「何もわかってない!」と責められる、「もういい!」と突然キレられる、急に不機嫌になって口を利いてくれない……。男性にとって永遠の謎ともいえる「女性の不機嫌」。この謎を脳科学の観点から解き明かしてくれるのが、人工知能研究者、黒川伊保子さんの『妻語を学ぶ』です。この本に書かれていることを実践すれば、奥さんや彼女の機嫌も一発でよくなるかも? そんなとっておきの処方箋をいくつかご紹介しましょう。
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これをやったら嫌われる
仲良くデートしているのに、特段悪いことをしていないのに、急に不機嫌になって取り付くしまもない……思いもかけない言動が裏目に出ることは、男女の間では多々あること。きっと、あなたの態度やことばが、彼女が期待するようなものじゃなかったのでしょう。
たとえば、デートの最中に気持ちが冷える「あるある」。女の子たちの弁によると、「デートの最中に気持ちが冷える」トップは、レストランのテーブルに着くとき、彼女が座るより前に、どっかと座ってしまうこと。しかも、本来なら女性を座らせる上席のほうに。
レストランに入ったときは、女性が席に着くのを見守ってから、座る。これは、エスコートの基本だ。椅子なんか引かなくてもいいから、彼女が無事に座るまで、優しく見守ってから座る。
そのとき重要なのは、そのテーブルで一番居心地のいい席に彼女を導くこと。奥と手前があるのなら奥。窓際に並んで座るようなタイプのテーブルの場合は景色のいいほう、厨房が見えないほうなど、居心地のいい側をチョイスして。まったく優劣がわからない場合は、相手に「どっちがいい?」と聞いてもいい。
若いカップルに人気があるレストランに行くと、壁際の席がみんなカップルなんていうことがある。そんなとき、隣のカップルの男子がそれをやっているのに、自分の彼氏は奥の席にどっかと座って、自分を見てもくれないとなったら、これはかなり気持ちが冷える。女の子によっては、初デートでそんな目にあったら二度目のデートはないかも、という子も多いくらいだ。
男子の皆さま、気をつけてね。
さて、こんなとき、説明するのも情けないから、女性たちは何も告げずに不機嫌になってしまう。理由を聞いても「別に」と言って教えてくれない。これが、男性からしたら、「わけもわからず、急に不機嫌」に見えるわけだ。
これに似ている女性たちのクレームに、一緒に歩くとき「車道側を歩かせる」「早足で、どんどん先に行ってしまう」というのもある。歩くときは自分が車道側に立ち、彼女の歩く速度に合わせて歩くのは、紳士の基本。
また、ハンドバッグ以外の大きめの荷物を持っていたら、「持とうか?」と聞くのも当たり前だ。これをし損ねたとき、「わけもわからず、急に不機嫌」の目にあうかもしれない。
「不機嫌の理由」を尋ねてみる
さらに、プレゼントやことばが自分の期待通りじゃなかったとき、女性たちはがっかりするあまり、急に不機嫌になることがある。
私の実例で言えば、デート中のあま~い雰囲気の中、恋人に「私のどこが好き?」と聞いたとき、「きみといると楽だから」と答えられてがっかりしたことがある。
後に男女脳の研究をして、男性にとって「一緒にいて楽」な女性は稀有なので、かなり点数の高いことであり、結婚の決心にもつながる大切な要件であることを知ったのだが、若き日の私はそんなことは知っちゃいなかった。
今となっては、そのときの自分が何を期待していたのか思い出せないが、たぶん「きみの声がたまらない」とか、「きみの笑顔が好きだ」とか、そういう感じの褒め言葉が欲しかったのだと思う。
「楽だから」なんてひど~い、と涙まで出たから、その日のデートの後半は散々だった気がする。
こうして急に不機嫌になったときは、彼女の側に「大切にされていないがっかり感」がひしひしとあるわけだから、「どうしたの?」くらいは聞いてあげよう。多くの場合、「別に」と突っぱってくるのはわかっているのだけどね。
で、間髪容れずに「僕は不器用だから、どうしてほしいか言ってほしい」と言ってあげれば、彼女も「レストランでは、奥の席に座らせてね」みたいに素直に言えるはず。
女の機嫌をとるのなんて、みっともないから絶対にしたくない、という男性もいるだろう。
けれど、「急な不機嫌」の理由は、ほとんどの女性が共通に嫌がる無神経さである場合が多い。一回素直に尋ねてみたら、後々の役に立つ。男を上げるエクササイズだと思ってやってみて。