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死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記」

2020.01.19 公開 ポスト

なぜ「未来日記」は健康にいいのか その11

人は必ず死ぬんだから楽しく生きよう小林弘幸

自律神経の名医、順天堂大学医学部教授・小林弘幸先生の最新刊は『死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記」』。先生が提唱する「未来日記」は、「達成したいことを完了形で書く」日記でも計画表でもない、1日の価値を上げる、まったく新しいツールです。
本書より、「みなさんの人生が満足いくものになりますように」と、願う小林先生のメッセージをお届けします。

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人は必ず死ぬんだから楽しく生きよう

「死ぬのがこわい」

これは誰もが抱く感情でしょう。
友人や家族が亡くなったり、自分の体が衰えてきたことを感じたりすると、漠然としていた「死」が、急に輪郭を帯びてわが身に迫ってくることがあります。

私自身も、日本人男性の平均寿命から推測すると、人生の残り時間は約22年。「そうか、22年たったらもうこの世にはいないのか」と、一抹の寂しさを覚えることがあります。

けれども、私は死を恐れて悲観的になることはありません。なぜなら、死なない人はいないからです。この本を読んでくださっている方も、100年後には誰もこの世にいないでしょう。大丈夫、みんな一緒です。

だったら、難しく考えず「毎日、死に向かって生きている」という現実を受け止めて、明るく生きたほうがいいと思いませんか。時間は限られているのですから、くよくよしている暇はありません。それは、自律神経のバランスを乱して、結果的に寿命を縮めてしまう、自分で自分の首をしめる行為です。

悲しみに暮れて過ごしても、笑って過ごしても、1日は1日です。「もっと早くタバコをやめておけば……」「あのとき人間ドックを受けていれば……」と、過ぎたことを悔やんでいてもどうにもなりません。今日という日を「1万円」にするためにも、気持ちを切り替えることが大切ではないでしょうか。


大切なのは、今、この瞬間

大切なのは、過去ではなくて「今、この瞬間」です。

これはきっと、誰もが頭では理解していることでしょう。けれども、心の底からそう思うのは一筋縄ではいきません。なぜなら、過去と現在はつながっているからです。

たとえば、子どものころにいじめられたり、信頼していた人に裏切られたりした辛い経験は、その後の人生にも大きく影響を与えます。今でも、自分を傷つけた相手が憎くて、幸せを感じられないことがあるかもしれません。
でも、解決する方法はあります。

それは、「過去のかわいそうな自分」にではなく「今の自分」に焦点を当てることです。
相手を恨んだり、過去の自分を憐れんだりしている間にも、時間はどんどん過ぎていきます。意外と人間は、このことを忘れがちです。恨んだり悩んだりしている間はその感情を抱くことに必死で、そこに時間が伴っているという事実が抜け落ちてしまうのです。

けれども、もし、過去の自分に時間を費やし続けたらどうなるでしょう。10年後の自分は、幸せでしょうか。
おそらく、10年後に一番後悔するのは、恨んだことではなく、そのことに費やしてしまった時間です。恨んだり悩んだりする時間は、翻弄された相手のために費やす時間です。これ以上、あなたの大事なもの、すなわち時間を相手に奪われてしまうのは非常にもったいないことです。しかもそれは、ストレスという形であなたの体に襲いかかり、健康な肉体まで蝕(むしば)んでいきます。

だから、自分の貴重な時間は、自分のために使いましょう。

10年後の自分が微笑んでいられる生き方とは、どういう生き方なのか。それをよく考えて「今」を生きるのです。
そうすれば、きっと納得のいく未来が待っています。過去と現在がつながっているように、現在と未来もつながっているのですから。

小林弘幸『死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記」』

過去を修正することはできませんが、未来はこれから築くことができます。
「未来日記」は、未来の自分と向き合うことで前を向き、充実した人生を歩んでいく基盤となるものです。

<目次>
第1章 なぜ「未来日記」は健康にいいのか
第2章 未来を明るく考える10のヒント
第3章 未来日記の書き方
第4章 「未来日記」の効果を上げる生活習慣

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死ぬまで“自分”であり続けるための「未来日記」

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小林弘幸

1960年埼玉県生まれ。順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのパフォーマンス向上指導にかかわる。『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』『自律神経を整える「あきらめる」健康法』など、著書多数。

写真 ©Ichiro Kumada

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