自律神経の名医、順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生の最新刊は『死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記」』。先生が提唱する「未来日記」は、「達成したいことを完了形で書く」日記でも計画表でもない、1日の価値を上げる、まったく新しいツールです。
本書より、「みなさんの人生が満足いくものになりますように」と、願う小林先生のメッセージをお届けします。
* * *
やるべきことがわかれば、過去に執着しなくなる
現代は、一人で生きていく人が増えています。私が開設している便秘外来を受診している方の中にも「ひとり身だから、大きな病気にかかったら面倒をみてくれる人がいなくて不安」という方が数多くいらっしゃいます。その不安がストレスとなり、便秘の症状を悪化させていることも少なくありません。
しかしそのいっぽうで、大家族ゆえにストレスを溜めている方もいます。「子どもが全然言うことをきかなくて。家のことも何もできないから、私が病気になると困るんです」
結局、隣の芝生は青く見えるのですよね。
だから、「どんな立場にあろうとも、自分が輝くために今何をするべきか」ということを真剣に考えることが大切ではないでしょうか。今、するべきことがわかれば、「もしも~だったら」と、過去に執着している余裕もなくなっていくでしょう。
それを探るためには、たとえば、「いつもの駅の一つ手前で降りて歩いてみる」「お気に入りの喫茶店を探してみる」など、日常にほんの少し変化を加えてみるといいかもしれません。
いつもの生活に、人から押しつけられる予定とは違う自分だけの時間を持つことで、自分の存在価値が高まり、時間に対する意識が変わります。
そうすると、その他の時間もダラダラ過ごすことが減り、自律神経が整うリズミカルな生活に変わっていきます。