」のこと、ちゃんと知ってますか?
神様について書いてあるのが「古事記」です。歴史の教科書でも最初の方に出てくるので、「古事記」について聞いたことのない人はいないと思いますが、でも何が書かれているかまで説明できる人って、少ないんじゃないでしょうか。
そこで、大学院まで古代史を専攻していた落語家の桂竹千代さんに、「古事記」を楽しく解説していただくことにしました。
爆笑注意ですから、静かな場所では読まないようにしてくださいね!
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