11月末に発売になり、発売即重版となった『女は、髪と、生きていく』。本書はヘアライターとして20年近く活躍してきたNo.1ヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さんの最新刊になります。髪の本であるにも関わらず、「泣きました」「人生のスイッチが入りました」「美容師として全同業者とお客さんに読んで欲しい!」と発売直後から反響続々の本書。テレビや雑誌、新聞、ウェブで紹介され続けています。今回は自己肯定感を髪でぐわっと底上げした女性の、思わず号泣エピソードです。
女性にとってのラスボスは「自信」である
この20年、「髪を変えて起こった良いこと」を、たくさん聞いてきました。
恋方面では、結婚が決まったという話と、セックスレスが解消できたというご報告をたくさんもらいました。仕事で活躍できるようになった、一目置かれるようになった、若くなった、同窓会でびっくりされたという話は枚挙にいとまありません。
でも、結婚や出世、若造り以上に幸せなのは、「自分に自信が持てるようになること」だと、私は思っています。
自信──これこそ、現代の女性にとってのラスボスです。
日本人、とくに日本人女性の自己肯定感は、世界で最も低いといわれています。それほど、私たちにとって「自分を好きになること」や「自信を持つこと」は、切実かつ、難しい課題です。
でも、このラスボスを、髪なら倒すことができます。
なぜなら、髪は、あなた自身だから。髪を気に入ることは、自分を好きになること。髪は自信に直結します。
「どうせ私なんか…」と言わなくなった
前著『女の運命は髪で変わる』を出版したときの話です。ある仕事仲間の編集さんが、「友達の誕生日に、この本をプレゼントしたよ」と教えてくれました。
彼女のお友達は、高校時代から自分に自信が持てない人だったといいます。ここでは仮にSさんと呼ばせてください。
仕事がら、美容情報に詳しい彼女が「いい美容師さんを紹介するから、髪型を変えてみたら?」と言ってみても、「いや、私みたいな女がおしゃれな美容院に行くのは、場違いだから……」と断るような方だったとか。「どうせ私なんか……」という言葉が、口癖になってしまっていたそうです。
でも、『女の運命は髪で変わる』を読んだ次の日、Sさんは、「やっぱり、髪を切りたくなった。美容師さんを紹介してほしい」と彼女に連絡をしてくれました。
はたして、紹介された美容院に行ったSさんは、大変身をとげます。
それまで一度もカラーリングをしたことがなかった髪を少し明るくし、伸ばしっぱなしだった髪をボブにカットした彼女は、次の日、会社でありとあらゆる人から、その髪型を褒められたそうです。
Sさんが変わったのは、それからです。再び彼女に連絡があり、今度は「ネイルとまつ毛エクステのサロンも教えてほしい」とのこと。さらには新しい服を買い、ダイエットにも成功して、Sさんはどんどん綺麗に明るくなっていったそうです。
私が彼女からこの話を聞いたときは、ちょうどSさんが気になっていた男性に声をかけ、デートをする約束をした、という状況でした。
「自分を大切にする」ことを遠慮しないでください
私はSさんのことを直接は知りません。でも、Sさんがデートの約束をした日は、朝から自分のことのように、そわそわ落ち着きませんでした。
デート、うまくいきますように。彼が、Sさんのことを素敵だなって思ってくれますように。髪、褒めてもらえたらいいなあ。見ず知らずの人に対して変かもしれませんが、そんなことを考えて過ごしました。
ただ、そう思う一方で、「でも万が一、デートがうまくいかなかったとしても、彼女はきっともう、大丈夫」という予感もありました。彼女はもう二度と「どうせ、私なんか……」と言わないだろう、と。
なぜなら、髪を切り、ネイルやマツエクをし、好きな服を買ってデートに行くことを決めた彼女は、「自分を大切に扱う」ことを知ったはずだからです。
髪を褒められたことをきっかけに、彼女の心の中には、小さな自信が生まれたと思います。そして、もっと自分を素敵に装いたいという気持ちが芽生えたのでしょう。
その自信は伝播します。自分を美しく見せるチャレンジをくりかえすことで、小さな自信は、ほかの分野にも伝播し、だんだん大きくふくらんでいったはずです。
髪を褒められることは、あなた自身が褒められること
彼女に起こった小さな奇跡──。私は、これは、最初に褒められたのが「髪」だったからこそ生まれた好循環だったと思っています。
もし、Sさんが褒められたのが「髪」ではなく、有名デザイナーのブランドバッグだったら? その場合、どんなに絶賛されたとしても、褒められたのは、そのバッグです。
でも、髪を褒められるということは、自分自身が褒められることと同じです。
「髪、素敵だね」と言われることは、「あなたは素敵ですね」と言われることと同じなのです。
ここに、私は、髪の力を感じます。
髪を、(つまり、自分自身を)好きになれたから、自分に自信を持てるようになったのではないか。
だからこそ、彼女は自信を大きく育て、生まれ変わることができたのではないか。そう、思うのです。
自分を好きになれる髪型を見つけたい方は、ぜひ『女は、髪と、生きていく』をきっかけにして頂けたら嬉しいです。
女は、髪と、生きていく
NO.1ヘアライター・佐藤友美さんの最新刊『女は、髪と、生きていく』試し読み。
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