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トランプ時代の地政学

2020.01.09 公開 ポスト

イラン司令官の「標的殺害」で一線を越えたトランプ大統領杉本宏

殺害されたイラン革命防衛隊ソレイマニ司令官(Photo:Wikimedia Commons)

2020年の国際舞台は、トランプ政権による「標的殺害」(targeted killing)で幕が上がった。イランで英雄視されるソレイマニ革命防衛隊司令官が3日、隣国イラクの首都バグダットで米軍によって殺害された。イランが8日に断行した在イラク米軍基地へのミサイル報復攻撃に対し、トランプ大統領は、「米国人の死傷者はいなかった」として米軍による再攻撃は避ける意向を表明。緊張は沈静化の方向に向かったが、米イランの軍事衝突の火種が消えたわけではない。特定の個人を狙う標的殺害は、極めて限定的な攻撃と言われるが、今回の要人殺害は、どちらの指導者も望まない大規模な紛争へエスカレートする危険を浮き彫りにした。

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杉本宏『ターゲテッド・キリング』

「対テロ戦争」という果てしない戦争が世界を覆う中、標的殺害(ターゲテッド・キリング)という非公然攻撃を米国は展開している。一種の「闇討ち」は、効率的ではあるが、米国政府に様々な法的・倫理的なジレンマを突きつける。米首脳たちの内紛と懊悩を通じ、21世紀の正義と戦争の行方を追う。

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トランプ時代の地政学

「世界の警察官を辞める」だけでは収まらず、いまや世界秩序の攪乱要因になりつつあるトランプ大統領のアメリカ。海外取材経験の豊富なジャーナリストであり、国際政治研究も続ける著者がトランプ大統領・アメリカの本音を読み解き、日本とのかかわりを考察する。

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杉本宏

ジャーナリスト。慶應義塾大学大学院修士課程修了。マサチューセッツ工科大(MIT)政治学部博士課程単位取得退学。防衛大学校非常勤講師を経て、朝日新聞社入社。政治部、外報部などを経て、ロサンゼルス、アトランタ、ワシントンに赴任。記者としての取材活動のかたわら、国際政治研究も続ける。著書に『ターゲテッド・キリング――標的殺害とアメリカの苦悩』(現代書館)がある。

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