自分の考え方の世界観が狭いのが、悩みの種ならば、占いを勉強して多種多様な感じ方や考え方を身につければ、悩みは消えて幸せに近付くはずだ。
これは結論を先にいうと、こと男女の仲に関しては、とっても頭でっかちで悲しいほど実用に価しない考え方だった。
とりあえず、別れた夫とわたしの相性がそうだった。
勉強を始めて1年程度たった頃、複雑なホロスコープもそれなりに理解できるようにはなってはきていた。外国語でいえば、自分の興味あるジャンルの雑誌くらいは、ときどき辞書をひきつつ大筋を理解できるという感じ。実際にその国のコトバを聞いて、喋って、その国の人と普通にコミュニケーション取れるというところまでは、全然いっていないけれど、日常の挨拶と買い物くらいは、どうにかなる、その程度の状態だった。
朝日カルチャーでの1年間の基礎勉強を終えて、占星術挨拶の単語を習得した私は、そのまま朝カルの講師だった松村潔さんが始めた『原宿虎の穴』という西洋占星術の私塾サークルに入会する。そこはパーツで理解した星や配置の意味を、現実のコトバに置き換えるための徹底訓練が中心の会だった。
う~ん、オオゲサじゃないよ。
なにしろ『虎の穴』だからね。
そのころ、松村さんがこだわっていたのは「まっとうなプロの養成」だった。
ひととおりの学習が済むと、自分が言語化しやすい部分だけの読みを技術として、プロの占い師を名乗っては、自分の使い慣れたフレーズや世界観にだけ寄り掛かって解釈する人があまりにも多いらしい。
それって、ともだちと話しているのと、どう違うの? ということだ。
プロならば、相談者が「幸福だ」と思う世界観に合わせたアドバイスをしなければならない。どうせやるなら、お金がとれるくらいにやらないとつまらんと考えている私は、「はい! はい! プロになるぅ!」と手を挙げて、虎の穴にせっせと通った。
毎週木曜日。原宿の竹下口から降りて、左にある東郷神社の手前の貸しスタジオ。夕方6時から9時までの3時間が私の勉強時間だった。
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ツキが半分
占いページのない女性誌は、絶対成功しない。
かつて、占いページなしで新創刊という大英断を下しながらわずか2号で方針転換をした雑誌は、1冊ではない。
占いとあたしの、切っても切れない関係をセキララに綴る新連載!
※本連載は旧Webサイト(Webマガジン幻冬舎)からの移行コンテンツです。