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50歳から始める英語

2020.02.06 公開 ポスト

英語学習を「習慣化」するたった1つの方法清涼院流水

英語がしゃべれるようになりたいけど、この歳では今さらもう遅い……。そんなふうにあきらめていませんか? しかし、TOEICテスト満点を5回達成した経験を持つミステリ作家、清涼院流水さんによると、英語を習得するなら時間とお金に余裕があり、経験豊富な50歳からがベストだそう。著書『50歳から始める英語』には、その独自の勉強法が詰まっています。中身を少しだけお見せしましょう。

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あなたの意思が弱いわけではない

なにか新しい挑戦を始めても、いつも“3日坊主”ですぐ挫折してしまう、という方は少なくないのではないかと思います。そうした方が、「私は、なにに挑戦しても長続きしない、意思の弱い人間なんです」と自嘲ぎみに語られるのを耳にしたことも、何度もあります。

(写真:iStock.com/oatawa)

ですが、そうした方たちが例外的に意思が弱いとは、筆者は思いません。日常生活のサイクルの中に今までやっていなかった新しい要素を持ち込むのは、そんなに簡単なことではないはずで、実行できている人にとっても、容易ではないはずなのです。

筆者自身、学生時代には、勉強を継続させられませんでした。定期試験の前だけ必死になって一夜漬けで知識を詰め込んで、「こんなに試験前に苦労するのは嫌だから、試験が終わったら毎日少しずつ勉強しよう」と毎回決意するのですが、試験が終わったその日には、解放感でいっぱいで、3日坊主どころか、その日から挫折してしまう“0日坊主”でした。学生時代のあいだは、ひたすらそれをくり返していました。

学習に限らず、なにかを継続する方法として、ある時期以降、筆者が用いるようになって効果を実感できたのは、「手帳やスマホ、あるいは日記などに記録する」方法です。

継続した場合には何日連続か、間隔が空いた場合は何日ぶりか、通算で何日めか、成果がわかる場合は、どのくらい進捗しているのかを書くのです。

具体的には、たとえば、「5日連続英単語本Day 10、23%。」(=今日まで5日連続で英単語本を学習し、通算10日め、全体の23パーセントまで進んでいる状態)、「14日ぶり英文法書Day5、7%。」(=今日、14日ぶりに英文法書を学習。通算では5日めで、全体の7パーセントまで進んでいる状態)、と手帳やスマホなどにMEMOをするのです。

英語学習をこつこつ継続していても、毎日ご自分の成長を実感するのは難しく、むしろ、「がんばっているつもりなのに、結果が実感できない。私には英語学習は向いていない」などと感じられることは珍しくありません。

ですが、「何日連続で学習しているのか」「通算何日学習しているのか」「何パーセントまで進んでいるのか」という数字は続ければ続けるほど蓄積されて減ることはありませんので、成果を“見える化”できるのです。

「何日ぶり」と間隔が空いた時でさえ、「あー、私は最近◯日間、学習から遠ざかっていたけど、また戻ってきたのだから、私、偉いかも」と、ポジティヴに捉えることができます。たとえば、それが「100日ぶり」とか「5年ぶり」だったとしても、そのブランクを経て再開されたことは、最初に始めた時と同じくらい、大きな成果なのです。

習慣を「召使い」にする

正確な出典を思い出せないので、ご存じの方にご教示いただきたいのですが、おそらく20年以上前にビジネス書かなにかで読んだ文章の一節に、忘れられないものがありました。出典は忘れても、その言葉のインパクトは、忘れられるはずがないくらい強かったのです。細かい文言は正確ではないと思いますが、それは次のような文章でした。

(写真:iStock.com/ra2studio)

「あなたの人生をより良くするために、いつも勤勉に働き続けてくれる召使いがいたら、どんなに素晴らしいでしょう。あなたは、その召使いを実際に無料で雇うことができます。その召使いの名前は、“習慣”と言います

“習慣”──厳密に言うなら、“良い習慣”──という召使いを頼る方法を身につけられれば、あなたの人生は間違いなく、より良い方向に変化し続けます。“良い習慣”は、あなたの人生を良くするために勤勉に働き続けてくれる、まさに、万能の召使いなのです。

よく言われるように、毎日くり返す歯磨きは、仮に面倒臭いと感じることがあっても、さほど苦痛は伴わずに継続できるのではないでしょうか。それが“良い習慣”の好例です。

英語学習も、最初は継続するのが難しい人が多いとしても、先ほど述べたように手帳やスマホに学習記録を残し、毎日継続するのがあたりまえの“良い習慣”になってしまえば、「さあ、勉強するぞ!」と、いちいち身構えなくても、空気を吸うように自然に学習できるのです。

歯磨きと同じように、「いつもしていることだから、しないと気持ち悪い」というくらいの状態になれば、あなたの英語学習はスタート地点からうまく離陸して、安定軌道を飛行し始めている、と言えます。

英語学習において、いちばん難しいのは、“継続すること”です。

継続していれば少しずつでも知識が蓄積され、必ずや成長につながることでしょう。“良い習慣”という召使いをうまく利用して、“継続すること”を達成できれば、あなたの英語学習は、半分は成功したようなものです。この“良い習慣”という召使いは、英語学習の継続そのものに有効であるだけでなく、具体的な学習にも、さまざまな形で応用が可能です。

関連書籍

清涼院流水『50歳から始める英語 楽しいから結果が出る「正しい勉強法」74のリスト』

生まれてこの方ずっと身近にある外国語は英語。なのに字幕なしで映画鑑賞はおろか海外旅行での簡単な会話すらままならず、諦め続けている人は多い。しかし英語を習得するなら時間とお金に余裕があり経験豊富な50歳からがいい。この期に及んで同時通訳を目指したり欧米企業に勤めるわけじゃない今だからこそ、誰からも強制されない英語学習は楽しく、人生をも豊かにする。TOEICテストを活用すれば自らの成長を数値化できてさらに愉快。今すぐ無性に英語を始めたい! という人に贈る“人生100年時代”の正しい英語勉強法。

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50歳から始める英語

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清涼院流水

1996年『コズミック』で第二回メフィスト賞を受賞し作家デビュー。以後、小説だけでなく、ビジネス書、ノンフィクション、英語学習指南書など著作多数。小説執筆の息抜きとして始めた英語学習にハマり、独自のメソッドでTOEIC(現TOEIC L&R)テスト満点を5回達成。2009年から17年まで主宰していた「社会人英語部」では、のべ65人の部員をTOEICスコア平均900点台にまで導く。日本人作家の小説を英訳して世界中の電子書店で販売しており、著者、英訳者、編集者として手がけた英語作品は100を超える。作家としての近著に『感涙ストーリーで一気に覚える英単語3000』(明日香出版社)、『きみと行く 満天の星の彼方へ』(リチェンジ)などがある。

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